特集子どもの予防接種

正しい知識で子どもを病気から守ろう

 乳幼児をはじめ子どもを対象とした予防接種は、子どもの健やかな成長に欠かせません。予防接種をどの時期にどの順番で受ければよいか、正しい予防接種スケジュールを立てることは保護者にとって大切です。今回は、予防接種の重要性について、よしだ小児科医院院長の吉田雄司さんに話を聞きました。

吉田雄司さん写真

よしだ小児科医院院長

吉田雄司さん

子どもを病気から守る予防接種

 子どもは病気にかかりやすく、かかると重症になることがあります。ウイルスや細菌感染を防ぎ、重い病気にかからないようワクチンを接種することが予防接種です。

 ワクチンには、「感染症から自分を守る」「感染症を人にうつさない」という二つの目的があります。ワクチンの接種後に軽い発熱や注射部位の腫れ、しこりなどの副反応はよく見られますが、保護者が心配するような重い副反応は極めてまれです。ワクチンを接種しなかったために重い感染症にかかる方が危険です。予防接種は子どもを感染症から守るために必要なことなのです。

 予防接種には定期のものと任意のものとがありますが、どちらも大事です。可能な限り早めに多くの予防接種を受けてほしいと思っています。

スケジュールはかかりつけ医と相談を

 生後2カ月から予防接種はできます。乳児期早期でも感染することがあるので、接種できる月齢が来たらできるだけ早く接種することをお勧めします。予防接種をスムーズに行うために、生後1カ月頃にかかりつけ医になる小児科に相談してほしいですね。どのワクチンがどういう病気を予防できるのか説明を受け、今後のスケジュールを一緒に決めてください。

 乳幼児健診をきちんと受けておけば、その都度かかりつけ医も次の予防接種の時期の指導ができます。また、市では平成24年度から、生後2カ月を迎える子どもに0~1歳で必要な予防接種(無料)をお知らせする「ワクチンデビュー予診票セット」を送付しています。この予診票セットなどを活用し、接種の目安にするのもいいですね。

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 予防接種は乳幼児期はもちろん、小学校の高学年以降も必要です。市からのお知らせが届いたら忘れず接種し、子どもを病気から守りましょう。

市の相談窓口

各区役所「健康相談コーナー」

予防接種スケジュールの例(平成24年12月現在)
(年齢は満年齢)定期:定められた期間内で受けるよう法律で規定された予防接種(無料)
任意:定期の予防接種以外の予防接種(有料)。ヒブ、小児用肺炎球菌、子宮頸がんは無料。
同時接種の例:あらかじめ、かかりつけ医と相談してください。

ワクチン名 不活化ワクチン B型肝炎 任意
ワクチンで防げる病気 B型肝炎
任意接種の対象年齢 0歳~
お勧めの接種時期(数字は接種回数) 2~4カ月、8カ月~1歳 1:2カ月 2:3カ月 3:10カ月

ワクチン名 生ワクチン ロタウイルス 任意
ワクチンで防げる病気 ロタウイルス感染症(胃腸炎)
任意接種の対象年齢 2カ月~5カ月半、2カ月~7カ月半
お勧めの接種時期(数字は接種回数) 2~4カ月半、3~6カ月半 1:2カ月 2:3カ月 3:5~6カ月
ロタウイルスワクチンは、種類によって接種回数が異なります。できるだけ生後14週6日までに接種を開始しましょう。

ワクチン名 不活化ワクチン ヒブ 任意
ワクチンで防げる病気 細菌性髄膜炎など
任意接種の対象年齢 2カ月~5歳
お勧めの接種時期(数字は接種回数) 2~6カ月、1歳3カ月~1歳7カ月 1:2カ月 2:3カ月 3:4カ月

ワクチン名 不活化ワクチン 小児用肺炎球菌 任意
ワクチンで防げる病気 細菌性髄膜炎など
任意接種の対象年齢 2カ月~
お勧めの接種時期(数字は接種回数) 2~6カ月、1歳~1歳4カ月 1:2カ月 2:3カ月 3:4カ月

ワクチン名 不活化ワクチン 四種混合(DPT-IPV) 定期
ワクチンで防げる病気 ジフテリア・百日ぜき・破傷風・急性灰白髄炎
定期予防接種の対象年齢 3カ月~7歳半
任意接種の対象年齢 7歳半~
お勧めの接種時期(数字は接種回数) 4カ月~1歳、1歳6カ月~2・3歳 1:3カ月 2:4カ月 3:5~6カ月 4:1歳9カ月~1歳10カ月
二種混合(DT):11歳で追加接種(接種対象11~12歳)

ワクチン名 生ワクチン BCG 定期
ワクチンで防げる病気 結核
定期予防接種の対象年齢 0歳~6カ月
任意接種の対象年齢 6カ月~
お勧めの接種時期(数字は接種回数) 3~6カ月 1:4~5カ月

ワクチン名 不活化ワクチン 三種混合(DPT) 定期
ワクチンで防げる病気 ジフテリア・百日ぜき・破傷風
ワクチン名 不活化ワクチン ポリオ(単独) 定期
ワクチンで防げる病気 急性灰白髄炎
定期予防接種の対象年齢 3カ月~7歳
任意接種の対象年齢 7歳~
三種混合(DPT)とポリオの接種が完了していない場合のスケジュールは、かかりつけ医にご相談ください。

ワクチン名 生ワクチン MR(麻疹風疹混合)
ワクチンで防げる病気 麻疹(はしか)・風疹
定期予防接種の対象年齢 1~2歳、5~7歳
任意接種の対象年齢 6カ月~
お勧めの接種時期(数字は接種回数) 1歳~1歳1カ月、5~7歳 1:1歳 2:6歳
1歳になったら、できるだけ早めに接種しましょう。
小学校入学の前年に接種(4~6月がお勧め)
平成6年4月2日~7年4月1日生まれの人・平成11年4月2日~12年4月1日生まれの人の追加接種があります。

ワクチン名 生ワクチン おたふくかぜ 任意
ワクチンで防げる病気 おたふくかぜ
任意接種の対象年齢 1歳~
お勧めの接種時期(数字は接種回数) 1歳~1歳3カ月、5~7歳 1:1歳 2:6歳

ワクチン名 生ワクチン みずぼうそう(水痘) 任意
ワクチンで防げる病気 みずぼうそう(水痘)
任意接種の対象年齢 1歳~
お勧めの接種時期(数字は接種回数) 1歳~2歳3カ月 1:1歳 2:1歳3カ月
追加接種は、初回接種から約3カ月の間隔をあけて受けましょう。

ワクチン名 不活化ワクチン 日本脳炎 定期
ワクチンで防げる病気 日本脳炎
定期予防接種の対象年齢 6カ月~
お勧めの接種時期(数字は接種回数) 3~5歳 1・2・3:3~4歳
平成7年6月1日~平成19年4月1日生まれの人は無料で接種できる年齢が緩和されています。
9歳で追加接種(接種対象9~12歳)

ワクチン名 不活化ワクチン インフルエンザ 任意
ワクチンで防げる病気 インフルエンザ
任意接種の対象年齢 6カ月~
12歳までは2回の接種が必要です。

ワクチン名 不活化ワクチン 子宮頸(けい)がん 任意
ワクチンで防げる病気 子宮頸がん
接種対象:10歳以上の女性《中学1年生(13歳相当)~高校1年生(16歳相当)は助成対象》
※子宮頸がん予防ワクチンの種類によって接種対象年齢や接種間隔が異なります。
お勧めの接種時期(数字は接種回数) 2回目は1カ月後、3回目は6カ月後

※NPO法人 VPDを知って、子どもを守ろうの会「2012年9月版予防接種カレンダー」を参考に北九州市で改変。

※表をクリックすると大きな画像で見れます。

【この特集に関する問い合わせ】 保健福祉局保健医療課 TEL093・582・2678

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