人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2016年11月04日(金)放送

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命の尊さ
今日は、北九州市教育委員会が平成二十七年度に募集した人権作品の中から、北九州市八幡東区の中学二年生、栁田花蓮さんの『命の尊さ』という詩を紹介します。本人の朗読でお聴きください。

『命の尊さ』
北九州市立高見中学校二年 栁田花蓮

あなたは
家族が突然いなくなったときの
悲しみを 知っていますか
そして 家族がいなくなることを
想像したことは ありますか

私の弟は 突然いなくなりました
私が小学一年生
弟が幼稚園の年中の時
病名は 急性心筋炎

いつも隣にいた弟が
遠くへ
手の届かない場所へ 行ってしまいました
私のせいだ
いじわるしちゃったから…
そうやって ずっと自分を責めていました
そんなことをしても
弟は 帰ってこないのに
だれも悪くないはずなのに
自分を責めなければ
気がすまなくて 申し訳なくて…

命の大切さなんて
はっきりと 分からなかったけれど
命はいつか 突然なくなってしまう
そのことを 弟から学ぶことができました

家族が突然いなくなったときの悲しみを
いつか知るときが来ます
しかし 日常の中で その悲しみを
想像することは 難しいと思います
だから 少しでもいいです
「この世からいなくなってしまおう」なんて考えている人は
家族のこと 友達のこと
生きたくても 生きられない人のことを
考えてみてください
「もう少し生きてみよう」と思えるかもしれません

命が尊いということは
私も あなたも
生きているもの全てが 尊いということです

尊い命 限りあるこの命を
最後まで大切にしませんか

いかがでしたか。
弟の突然の死は、何も自分のせいではない。当時、小学校一年生だった花蓮さんも分かっていたのではないでしょうか。分かっているのに、自分を責めずにはいられない。つらく苦しい体験を通して、花蓮さんは「命の大切さ」を深く心に刻みます。
花蓮さんがこの詩を書いたとき、中学生がいじめを苦にして自殺したというニュースが流れていたそうです。残された家族、友人の悲しみは、とても人ごととは思えなかったのでしょう。花蓮さんは呼び掛けます。
「尊い命 限りあるこの命を 最後まで大切にしませんか」と。
では、また。