人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2015年11月02日(月)放送

テーマ / 子ども/人身取引 ジャンル検索

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子どもの人権SOSミニレター
子どもたちが悩みを相談する手段として、携帯電話、電子メールを使うことが多い中で、手紙を子どもの悩み解決に役立てている取組があります。法務局が全国の小中学生に配っている「子どもの人権SOSミニレター」です。毎年、およそ二万件の「SOS」の手紙が、子どもたちから寄せられています。

SOSミニレターは、便箋と封筒がセットになっていて、子どもたちは悩みを書いてそのまま送ることができます。切手を貼る必要もなく、ポストに投函すると最寄りの法務局に届きます。
「学校で仲間外れにされ、上履きを隠されました。」
「前の席の子が、私の机に落書きをして困ります。」
SOSミニレターには、いじめや体罰、虐待など、救いを求める子どもたちの声がつづられています。手紙には、保護者や先生には直接話しにくいことでも、誰にも知られず相談できるよさがあります。
ミニレターで状況を確認した人権擁護委員や法務局の職員は、
「つらいことがあっても自分を責めないで。」
「私も同じように苦しみました。」
と子どもたちに寄り添いながら、
「よい方法を見付けるために、もう一度お手紙ください。新しいミニレターを入れておきます。」
などと提案します。そんなアドバイスや励ましに背中を押されるように、一人で悩んでいた子どもたちが身近な人に悩みを打ち明け、解決するケースも多いそうです。
「秘密厳守」が原則ですが、子どもの安全を最優先に考え、いじめや虐待など緊急措置が必要な場合は、学校や児童相談所と連携して対応します。ミニレターのやりとりを重ねるうちに、親族から虐待を受けていることを打ち明けてきた中学生を関係機関が協力して迅速に救出したこともあります。

子どもたちは、悩みを分かってもらおうとSOSミニレターを書くことで、自分の置かれた状況を見つめ、客観的に把握していきます。「書く」こと自体が、問題解決の第一歩になるのです。北九州人権擁護委員協議会の豊澤惠子さんは
「ミニレターが、心のキャッチボールの実感を最もよくつかめます。」
と話します。
SOSミニレターは毎年秋に、学校を通じて配られます。小中学生の皆さん、悩みをミニレターにつづってみませんか。
では、また。