人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2015年10月26日(月)放送

テーマ / 女性/高齢者 ジャンル検索

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女性力、きらり
建設業は男性中心というイメージがある中、社員九人のうち社長を含む六人が女性という建設会社が北九州市小倉北区にあります。住宅や店舗などの設計・施工を手掛ける有限会社ゼムケンサービスです。

約十五年前、一級建築士の籠田淳子さんは家業の工務店を母体にしたこの会社の社長に就任。男性が主流の業界だからこそ女性力を強みにして差別化を図ってきました。
「女性はコミュニケーションにたけ、お客様の要望をデザインや図面に生かす感性も豊か。特に豊富な生活体験が建築には有効です。」
と籠田さん。使用者としての台所の動線や装備への配慮、母親目線の子ども部屋づくりなど、より依頼主に寄り添った提案をできることが多いといいます。
籠田さんは自身が仕事と子育ての両立に悩んだ経験から、時間的制約のある女性も働きやすいようにワークシェアに取り組んできました。一つの物件に複数の社員がチームを組んで担当。独身者、既婚者、男女など、働き方や体力の異なる二十代から五十代の社員が、勤務時間や役割など臨機応変にカバーし合います。
例えば、子育て中の人は、朝の家事を終えて遅めの時間に出勤したり、保育園に子どもを迎えに行き再び出社したり、介護休暇も気兼ねなく取得したりするなど、みんなで支え合う中で絆が強まり、仕事の質も向上していったそうです。
育児のため当初はパートタイム勤務しかできなかったのに、現在は主力となった女性社員はこう話します。
「好きな設計の仕事をして生き生きとしているお母さんはすてき、と家族が言ってくれるのがうれしい。」
と。
籠田さんは建設業界でのさらなる女性の活躍を目指して、全国の女性建築家やデザイナーなどと女性建築デザインチームを結成し、ますます活動の幅を広げています。

いかがでしたか。ゼムケンサービスは女性の活躍を応援する企業として、内閣府の「女性が輝く先進企業表彰」をはじめ数々の賞を受賞しています。女性の社会進出について籠田さんは、
「企業がいろんな制度を設けるだけでなく、それを本当に利用しやすい環境をつくることが大事ではないでしょうか。」
と語ります。「女性がきらりと輝く社会」を実現したいですね。
では、また。