人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2014年10月28日(火)放送

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北九州おやこふれあい支援センター
離婚の増加に伴って、親が離婚した未成年の子どもの数は、

この40年間でおよそ3倍に増えました。

その数は、2014年でおよそ24万人、北九州市ではおよそ2,300人に上ります。

今日は、両親の離婚によって別れて暮らす親子の面会交流のお話です。

北九州市小倉北区のNPO法人「北九州おやこふれあい支援センター」、

通称「こふれ」は、離婚を機に別れて住むようになった親と子が

定期的に会う「面会交流」を支援する団体です。

北九州地区で初めての支援機関として北九州市内の弁護士などが設立して、

2014年7月で一年を迎えました。

面会場所となる眺めの良いビルの一室には、親子が楽しく遊べるよう、

たくさんの絵本やおもちゃ、折り紙が置かれています。

「夫婦の別れを親子の別れにしない」。

それが「こふれ」の活動の原点です。

理事長の宮崎昭夫(みやざきあきお)さんは次のように話してくれました。

「別居した親とも継続的に会うことは、子どもにどちらの親からも愛されているという安心感をもたらします。

母子(ははこ)二人きりの生活をしている子がお父さんに肩車されると、

本当にうれしそうな表情をするんですよ」と。

子どもの成長が見てとれ、面会交流は養育費の継続的な支払いにもつながるそうです。

日本も批准している「児童の権利条約」には、父や母と離れて暮らす子どもが、

定期的に父母のどちらとも直接会ったり話したりする関係を持ち続ける権利を

尊重するといった内容が記されています。

しかし、厚生労働省の調査では、面会交流を全く行っていないひとり親世帯が半数を占めています。

2011年の民法の一部改正によって、離婚後の子の監護に関する事項に

「父又は母と子との面会及びその他の交流」という表現が盛り込まれ、

ようやく面会交流が浸透し始めました。

「こふれ」のような面会交流を支援する第三者機関も少しずつ増えています。

もし、離婚という形になってしまっても、子どもの父と母という立場に気持ちを切り替え、

子どものためにお互いが協力し合うことが大切です。

子どもは、お父さんもお母さんも大好きです。

たとえ別れていても、親子で楽しく触れ合うという子どもの権利に真剣に向き合い、

子どものよりよい成長を見守っていきたいですね。

では、また。