人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2023年11月29日(水)放送
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  • NOヘイトスピーチ

鶴田弥生

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NOヘイトスピーチ

「日本から出て行け!」「たたき出せ!」
このような酷い言葉で特定の民族や国籍の人を排除しようとするヘイトスピーチが、二〇一〇年代から増え続けています。街頭での演説やデモ行進などでヘイトスピーチを行い、それらをインターネットで公開して意図的に拡散している団体もあります。二〇一六年にヘイトスピーチ解消のための法律が施行されたにもかかわらず、こうした行為が後を絶たないのはなぜでしょう。福岡県で人権に係る講師団講師をされている朴康秀さんに聞いてみました。

「最近では、ヘイトが脅迫や暴行、放火などの犯罪に及ぶケースもあり、社会全体を覆うように広まってきていると感じます。特に増えているのはネットを使ったものです。ヘイトスピーチの現場や映像を見た人の多くは、『これほど酷いとは思わなかった』『今の時代になぜこんな差別が横行するのか信じられない』と言います。しかし、ヘイトスピーチにはデマや偏見を巧妙に潜り込ませているため、それを見聞きするうちに、最初は『自分は差別なんてしない』と思っていた人たちが、『言ってることは間違いではないのかもしれない』と思ったり、『あんなことを言われても仕方のない存在なんだ』などと間違った認識を植えつけられたりすることもあるのです。」

そう語る朴さんは、初めのうち「こちらが相手にしなければ、そのうち収まるんじゃないか」と思っていたと言います。しかし、たまたま自分たちへのヘイトスピーチの現場に出くわしてしまった若者が、その時の状況を説明しようとしても言葉を詰まらせ、震えて何も言えない、とても大きなショックを受けている姿を見て、「ヘイトスピーチを放っておけない」と思ったそうです。

朴さんは言います。
「私たちの心の中には、『相手を傷つける』『差別になるからこれ以上は駄目だ』と自分を抑える垣根がありますが、その垣根をグッと下げて壊してしまうのが、ヘイトスピーチの怖さです。だからこそ、路上での演説であれ、ネット上の投稿であれ、ヘイトスピーチは決して許してはいけないのです。」

いかがですか。
私たちも、人を傷つけるヘイトスピーチを許さない、という強い気持ちをもつことが大切ですね。
では、また。