人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2014年11月20日(木)放送

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赤ちゃん先生プロジェクト
今日は、「赤ちゃんの力」で子どもたちに命の大切さを教え、

高齢者に生きる希望を実感してもらうプロジェクトに取り組んでいる団体を紹介します。

2013年5月、北九州市内の小学校で二年生を対象に「いのち」の授業が行われました。

先生は、赤ちゃんとそのお母さんたち。

赤ちゃんと触れ合うことで命の大切さを実感してもらおうという試みです。

最初は恐る恐る手を伸ばしていた子どもたちは、

泣いている赤ちゃんをあやし、ほっぺに触れて「柔らかーい!」と声を上げ、

教室に温かな空気が流れました。

この「赤ちゃん先生プロジェクト」に取り組むのは

NPO法人「ママの働き方応援隊」です。

小さな子どもを抱えたお母さんは仕事に就くことが難しく、

社会とのつながりさえ失ってしまいがちです。

そこで、逆の発想で「赤ちゃんがいるからこそできる仕事、

『子育て中』がメリットになる仕事を創り出そう」と

2012年に神戸市でスタート。

全国各地へ広がり、翌年2月、北九州市の村上知子(むらかみともこ)さんが九州校を立ち上げました。

学校や高齢者施設から依頼を受け、3歳未満の赤ちゃんと母親を派遣します。

母親は事前に、子どもたちや高齢者との接し方や赤ちゃんの持つ力を引き出す方法を学び、

派遣されるごとに「ママ講師」として謝礼を受け取ります。

高齢者施設では、ほとんど表情のなかったお年寄りが満面の笑みを浮かべて

赤ちゃんを抱きかかえ、職員たちを驚かせることもあります。

あるお母さんは「外出先で子どもが泣き出すと、いつも肩身の狭い思いをしていたけど、

赤ちゃん先生プロジェクトではみんな温かい目で受け入れ、

『いい子だね』と声を掛けてくれる」と目を輝かせます。

村上さんはこう話します。

「子どもたちが命の大切さに気付き、友達に共感する力が芽生えると、

いじめの解決にもつながります。

同時に、ママたちも自分の責任や使命を実感し、自信を付けて成長していきます」と。

少子高齢化社会の中で、世代を超えて人と人とをつなぎ、

地域をつなぐ「赤ちゃん先生プロジェクト」。

「赤ちゃんの力」が子どもたちの思いやりの心を育み、

お年寄りに元気を与え、お母さんたちに充実感をもたらす。

そんなつながりが深まっていくといいですね。

では、また。