人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2016年11月22日(火)放送

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働きやすく働きがいのある職場づくり
 北九州市若松区にある芳野病院は、時代に先駆け、職員の仕事と家庭の両立を応援してきました。さらに一人一人が生き生きと働き続けて欲しいとキャリア支援も推進しています。
 
 芳野病院の職員およそ二百八十人のうち、七五%ほどが看護師を中心とした女性です。
芳野元院長は職員からの
「結婚や出産後も仕事を続けたい。」
との声に応え、二〇〇四年から男女を問わず育児休業取得を奨励してきました。また保育園の送迎に合わせて「三十分遅く出勤し三十分早く帰宅」する短時間勤務を導入してきました。
 当初は独身者に仕事のしわ寄せが行ったり、一部の部署に負担が偏ったりするなど、不満の声も出ましたが、職員同士が小まめに話し合い、
「土曜日だけはフルタイムで働ける。」
「いつか自分も出産するだろうから。」
など、歩み寄りを図っていきます。病院も夜勤専門看護師の雇用や部署を越えた応援体制の充実にも取り組み、問題を解決していきました。
 時と共に「お互い様」精神は行き渡り、十年前に育休を取った世代が今では各部署で役職者として、子育てに理解のある職場づくりを支えています。
 さらに院長は
「女性の活躍推進が叫ばれるが、そのためには職員の意欲と可能性を引き出していくことが必要。」
と話し、キャリア支援にも力を注いでいます。
 三度の育休を利用した看護部の渡邊直美さんは
「職場全体に子育てを応援してくれる雰囲気があり、目標への挑戦も後押ししてもらい、やりがいを感じて働いています。」
と笑顔で話します。
 
 二〇一五年、芳野病院は厚生労働省のキャリア支援企業表彰を受けました。さらに院長は、部下に仕事と生活の両立を促す同省の「イクボスアワード2015」グランプリを受賞しました。院長はこう強調します。
「経験を積んだ人材が出産や育児で退職せずに働き、従業員がスキルアップするのは、本人にとっても、職場にとっても有益なことだと思います。」と。
 では、また。