人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2016年11月25日(金)放送

テーマ / 障害のある人 ジャンル検索

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 今日は、北九州市教育委員会が平成二十七年度に募集した人権作品の中から、北九州市八幡西区にある特別支援学校の高等部三年生、池田隼人さんの『僕』という詩を紹介します。本人の朗読でお聴きください。

  『僕』
北九州市立八幡西特別支援学校 高等部三年 池田 隼人

 僕は自分の体が好きだ
 この不自由な体が好きだ
 難しいこともたくさんあるけれど
 僕は何だってできる
 友達もいる
 勉強もする
 買い物もする
 夢もある
 みんなとなにも変わらない
 たった一つの大切な命だ
 僕は挑戦をやめない
 できないことをできるようにする
 できることをもっとできるようにする
 辛くても悲しくても
 どんなに高い壁があったとしても
 僕は進み続ける
 なぜなら僕は自分の体が好きだから
 小さな成功を大きな喜びに変えてくれる
 この不自由な体が大好きだから

 いかがでしたか。
 簡潔な表現でつづられた言葉に、力強さを感じませんか。実は隼人さんは、この詩をたった十分ほどで書き上げたそうです。心からあふれ出した思いをそのまま書き取ったのかもしれませんね。
 自分の体が好きだという隼人さん。隼人さんには障害があり、不自由なときもあるけれど、たった一つの命です。友達をつくる、勉強や買い物をする、夢に向かう。隼人さんは、全てがこの命を通して実現していくと知っています。
 そんな隼人さんの毎日は挑戦の連続です。授業や部活動など、どんなことにも全力で取り組む隼人さんの姿が目に浮かびます。そして、「僕は挑戦をやめない」と宣言します。高い壁があっても、歩みを止めることはありません。
 日常のほんの小さな成功も、持っている力を出し切ったとき、大きな喜びとなります。そんな感動を与えてくれる体を、命を、隼人さんがとてもいとおしく思っていることが伝わってきます。その思いこそが、挑戦の原動力なのかもしれません。
 隼人さんの夢は、小学生のころから変わらずコンピュータープログラマーになることです。今、専門学校で、その夢の実現に向かっています。私たちも、自分のたった一つの命をいとおしみながら、挑戦し続ける人生を送りたいものですね。
 では、また。