人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2015年11月05日(木)放送

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大切な宝物
今日は、福岡法務局と福岡県人権擁護委員連合会主催の平成二十六年度全国中学生人権作文コンテスト福岡県大会で優秀賞を受賞した、北九州市小倉北区の中学二年生、山﨑陽菜さんの作文を紹介します。題は『大切な宝物』です。この作文は一部省略して朗読しています。

私が彼女と出会ったのは、小学校に入学したころで、七年の付き合いになります。彼女は生まれつきの難聴で、音を聞くことができずうまく話すことができません。それで、手話や指文字を使って会話し、コミュニケーションを取ります。でも、私には彼女の声が聞こえます。物語など読んでいるときに、登場人物などのセリフが声とともに読み取れるのに似たような感覚です。
彼女とは、学校や友達の話、ペットの話、好きな人の話など、いろいろなことを話します。授業では、先生の声だけの指示などは受け取ることができないので、手助けをします。これは小学一年生のころから変わらないことなので、私たちの中には指文字などを使える人が多くいます。みんな彼女に「障害者」としてでなく、「一人の友達」として接しています。
私は小学校入学当初からの付き合いもあり、彼女の大きな進歩、成長にいつも感動させられます。一番すごいと思ったのは、中学校に入学した次の日の対面式です。初めて全校生徒が集まる場で、彼女は難聴学級の生徒として全体の前で自己紹介をしました。小学一年生のころは、人前に出て発表したりすることができなかった彼女が、初めての場所、初めての友達や先輩がいる中で、堂々としていてすごいなぁと思いました。
そんな彼女に勇気をもらいます。難聴というハンディキャップを抱えながらも一生懸命で、笑顔の似合う彼女はみんなから愛されています。私も彼女が大好きです。すてきな感情、感動を与えてくれる彼女を大切な宝物だと思いながら、これからも生きていきます。

いかがでしたか。難聴の同級生とごく自然に友達付き合いをしている陽菜さんたち。その難聴の彼女にとっては、障害のあるなしに関係なく接してくれる陽菜さんたちこそ、大切な宝物なのかもしれません。障害があってもなくても、一人一人の個性が輝き、みんなが生き生きと暮らせる社会にしていきたいですね。
では、また。