人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2015年10月30日(金)放送

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まつばづえ
今日は、北九州市教育委員会が平成二十六年度に募集した人権作品の中から、北九州市小倉南区の小学二年生、大塚葵さんの作文を紹介します。題は『まつばづえ』です。

「いたっ。」
みんなで「けいどろ」をしていて、逃げていたら、滑って足をひねりました。歩くとズキズキしてとても痛かったです。骨折かな、捻挫かな、と心配しました。学童の先生と近くの病院へ行きました。
次の日、整形外科の先生から骨折だと言われました。びっくりしました。ギプスをして、松葉づえを突くことになりました。
いつもは走って駆け上がる階段も、松葉づえを突いてではなかなか上がれません。少しの段差でもこけそうになりました。よく行くスーパーでは、駐車場から入り口まで行くだけで疲れてしまいます。歩くのもゆっくりした速さでしかできず、先に行く妹も立ち止まって私を待ちます。
いつもよりスーパーの中は広く感じて、他のお客さんをよけながら歩くだけで疲れてしまい、しゃがみ込みました。泣きそうな気分になりました。お母さんが車いすを持って来てくれました。みんなから見られているようでちょっと恥ずかしいと思いました。見える高さもずっと低く、スピードが出るとぶつかりそうでドキドキしました。
わたしの足が治ったとき、松葉づえを突いた人を見付けたら、荷物を持ってあげたいです。私のおじいちゃんの車いすを押すときは、ゆっくりしたスピードで、「段差だよ。」「曲がるよ。」など声を掛けながら押してあげようと思います。

いかがでしたか。骨折し、松葉づえや車いすを体験した葵さん。不自由さや危険を感じ、手助けしてくれる人の優しさを感じたのかもしれませんね。
私たちの周りには、生まれつき障害のある人、人生の途中から障害を抱えるようになった人など、生活をする上で何らかの障害のある人が数多くいます。みんな、それぞれの事情、思いを抱きながら暮らしています。
葵さんが、松葉づえを突いた人を見付けたら荷物を持ってあげたいと思い、おじいちゃんの車いすを押すときに声を掛けてあげようと気付いたように、共に助け合う社会への第一歩は、感謝と思いやりですね。
では、また。