人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2014年10月29日(水)放送

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ハーフに生まれて
今日は、北九州市教育委員会が平成25年度に募集した人権作品の中から、

北九州市八幡西区(やはたにしく)の小学六年生、吉村茉耶(よしむらまや)さんの作文を紹介します。

題は『ハーフに生まれて』です。

私と弟は、日本とエクアドルのハーフです。

小さなころ、ハーフということで、「外国人」とか「アメリカ人」とからかわれることがありました。

私は、その意味がよく分からなかったので、お母さんに聞くと、

「バナナやリンゴ、イチゴを混ぜた、おいしいミックスジュースと同じよ」と言われました。

私は、フルーツが大好きなので、自分が、おいしいミックスジュースと同じと思うことができて、

うれしかったです。

ただ、肌の色が黒くなりやすいので、夏になるとお母さんが「日焼けに気をつけてね」と言います。

弟は、「チョコレート色」とか、「黒人」、「お前がボールをさわるとよごれるからさわるな!」などと

言われたことがあるそうです。

それを聞いた家族は、とても悲しんでいました。

私も、肌の白い女の子が良かったと思ったことがあります。

でも、肌の色を変えることは、できません。

だから私は、この自分が生まれてきた血を大切に思って生きていこうと思います。

日本人も他の国に行けば外国人です。

だからこそ、どこの国の子どもかは関係なく、差別なんかがあってはいけないと思います。

将来、私は、どこの国の人とも同じように、接する人になりたいです。

そして、いつか私に子どもが生まれたら「おいしいミックスジュースでよかったね」と話してあげたいです。

いかがでしたか。

茉耶さんのお母さんによる「ミックスジュース」という例えは、

きっと、茉耶さんがミックスジュースを大好きだと知っていて、

「胸を張りなさい!」「自分を好きになりなさい!」とのエールを込めたんでしょうね。

自らの経験から、差別なくどこの国の人とも同じように接する人間になると心に誓う茉耶さん。

未来の子どもに「おいしいミックスジュースで良かったね」と伝えたいという思いに誇りさえ感じられます。

私たちも、自分自身に誇りを持ち、肌の色や国籍に関わらず、

お互いを尊重し合う社会をつくっていきたいですね。

では、また。