人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2016年11月16日(水)放送

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かがやけ こせい
 今日は、北九州市教育委員会が平成二十七年度に募集した人権作品の中から、北九州市若松区の小学四年生、松尾凛咲さんの作文を紹介します。題は『かがやけ こせい』です。この作文は一部省略して朗読しています。

 ある日、昼休みに遊んでいると、上級生が
「あなたの声っておかしいね。」
と言って、からかいました。どうしてそんなこと言うのか分からなくて、心がちくちくしました。
家に帰ってお母さんに話すと、
「りさは赤ちゃんのときから、スズムシのようにきれいな声で泣いていたもんね。とても優しくて、かわいい声だよ。少しみんなとは違うから、からかいたくなるんだろうね。」
と少し悲しそうに言いました。でも、私はお母さんの言葉を聞いて、ほっとしました。
 声だけでなく、顔も体形も性格もみんないろいろ。だから、私は自分の声が変だとは思わなくなりました。
 私は合唱部に入っていますが、学級担任でもある合唱部の先生は、
「自分の声は、世界に一つしかないきれいな楽器です。一つしかない声の楽器をみんなで合わせると、もっとすてきだと思いませんか。」
とよく言います。
 その言葉を聞くといつも、世界に一つしかない私の声を出して、みんなときれいな歌声を出していきたいなと思います。
 合唱部ではソプラノを担当しています。自分の声がみんなの声と重なってきれいなハーモニーになると、役に立っていると感じて楽しいし、うれしくなります。声はそれぞれ違うのに、合唱するととてもきれいに聴こえます。そんなとき、私はこの声でよかったなと思います。
 今、私はみんなと違っていることに自信を持って生きています。なぜなら、自分のよさに気付いたからです。みんなの個性がきらきら輝いていけるようになって欲しいと思います。もし、悲しんでいる人がいたら、
「悲しまなくていいんだよ。」
と声を掛け、励ましてあげられる人になりたいです。私の個性を大切にしながら―。

 いかがでしたか。凛咲さんは、合唱部の活動を通して自分のよさに気付きました。そして、みんなの個性がきらきらと輝くことを願っています。人と人とが個性を尊重し合い、美しいハーモニーが響き合う社会にしたいですね。
 では、また。