人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2020年11月17日(火)放送

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ネットリンチの恐ろしさ
今日は、SNSの投稿がきっかけで思わぬ展開になってしまったお話です。お兄さんが、元気のない妹を心配しているようですよ。

「どうした?顔色悪いぞ。」
「うん・・・芸能人の書き込みを見て『私はそうは思わない』って書き込んだら・・・ほら、見て。」
「どれどれ。『お前の意見は聞いてない』かぁ・・・。」
「芸能人本人じゃなくて、別の人からなの。他にもたくさん。」
「『偉そう』『嫌なら見るな』『勉強不足』みんな厳しいねぇ。」
「本人は何も言ってないのに、何で周りからここまで言われなきゃいけないの?」
「うーん。その人の意見を『正しい』と信じているから、反対意見を言う人は敵のように感じて、反撃してやれ!って思うのかな。色んな意見を聞いた方が考え方も深まると思うけど。」
「私もそう言ったら、さらに炎上してしまって。投稿を削除しても、誰かが内容を保存してアップするから意味ないの。もう無視することにしたけど・・・。」
「スマホ、音鳴り止まないね。」
「今までの投稿から、本名や住所まで特定する人も現れて、殴りに行くっていう書き込みもあるの。」
「名前を知っているなら、友達や知り合いの書き込みじゃないの?」
「匿名だから、知り合いなのかどうかも分からない。誰に何を思われているか分からなくて、怖くて外に出られないよ・・・。」

いかがでしたか。自分が正しいと思っている事とは違う意見に対し、意見を交換するのではなく、個人情報の特定や行き過ぎた誹謗中傷、暴力をほのめかすような書き込みをするのは「犯罪」です。このような行き過ぎた行為を「ネットリンチ」といい、時には人の命を奪うこともあるため、最近問題になっています。
法務省も、インターネット上の人権侵害が深刻化していることを踏まえ、SNS事業者団体及び総務省と共同で、SNS利用に関する人権啓発サイトを開設しました。被害を受けた場合の対処方法や、法務省のインターネット人権相談窓口のリンクなどが掲載されています。「ノーハート、ノーSNS」で検索してみてください。

SNSは誰かを傷つけるためのものではありません。投稿する前に、自分の書き込みが誰かを傷つけないか、一呼吸おいて考えてみませんか。
では、また。