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第56回北九州市環境影響評価審査会議事要旨(令和5年10月4日)

更新日 : 2023年12月4日
ページ番号:000169615

1 日時

令和5年10月4日(水曜日)14時00分から15時30分

2 開催方式

ウェブ会議

3 出席者

委員
 藍川委員、伊藤委員、岩松委員、岡本委員、川﨑委員、河野委員、楠田会長、竹松委員、田中委員、豊貞委員、内藤委員、三笠委員、村瀬委員

事業者
 九州電力株式会社

事務局
 
環境局環境監視部環境監視課(環境監視部長他4名)

4 議題

「(仮称)新小倉発電所6号機建設計画に係る計画段階環境配慮書」の審査

5 議事要旨

(楠田会長)
それでは審議に入ります。始めに、事前にいただいている意見について、委員からご発言いただき、事業者に回答していただきます。藍川委員から事前にご意見をいただいておりますので、委員お願いします。

(藍川委員)
配慮書4.1-5(P.201) (要約書P.35)に記載の「工事の実施」「工事用資材等の搬出入」に係る「窒素酸化物」「浮遊粒子状物質」について、今後、工事の行程や内容等が具体化し、運搬量(運搬車両台数等)が明らかとなる段階で、「大気質」への影響を再考し、必要に応じて環境影響評価の必要性を今後の方法書の中で検討していただければと思います。

 (楠田会長)
ありがとうございます。それでは回答をお願いします。

 (事業者)
今後工事計画を具体化させていき、環境影響評価の必要性や調査、予測及び評価手法を検討しまして、方法書以降の環境影響評価図書に記載したいと考えております。

 (楠田会長)
はい。ありがとうございます。藍川委員よろしいでしょうか。

 (藍川委員)
ありがとうございます。もう一点、教えていただきたいところがあります。要約書P.53、第4.3.-12表(1)(2)の注書き3の式「y=0.46098x-0.00051」について、具体的に表の中のどの数字を出すためにこの数式を使用しましたか。また、この式はどのように算出したのでしょうか。

 (事業者)
環境基準の年平均相当値0.027ppmを算出するために使用した式です。年平均値と日平均値の年間98%値の相関をとり、相似する関数を導き出して算出したものです。式「y=0.46098x-0.00051」について、xを環境基準0.06ppmとした場合の、環境基準の年平均に相当する値を算出しております。

 (藍川委員)
わかりました。ありがとうございます。

 (楠田会長)
はい。ありがとうございます。それでは次のご質問に移らせていただきます。続きまして川﨑委員からご意見をいただいておりますので、どうぞご発言お願いいたします。

(川﨑委員)
当発電所の1号機は1961年、2号機は1962年に稼働しています。環境影響評価法は1997年に公布された法律ですので、当発電所の建設時には環境影響についての検討はされていないと思われます。配慮書4.1-7(P. 203)第4.1-3表(2)「計画段階配慮事項として選定しない理由」の中で、動物について「配慮事項として選定しない」とありますが、次の2点について教えて頂きたいと思います。
1つ目が動植物の生息状況についてです。建設計画がある西港町地区は、春や秋のヒヨドリの渡りコースにあたります。この飛来するヒヨドリを狙い、猛禽類のハヤブサの狩場となっている状況です。現在の発電所周辺の樹林帯は大きく成長しており、樹林帯にどういった動植物が生息しているのか状況が分かりません。20年ほど前、若松区響町に発電所があった時、敷地周辺の樹林帯に冬場トラフズクというフクロウの仲間が渡来していたとの情報を聞いています。小倉発電所内において、鳥類をはじめ動植物の生息状況はどの様に確認されているのか。当初は確認されていなくても、だんだんと樹林が大きくなるに従って動物・植物の生息状況が変わってきておりますので、どういう状況かお聞きしたいです。
2つ目が漁協等との調整についてです。配慮書2.2-3(P. 6)第2.2-2図(1)「事業実施想定区域の位置及びその周囲の状況」にあるように、事業実施区域の間を通る市道が中央卸売市場に向かっています。発電所からの温排水は、その市道の横にある緑地帯の下を通り、市場の駐車場の下をくぐって海の放水口で流出させています。この沿岸一帯では漁業者により蛸壺漁が行われています。温排水が再度放流されることについて、関係する漁協等の了解は得られているのかお聞きしたいです。

 (楠田会長)
事業者から回答をお願いします。

 (事業者)
まず一つ目のご質問についてですが、今回の配慮書段階では文献調査を主体としております。「北九州市の希少野生生物」等の文献から取りまとめをしています。それに補完して、事業実施想定区域内の植生状況を把握する目的で、現時点の植生状況の確認はいたしております。具体的な動植物の生息状況につきましては、今後の方法書以降の手続きにおいて、事業計画を具体的なものにした上で動植物の環境影響評価の必要性、調査や予測の手法について検討して参りたいと思います。こちらにつきましては方法書に記載いたしますので、方法書手続きの中でご審議いただければと思います。
2つ目のご質問については、放水設備は既存のものを使う予定です。漁協の方へは今後の方法書以降の手続きで、事業計画を具体的なものにした上で、環境影響評価の結果等、丁寧にご説明したいと考えております。

 (川﨑委員)
はい。了解しました。動植物の部分については配慮書では検討事項に入っていなかったので、質問させていただきましたが、今後の方法書で確認させていただきます。よろしくお願いします。

 (事業者)
はい。しっかり検討してお示ししたいと思います。

 (楠田会長)
はい。ありがとうございます。川﨑委員、他にご質問はございませんか。

 (川﨑委員)
ありません。 

(楠田会長)
はい。それでは、次のご質問に移らせていただきます。田中委員、ご発言お願いいたします。

 (田中委員)
私からの質問は2つです。どちらも関連した質問になります。
1つ目は配慮書3.1‐41(P.57)第3.1-31表(2)「公共用水域の水質測定結果(生活環境項目、令和3年度)」に記載の事業実施想定地に近い境川泊地・K8において全窒素濃度が基準値を超える値が検出されています。大気汚染防止の観点から窒素酸化物の影響を危惧されて、煙突の高さを変えており、大気への影響について煙突の高さでいろいろとあると思いますが、その汚染物質が落下していくところが、水質に影響する可能性はないのかなと思い、この質問をさせていただきました。
2つ目は藻類が繁殖して富栄養化現象になり、漁業関係者から苦情が出ていないかという、窒素に関連する質問です。

(楠田会長)
はい。ありがとうございます。それでは事業者から、ただいまのご質問について回答ちょうだいいたします。よろしくお願いします。

 (事業者)
1つ目について令和3年度の公共用水域用水の水質測定結果について年平均値として環境基準は満足していますが、12検体中3検体が基準に適合していなかったという結果でした。
大気から海への窒素酸化物の影響については、予測や評価の手法について把握しておらず分からないというのが現状です。

 (田中委員)
過去、同じように発電施設があり、今回は高効率で窒素濃度の低減化も図られているということですが、過去に影響がもしあったとしたら、今回配慮する必要があるのかなと考えて質問しました。もし何かそういう知見等がありましたら、できれば配慮に入れて欲しいなと思います。漁業関係者から環境が悪くなったというような苦情は出ていないのでしょうか。 

(事業者)
私どもに直接苦情はありません。

 (田中委員)
北九州市にも苦情はないということでしょうか。 

(事務局)
この苦情の件数につきましては北九州市に寄せられたものの件数ですが、この内訳の中に今回の事業に起因する苦情というのは含まれておりません。 

(楠田会長)
はい。ありがとうございます。田中委員、追加の質問はございませんか。

 (田中委員)
はい。ありません。

 (楠田会長)
はい。ありがとうございます。それでは、本日出席されている委員の皆様から、ご意見・ご質問があればお願いします。それでは、伊藤委員お願いいたします。

 (伊藤委員)
2点確認させてください。1つ目は資料14ページに記載の排出ガス量についてです。ほとんどの項目は現状と同じ、または現状より改善されますが、排出ガス量は将来的に増加します。結果的に窒素酸化物は排出量が現状より半分くらい減少するので総量としては減るため問題ないと思いますが、これは新しいタービンによるものなのでしょうか。
2つ目は資料15ページについて冷却水の使用量が半分以下ぐらいに減っていますが、結果的に水温上昇値が同じです。熱量の総量としては減りますが、逆に使用水量をふやして、温度上昇値を下げることは可能なのかどうかということについてお伺いできればと思います。 

(楠田会長)
はい。それでは事業者から回答をお願いします。 

(事業者)
1つ目のご質問について、ガスタービンコンバインドサイクル発電方式を使用しておりまして、既存の設備と構成が大きく異なります。具体的には、燃料(天然ガス)を燃焼器に入れる際に、空気圧縮機に通した高圧の空気を燃料に混ぜて燃焼器に入れます。この空気がものすごく圧縮したものを使いますので、排出ガス量が増えます。
2つ目のご質問についてですが、技術的にできないことはないですが、そうすると海水を送るポンプが非常に大型になってしまい、より大きな動力が必要になるというところがありますし、結果として出てくる熱量というのは温度と海水の量と掛け算となりますのでトータルとしての熱量は変わらないということになります。可能ではあるが、我々としてはこれが最適と考えます。 

(楠田会長)
はい。ありがとうございます。伊藤委員、追加のご質問はありませんか。

 (伊藤委員)
はい。どうもありがとうございました。 

(楠田会長)
はい。ありがとうございます。それでは次のご発言をお願いいたします。それでは田中委員お願いいたします。 

(田中委員)
高効率になり、二酸化炭素の排出量が減り脱炭素化の方向にはもちろんいっていますが、結局、排出量が減るだけで完全にゼロにはならないので、カーボンフリー燃料に転換するようにはなっていますけども。
そのほかに九州電力でもCCSやCCUS等も検討されていますが、出すけども吸収するということをしないとネットゼロにならないので、そのような取り組みは今回検討されないのでしょうか。
九州電力のような大きな会社がそのようなことを率先して技術開発していかれるのは、非常に重要なことではないかなと思います。そのあたりはどうでしょうか。 

(楠田会長)
はい。それでは事業者から回答お願いいたします。 

(事業者)
おっしゃられるとおり、燃料の段階でカーボンフリー燃料を使用してCO2をゼロにするのか、或いは一旦燃やすが煙突から出る前に捕まえるのかというのは大きな考えとして二つあると思います。今回我々は燃料として水素、アンモニアというのを考えておりますが、当然CCS、CCUSで捕まえるという方法は選択肢として十分あり得ると思っておりますし、もし水素専焼というのが現実的でなければCCSはマストとなるのではないかと考えておりますので、結論検討させていただいております。どうやって組み合わせるのかというのは非常に悩ましいところです。一つはコストです。CO2を減らすのにどちらの方が安いかというところや、或いはCCSでも海に埋め戻すというところがなかなか当社では判断できないということもありますので、その取り組みとか或いはモニタリングとか保証とか、そういったものを勘案しないと中々それをやりますと言いきれないところがありますので、結論としましては考えておりますけども、具体的にじゃあどれだけというのは決まってないところでございます。

(田中委員)
ありがとうございます。そこでできなくても、カーボンオフセットのような形で別のところで、CCUSに関係するようなことももちろん考えていただけるといいかなと思います。その場でやることもあるけども、他のところでオフセットできることとか、あればぜひお願いします。

 (事業者)
ありがとうございました。それについても当然あると思っています。私エンジニアなので、まずは自分でやることを目指してできなければそういったオフセットを考えていきたいと思います。

 (楠田会長)
それでは、次のご発言ございます。岡本委員お願いいたします。 

(岡本委員)
配慮書4.1-6(P.202)の計画段階配慮事項として選定しない理由の騒音の項目についてお伺いしたいのですが、選定しない理由として二つ挙げられていたと思います。
一つ目は、評価する場所からある一定距離離れた場所であることを選定しない理由に挙げられていますが、これがどうして選定しない理由に繋がるかもう少し具体的に説明していただきたいと思いました。
これは音の距離減衰が十分稼げるということを想定されているのか、或いはそうでないのか、教えていただけますでしょうか。 

(楠田会長)
はい。ありがとうございます。それでは事業者の方から回答をお願いいたします。 

(事業者)
確かに今回騒音は選定しておりません。こちらは先ほどおっしゃった距離減衰ですね。こういうもので重大な影響を与えるものではないだろうということで判断しております。 

(岡本委員)
分かりました。基本的に距離減衰で問題ないということであれば、それが選定しない理由になると思います。その二つ目の理由(可能な限り低騒音型機器を採用する等の適切な環境保全措置を講じることにより環境への影響を低減することが可能と考えられる)は補足的に書いているというような理解でよろしいですか。 

(事業者)
両方を踏まえて選定しておりません。私どもは影響がないように環境保全措置を講じてしっかりやってまいろうと思っています。措置を講じたうえでの距離減衰といった両方合わせたところで重大な影響がないのではないかという判断をしたことでございます。 

(岡本委員)
分かりました。選定しない理由としては直接的にはその距離減衰の方で稼げるのであればそちらを理由に挙げて、低騒音型機器を使うというのはまた別のことなのかと思いました。書き方を工夫していただけたらと思います。 

(事業者)
承知しました、ありがとうございます。 

(楠田会長)
はい。どうもありがとうございます。それでは次のご発言ちょうだいいたします。村瀬委員お願いいたします。 

(村瀬委員)
今回の計画地に隣接するところに紫川がありますが、最近紫川は環境が改善されて、生物多様性が回復していると聞いています。例えば紫川の河口域で、水産的に有用なカタクチイワシやアオリイカの幼魚が確認されたり、タツノオトシゴの仲間や深海性のホシフグが見つかったりという報告などがあります。今回の計画地の、特に放水口周りが護岸のため、海洋生物の多様性を調べておく必要があるのではないかと考えますがいかがでしょうか。また特に今回の計画では温排水の熱量や水量が減少するということで、温排水の影響が小さくなるということであれば、なおさら現状を調べておいて、事業開始後、温排水の影響がないので、生物多様性が豊かになったよということもいえるかと思うので、現状を把握する必要があるという発言をさせていただきました。 

(楠田会長)
はい。ありがとうございます。では事業者からご回答いただけますでしょうか。

 (事業者)
ご意見ありましたことにつきましては、今回の事業計画を固めた上で方法書を作り上げていきますので、その中で検討して、図書の中で示していきたいというふうに考えております。どのように調査して影響評価していくかというところの検討は今からやっていきたいと思います。

 (楠田会長)
はい。ありがとうございます。村瀬委員よろしいでしょうか。 

(村瀬委員)
はい。検討していただくということで理解しました。承知しました。 

(楠田会長)
ありがとうございます。他にご発言ございませんか。よろしいですか。
それではご発言がございませんので、これをもちまして(仮称)新小倉発電所6号機建設計画に係る計画段階環境配慮書の審査を終えさせていただきます。

このページの作成者

環境局環境監視部環境監視課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2290 FAX:093-582-2196

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