人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2015年11月11日(水)放送

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人と人とのつながり
今日は、北九州市教育委員会が平成二十六年度に募集した人権作品の中から、北九州市若松区の小学四年生、門野妃奈さんの作文を紹介します。題は『人と人とのつながり』です。

私が二年生のころ、お父さんと電車に乗っていたときのことです。人がたくさん乗ってきて、最後につえを突いたおじいさんが乗ってきました。
「席を譲らなくていいかな。」
とお父さんに言ったら、お父さんは立ち上がり、おじいさんの所へ行きました。
「あのおじいさんね、人がいっぱい乗っているから、自分みたいな人はすぐ降りられるように、扉の前に立っているんだって。」
とお父さんは戻って来て言いました。
なぜ、その人は体が不自由なのに、「周りの人の迷惑にならないようにしなければ。」と考えるようになったのでしょうか。
私は、急いでいるときに、バスからゆっくり降りている人を見て、「早く降りてくれんかな。」と思ったことがあります。その人も「早く降りろ。」と言われたのかもしれません。直接言われなくても、周りから無言のプレッシャーを感じていたのかもしれません。
そこまで考えて、私は、こちらの都合で、「早くしてほしい。」と勝手に思ったりしていた自分に悲しくなりました。
この作文を書く前に、社会にはいろいろな人がいて、みんながその人らしく生きられるという勉強をしました。私は、「本当に私らしく生きられるなんて、すてきなことだ。」と思いました。だから、あのおじいさんもおじいさんらしく、友達も友達らしく生きていけるようにしたいな、と思います。自分と違うからといって、ひどいことや悲しいことはしないようにしよう。困っている人がいたら、勇気を出して、手伝えることを見付けたいと思います。
そんな、優しい、温かい心で、人と人とがつながったら素晴らしいと思います。

いかがでしたか。体の不自由なおじいさんが、なぜ周りに迷惑を掛けまいとするのか。妃奈さんは思いを巡らしました。平成二十八年度に施行される「障害者差別解消法」では、障害を理由とする不当な差別を禁ずるとともに、障害のある人に対する合理的な配慮を提供することを義務付けています。障害があってもなくても、周りの人と普通に関わりを持ちながら、誰もがその人らしく生きられるようにしたいですね。
では、また。