人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2015年10月19日(月)放送

テーマ / 生命/平和/環境/思いやり/気付き ジャンル検索

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人権って何?
今日は、北九州市教育委員会が平成二十六年度に募集した人権作品の中から、北九州市八幡西区の中学一年生、髙倉颯汰さんの作文を紹介します。題は『人権って何?』です。

「人権って何?」
と、何を書いていいか分からなかった僕は、父に尋ねました。すると父が、
「自分の力ではどうしようもないことで差別されたりしないことだよ。努力しても変えられないことで評価されることは、お かしいことなんだよ。」
と話してくれました。
僕は意味がよく分からなかったので、
「どうゆうこと?」
と聞き返すと、父は、
「お前が男として生まれてきたのを、今から女にはなれんやろ。男だから女だからという理由で差別するのは駄目だということだよ。また、その土地に生まれたというだけで、やりたい仕事に就けない就職差別っていうのもあったんだよ。」
僕は今までいろいろな人から、
「努力すれば必ず報われる。だからしっかり頑張れ。」
と言われてきました。いくら頑張っても男から女にはなれないし、生まれた場所や両親を変えることはできないのに、それで差別されるなんて変だと思いました。
それから父は、
「人権について考えるときには命について考えることも大事ぞ。」
と言っていました。命について考えることは今までに何度かありました。祖父が亡くなったときや、東日本大震災のとき、中学生がいじめを苦に自殺したというニュースを聞いたときです。
両親から、食事のときに必ず、
「いただきますと言いなさい。」
と言われます。それは、作ってくれた人たちに感謝するだけでなく、肉や魚や野菜などの命をいただきますということも含まれているんだよと話してくれました。
人権とは、自分自身の命を大切にし、周りの人たちや食べ物に感謝し、自分に関わる全ての人のことを思いやって生きることだと思います。

いかがでしたか。人権とは何かを模索する颯汰さんは、男女差別・同和問題・命の大切さなど、さまざまな人権課題に思いを巡らせました。人権は決して特別なものではなく、みんなが当たり前に生きるために持っている権利なのだと、あらためて気付かされる作文でしたね。ラジオをお聴きの皆さんも、身の回りの人権課題について考えてみましょう。
では、また。