人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2021年11月5日(金)放送
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  • 多文化共生への一歩

鶴田弥生

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多文化共生への一歩

北九州市に住民登録をしている外国人市民は年々増えており、令和三年七月では一万三千一一〇人。全体のおよそ一・四%を占めています。こうした中、北九州市では、言語や文化などお互いの違いを認め合い、対等な関係を築きながら、地域社会の構成員として共に生きていく「多文化共生のまちづくり」を進めています。最近では、技能実習生など外国人労働者が増えている地域もあり、外国人住民と理解を深めるための交流会や日本語教室など、さまざまな取組が広がってきました。
今回は、二十四年前から八幡西区の光貞市民センターで日本語学習と異文化交流の活動を行っている、国際交流ボランティア「結の会」にお邪魔してみました。

「結の会」では、毎週一回、外国人の方と日本語でおしゃべりを楽しむ活動を行っています。地域に暮らす日本人の方と一対一で日常会話を学べることから、これまで多くの外国人の方に喜ばれてきました。「結の会」のスタッフは、分かりやすい「やさしい日本語」を使い、ゆっくりしゃべっています。
参加していた外国人の方は、
「散歩で会った近所の人に、何と話しかけたらいいか?」
「学校の友だちの方言が分かりにくいので教えてほしい。」 など、身近な生活での会話を学ぶことに一生懸命です。
日本に住んで四年半になるという方は、
「主婦の私は、隣に住んでいる人とも話したことがなく、ここが唯一の会話を楽しむ場なんです。」とおっしゃっていました。

日本に暮らす外国人の方にとって、「言葉の壁」は、心の壁にもなり得ます。日本語でうまくコミュニケーションがとれなければ、職場や町内で孤立してしまったり、ささいなトラブルで誤解や偏見を生んでしまったりすることもあります。

「結の会」では、さまざまな国の方と出会う中で、過去には近隣の小中学校の子どもたちと一緒に、それぞれの母国の家庭料理を教え合うなど、交流も行ってきました。
今後ますます、外国人の方と接する機会が多くなる私たちは、多文化共生のまちづくりへの理解を深め、交流を行っていかなくてはなりません。「結の会」のコミュニケーション支援は、そのための大切な一歩になると思います。言葉を通して心も通じ合うことで、外国人も日本人も暮らしやすいまちになるのではないでしょうか。
では、また。