人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2014年11月05日(水)放送

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自分らしく
今日は、北九州市教育委員会が平成25年度に募集した人権作品の中から、

北九州市小倉南区(こくらみなみく)の中学一年生、笠原扉奈(かさはらひな)さんの

『自分らしく』という詩を紹介します。

本人の朗読でお聴きください。

『自分らしく』

北九州市立志徳(しとく)中学校一年 笠原扉奈

 地面を見てごらん

 ありがせっせと

 食べ物を運んでいる

 

 空を見てごらん

 鳥が悠々と飛んでいる

 まわりを見わたせば

 いろんな生き物が

 生きている

 転んだって

 前に壁があったって

 一生懸命生きている

 私たちだって

 徒競走で転んだって

 発表でまちがったって

 いいじゃないか

 生きている以上

 だれでもまちがう

 大事なのは

 一生懸命生きているか

 この一つしかない命

 一生懸命生きてみようよ

 自分らしく

 一生懸命生きてみようよ

いかがでしたか。

「一生懸命」という言葉が耳に残ります。

「一生懸命生きてみようよ」という呼び掛けは、友達に伝えたいメッセージでしょうか。

それとも、扉奈さんが自分自身に向けて発したエールなのでしょうか。

プロ野球の福岡ソフトバンクホークスで活躍した川﨑宗則(かわさきむねのり)選手は今、

大リーグで逆境をばねに挑戦を続けています。

メジャーリーグ、マイナーリーグを行き来しながら、

英語が分からなくても、試合に出場できなくても、大声を出し、

はつらつとしたプレーで観客に好感を与えています。

日本で高い人気と実力を誇っていた彼が、出場機会にも十分恵まれない中、

どうしてこんなに一生懸命になれるのでしょうか。

川﨑選手は著書でこう書いています。

「この先目指す方向を指す、光が見えている。

だから今のおれは、その光の方向に向かって、自分らしく進むだけ」

一生懸命な人の姿は、共感を呼び、自分自身を振り返るきっかけとなりますね。

今の目標に自分は本気で突き進んでいるのだろうか。

かつて描いた夢を忘れ去ってはいないだろうか。

誰かに触発され、エネルギーを内側から湧き上がらせることができるのが人間だと思います。

自分らしく、失敗を恐れず、可能性を広げようとしている扉奈さん。

皆さんは今、一生懸命生きていますか。自分らしく生きるために、

どんなことに力を注いでいますか。

では、また。

■出典:『逆境を笑え 野球小僧の壁に立ち向かう方法』川﨑宗則(著)、文藝春秋