人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2015年11月19日(木)放送

テーマ / 女性/高齢者 ジャンル検索

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あなたもイクボスに!
若い世代を中心に、家事や育児に積極的な男性が増えてきました。では、職場の状況はどうでしょうか。

社員「あ、社長。実は来月、妻が出産予定でして…。」
社長「ほぉ、それはおめでとう。」
社員「で、二カ月ほど育児休暇を取りたいんですが。」
社長「なーに、寝ぼけたこと言ってるんだ。子育てなんて嫁さんに任せときゃいいだろ。」
頭の固い社長をどうにか説き伏せたものの、
「長いお休み、うらやましいね〜。」
と嫌みたらたらです。
数年後、子どもが小学生になりました。
社員「社長、来週の火曜日、お休みをいただいてもいいですか?授業参観に行く約束を息子としているんで。」
社長「困るよ〜。子どもと仕事どっちが大事なんだ。男は働いてなんぼだろ。出世したかったら仕事を優先しろよ。」
このように、家庭を大事にしたくても、「上司が理解してくれない」「休みを申請できる雰囲気じゃない」といった声が少なくありません。そんな中、「トップの意識を変えよう」という取組が各地で始まっています。イクボス・プロジェクトです。
イクボスとは、部下の価値観や家庭環境に合わせた働き方を尊重し、組織の業績も上げつつ自らも仕事と私生活を楽しめる上司のこと。父親支援のNPO法人ファザーリング・ジャパンが、自治体や企業でセミナーを開くなど、ボスたちの意識改革に挑戦しています。
ファザーリング・ジャパン九州の代表で、八十人の従業員のボスでもある小津智一さんは、イクボスの効果をこう強調します。
「部下は、職場に気兼ねなく育児や介護、社会活動ができるようになります。気持ちに余裕ができ人脈も広がるので、結果的に 仕事のプラスになることが多いんですよ。」
以前は仕事人間だったという小津さんですが、イクボスを実践するようになって子どもと過ごす時間が増えました。
「社員にも家族にも、そして自分自身にも笑顔が増え、仕事や人 生が楽しくなりました。」
と話します。

全国的に男女共同参画の取組が進む一方で、男性の育児休業取得率はわずか二・三%。「男は仕事、女は家庭」という考えもまだ根強く残っています。ラジオをお聴きの経営者や管理職の皆さん、あなたもイクボスになって、北九州市を働きやすく暮らしやすい街にしませんか。
では、また。