人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2015年11月18日(水)放送

テーマ / 生命/平和/環境/思いやり/気付き ジャンル検索

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へそのお
今日は、北九州市教育委員会が平成二十六年度に募集した人権作品の中から、北九州市若松区の小学四年生、池永大起さんの『へそのお』という詩を紹介します。本人の朗読でお聴きください。

『へそのお』
北九州市立深町小学校四年 池永大起

へそのおきった
ぼくがきった
お母さんのおへそから
弟のおへそにつながっていた
へそのおを

へそのおきった
ぼくがきった
ドキドキ
むねが音をたてた
ドクンドクン
手に心ぞうがあるみたいだった

へそのおきった
ぼくがきった
パチン
うまれたての弟が泣いた

へそのおきった
ぼくがきった
オギャア
弟がぼくたちの世界にやってきた

へそのおきった
ぼくがきったからつながった
うまれてきてくれてありがとう
「なぎと」
ぼくが兄ちゃんだよ
よろしくね

いかがでしたか。大起さんは、「お母さんのおへそから弟のおへそにつながっていたへそのお」を切りました。その経験を通じて弟の誕生をとても喜んでいる様子が伝わってきますね。
お腹の中の赤ちゃんは、へその緒を通じて、お母さんから酸素や栄養を受け取ります。生まれたらへその緒を切ることで、赤ちゃんは自分の力で息をしたり栄養を摂ったりする第一歩につながります。大起さんは、へその緒を自分の手で切ることによって、弟が僕たちの世界と「つながった」と強く実感したんですね。
ところで皆さんは「生まれること」の反対は何だと思いますか。多くの人は「死ぬこと」と答えるでしょう。でも、福岡県行橋市の助産師・内田美智子さんは「生まれることの反対は、生まれないこと」と言います。
「私はこれまで多くの命の誕生に立ち会う一方で、生まれてくることのできない命、数時間しか生きられない命もたくさん見てきました。生まれてきたことは奇跡。人はそこにいるだけで価値があるのです。」
と。
大起さんは「うまれてきてくれてありがとう。」と弟に呼び掛けています。人は誰でも祝福されてこの世に生まれ、みんなを幸せな気持ちにしてくれます。皆さんもそうやって生まれてきた、かけがえのない一つの命なのです。自分の命はもちろん、全ての命を大切にしたいですね。
では、また。