人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2017年11月13日(月)放送

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マタ二ティ・ハラスメント
マタニティ・ハラスメントという言葉を聞いたことがありますか。妊娠、出産した女性に対する職場での嫌がらせや不当な待遇のことで、通称「マタハラ」。働く女性にとってはセクハラ、パワハラと並ぶ、職場での三大ハラスメントといわれています。
ここは、とあるファミリーレストラン。二人の女性が、この問題について話しているようです。

「お腹、そろそろ目立ち始めてきたわね。順調そうでよかった!待望の赤ちゃんだものね。」
「赤ちゃんは順調なんだけど、仕事のほうがね…。」
「何かあった?」
「うん…。この前、先輩の女性から、『いろいろ忙しくて、みんなが大変なこの時期に、どうして、今、妊娠?』みたいなことを言われちゃった。ようやく妊娠したのに…。」
「その人、病気や怪我は仕方ないけど、妊娠の時期はコントロールできると思ってるんでしょうね。」
「なんとなく周りの目も気になって…、働きづらい。」
「私も上の子を妊娠した時、上司に報告したら、『パートになったほうが気が楽なんじゃないか』って、遠回しに退職をすすめられたわよ。」
「でも、今も正社員でしょ?」
「そう。私の場合は女性社員が応援してくれたおかげで、社長に直接、『私たち女性もこの会社でずっと働きたい。母親になっても仕事を続けたい』って、思いを伝えることができたの。」
「それで、社長は?」
「ちゃんと理解してくれて、『社員は会社の財産だ』と言ってくれた時は本当にうれしかった。そして、お腹が大きくなっても着られるマタニティの制服を作ってくれたの。私の上司にも指導してくれたから、今では社員が妊娠した時の協力体制も整っているし、育児休業もとりやすくなってるわね。」
「そんな会社だったら、女性も働きやすいわよね。私もせっかく頑張ってきたんだから、仕事はずっと続けたい。これからも、いろいろアドバイスしてね。」
「もちろんよ!」

いかがでしたか。妊娠・出産しても、「働くことで輝いていたい」という女性はたくさんいます。次の世代を育てることは、社会にとっても、大事なことです。家庭や会社も含めて社会全体で、女性が働き続けられる環境を整えていくことが大切ではないでしょうか。
では、また。


■マタハラ…マタ二ティ・ハラスメントの略。妊娠や育児休業などを理由として、解雇や退職の強要など、労働者にとって不利益な取り扱いをすること。また、妊娠・出産・育児休業などに関して、上司や同僚が、就業環境を害する言動を行うこと。
■パワハラ…パワー・ハラスメントの略。職務上での地位や人間関係などの職場内の優越性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させること。
■セクハラ…セクシュアル・ハラスメントの略。職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、拒否したことで不利益を受けたり、職場の環境が不快なものとなること。