人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2016年11月17日(木)放送

テーマ / アイヌの人々 ジャンル検索

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アイヌの子守歌
 皆さんはアイヌの言葉や歌に触れたことがありますか。これから流れる歌を聴いてみてください。

(アイヌの子守歌「60のゆりかご」)

 これはアイヌの子守歌です。こんな内容が歌われています。
 雲の空を通り抜け、星の空を通り抜ければ、天の上ではきれいな小川が流れていて、大きな金の家の中で神様が六十の揺りかごを揺らしている。揺りかごの赤ちゃんたちが一斉に泣く声がこの世界に降って来ると、そこから「眠り」が生まれる。
 幻想的な歌声に乗って、「赤ちゃんにスヤスヤと眠って欲しい」と願うアイヌのお母さんの思いが伝わってきますね。
 この歌のように、アイヌには独自の文化や歴史があります。皆さんご存じの「ラッコ」や「トナカイ」といった動物の名前はアイヌ語から来ています。また「静かな川」という意味の「門別」、「飲み水のある沢」という意味の「稚内」など、北海道や東北地方には、アイヌ語に由来する地名が多く残されています。
 もちろん言葉や歌だけでなく、民族衣装、伝統舞踊、伝統儀礼などアイヌの人々は先祖代々、豊かな文化を受け継いできました。一九九七年には、アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会を目指し、「アイヌ文化振興法」が制定されました。また、二〇〇八年には、国会において「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が全会一致で採択されました。それと並行して、アイヌ語やアイヌの伝統文化を受け継いでいく活動も近年、盛んになっています。

 東京オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年に、北海道白老町に設置予定の「民族共生の象徴となる空間」に、国立アイヌ民族博物館が置かれるようになります。
 この機会に皆さんもアイヌの人々の、文化や歴史に触れてみませんか。

 今日は、アイヌのお話アニメ「オルシペスウォプ」から、川上容子さんの歌で「60のゆりかごレホッネシンタ」を、公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構の協力で、お届けしました。
 では、また