人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2023年11月16日(木)放送
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  • 難病でも前向きに生きる

鶴田弥生

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難病でも前向きに生きる

今日は、「まえころ」さんという愛称で呼ばれている女性のお話です。

まえころさんが、難病に指定されている膠原病を発症したのは、四十二歳になる直前、会社で責任ある仕事を任せられてまもなくのことでした。
膠原病の中でも、「多発性筋炎・皮膚筋炎」という筋肉に力が入らなくなる病気で、一カ月ほどで動けなくなってしまいました。
医師に社会復帰は無理と宣告されますが、気持ちを奮い立たせ仕事に復帰しました。しかし、当時はまだ難病への理解がなく、治療と仕事の両立という考え方は普及していなかったため、仕事の合間に病院へ行くのも大変でした。
四年前からは、合併症の間質性肺炎が悪化して、日常生活でも酸素ボンベが必要になりました。
「膠原病を発症した時よりショックでしたね。酸素ボンベを持って出かけないといけないなんて…。なかなか受け入れられず、卑屈になっていました。」と、まえころさん。
そんな時に出会ったのが、NPO法人「Coco音」でした。
Coco音は、がんと難病の当事者が、語り手として福岡県内の小中学校へ出向き、「生きることの授業」を展開しています。授業では、子どもたちの生きる力を育むために、病気の経験から生まれたメッセージを届けます。

まえころさんは、Coco音に何度も通い、理事の方と話すうちに、自分の病気と向き合う気持ちが芽生え、だんだん病気について肯定的に考えられるようになったといいます。
また、語り手の一人として活動する中で、子どもたちから励まされることも多く、自分自身にも前向きな気持ちが膨らんだそうです。まえころさんは、子どもたちに、「かけがえのない存在である自分を大事にすること」や「夢を大事にすること」を伝えています。

そんなまえころさんから、皆さんへのメッセージです。
「難病の人や体の不自由な人がいても普通だと思ってくれるような社会になったら、もっと生きやすくなると思います。もし、赤いストラップに白で十字とハートのマークが描かれたヘルプマークを持っている人を見たら、気にかけてくれるだけでもいいんです。相手を気遣い、寄り添う気持ちがあれば、それがさり気ない行動につながっていくと思います。」

この、まえころさんからのメッセージ、しっかり受け止めたいですね。
では、また。