人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2016年10月20日(木)放送

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ふうせんバレーボール
皆さんは「ふうせんバレーボール」という競技を知っていますか。このスポーツは一九八九年に北九州市で始まり、全国に広がっています。一体どんな競技なのでしょうか。

「重い障害のある人も一緒にできるスポーツがあったらいいな。」
障害のある人のこんなつぶやきから、「ふうせんバレーボール」は始まりました。指一本でも軽く打ち上がるようにボールは直径およそ四十センチの風船を使い、色は見やすいようにピンク色。目の不自由な人も参加できるように中に鈴が二個入っています。一チームの構成は六人で、選手は障害のある人が三人か四人、障害のない人が二人か三人です。「対等なチーム作り」のため障害の種類や程度でハンディレベルを設けるなどのルールはいろいろありますが、チームの全員が必ず一度は風船に触れてから原則十回以内に相手コートに返すという全員参加にこだわりました。
ゲームでは、ふわふわと上がる風船を皆で追い掛け、「ナイスパス」と声を掛け合いながらプレーします。一本だけ動く指を使いパスを回す選手。体の一部分に風船を当てて、仲間にパスをつなぐ選手もいます。障害の種類や程度、有無にかかわらず、コートに入れば、全員がプレーヤーという仲間です。風船を打つ瞬間は緊張もし、ゲームの興奮も味わいます。大会が間近になると、練習にも自然と熱が入ります。
日本ふうせんバレーボール協会会長の林英之さんは
「障害のある人とない人が一緒に同じ目標に向かって汗を流すことで、互いに理解が深まります。重い障害のある人が家から外に出る機会をつくろうと始まりましたが、健常者は、このスポーツを通じ、自分の生き方を問い直す機会も多いと感じます。」
と語ります。
ふうせんバレーボールは全国でチームが結成され、各地区での大会のほか、毎年北九州市で全国大会が行われます。韓国のチームとの交流も始まり、海外でも広がりを見せています。

「ふうせんバレーボールがいつかオリンピックの競技になって欲しい。」
そう夢を話す車いすの選手。障害のある人とない人が一緒にプレーするように、障害のあるなしにかかわらず共に支え合う社会をつくっていきたいですね。
では、また。