人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2015年11月03日(火)放送

テーマ / 女性/高齢者 ジャンル検索

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私のひいおばあちゃん
今日は、北九州市教育委員会が平成二十六年度に募集した人権作品の中から、北九州市八幡西区の小学六年生、向友梨菜さんの作文を紹介します。題は『私のひいおばあちゃん』です。

私のひいおばあちゃんは九十四歳です。元気なときは、お米や野菜を作って届けてくれました。
お盆に遊びに行くと、とても喜んでくれ、テーブルにごちそうが並びます。ひいおばあちゃんは筑前煮が得意です。レンコン、ニンジン、ゴボウ、タケノコ、かしわを、しょうゆと砂糖で味付けします。とてもおいしいです。
この前、総合的な学習の時間に、高齢者疑似体験をしました。腕や足などが曲がらず、なかなか思う通りに動けません。また、視界が狭く、全体に白っぽくかすんではっきりと見えません。周りの音も聞きづらく、大変でした。
このように動きづらい体で生活して、買い物に行くのも何をするのも、とてもつらくて大変なのだと知りました。
そう考えると、九十四歳になっても、家族に頼らず全部自分でするひいおばあちゃんを私はとても尊敬します。
私の夢は、介護士になることです。ひいおばあちゃんのような高齢者が、これから先、体が動かなくなったとき、「お疲れさまでした。」という気持ちを込めたお世話がしてあげられたらいいなと思ったからです。
そんなことを考えるようになったのも、高齢なのに自分のことは自分でやろうと、懸命にやっている、ひいおばあちゃんの姿に励まされたからです。私も一生懸命勉強して、いつかたくさんの高齢者のために役に立てたらいいなと思います。長い間、私たちのために、社会のために懸命に働いてくれた高齢者が、安心してこれからの人生を送れるように、少しでもお手伝いができるようになることが、私の夢です。
ひいおばあちゃん、いつまでも元気で長生きしてください。

いかがでしたか。友梨菜さんは疑似体験を通じて、何げなく行っている日常生活が、高齢者にとっていかに大変か実感しました。そして、負担を抱えながらも何でも自分でやるひいおばあちゃんに、大きな尊敬と感謝の思いが湧いてきます。高齢者への「お疲れさまでした。」という気持ち、私たちも忘れないようにしたいものです。それが、高齢者を理解し、共に生きる第一歩なのですから。
では、また。