人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

メニュー

ここからコンテンツです

明日への伝言板試聴コーナー

  • 2022年11月25日(金)放送
  • テーマ / 子ども ジャンル検索
  • 「境界線ってなに?」

鶴田弥生

YouTubeを再生する

PDFダウンロードPDFダウンロード
「境界線ってなに?」

「〝自分を守る〟ために知っておいてほしい、『境界線』のことをおはなしします。」
こんな書き出しで始まる児童向けの冊子『境界線ってなに?』を、二〇二一年三月に福岡県が発行しました。

誰でもみんな、自分とほかの人との間には、体や気持ちなどに境界線を持っています。この境界線は、目には見えませんが、透明なバリアとして自分を守ってくれるものです。
体の境界線の中でも特に大事なところは、体操服で隠れる部分で、「プライベートゾーン」とも呼ばれます。この境界線が破られることで性暴力が起きると、子どもに分かりやすい文章とイラストで解説しています。

この冊子を監修した「性暴力被害者支援センター・ふくおか」の相談員コウさんが、本に込めた思いを話してくれました。

「相談を受ける中で『これが性暴力の被害かどうか分からない』と言われる方が多いんです。『自分が思わせぶりな態度をとったのでは?』と自身を責めたり、『同意があったかどうか分からない』と悩んだり…。
性暴力の被害とは、いざ当事者になると本人をとても混乱させてしまうものです。
そこで〝自分と相手との間には境界線がある〟という概念があれば、子どもたちにも分かりやすいのでは、と考えました。境界線を大切にすることが自分を守ることだと分かれば、境界線がピンチになったときにも、自分で気づけると思うんです。」

たとえ親しい間柄でも、相手にもっと近づきたいとき、手をつなぎたいときなどは「言葉でお互いの気持ちを確かめよう」と、本には書かれています。「もちろん、イヤならイヤと言っていいんですよ。」と、コウさんは続けます。

「イヤと言われると傷つくこともありますが、それは相手に嫌われているわけじゃなくて、境界線を越える行為がイヤなだけ。自分を守るのと同じように、相手の境界線を大切にできたんだと受け止めてください。」

いかがですか。
『境界線ってなに?』の初めのページには、こんなメッセージが書かれています。
「あなたの からだは あなたのもの」
「あなたの こころも あなたのもの」
一人一人が普段から境界線を意識して、自分のことも相手のことも大切にできるようになりたいですね。
紹介した冊子は、福岡県生活安全課のホームページでご覧いただけます。
では、また。