特集児童虐待|1ページ|2ページ3ページ

~何か変!? と感じたら迷わず連絡を~
あなたの気付きが子どもたちを救う

児童虐待イラスト

 保護者が子どもを叩くことが、本当に「しつけ」だと思いますか――。全国の児童相談所が昨年度に対応した児童虐待の相談対応件数は前年度に比べ16%増加し、集計を始めた平成2年度以降、初めて10万件を超えました。本市でも23年度以降、相談対応件数は年々増加しており、昨年度は600件を超え過去最多となりました。児童虐待は早期発見・対応はもちろん、未然に防ぐことが重要です。今回は、児童虐待の現状や私たち周囲の大人ができることについて特集します。

暴力だけが虐待じゃない

 児童虐待の相談対応件数が増加している背景には、社会の関心が高まりこれまで周囲が気付かなかったものが顕在化してきたことや、学校・医療機関・警察等が市と連携して早期発見に取り組むようになったことなどがあります。

 虐待というと暴力を受ける等、身体的なものを思い浮かべがちですが、最近では心理的な虐待として、子どもが見ている前で配偶者に対し暴力を振るう「面前DV(ドメスティックバイオレンス)」や「ネグレクト(育児放棄)」なども増加しています。虐待の種類は次の四つに分けられます。

  • ●身体的虐待(殴る、蹴る、やけどを負わせるなど)
  • ●性的虐待(子どもへの性的行為など)
  • ●心理的虐待(言葉による脅かし、無視、面前DVなど)
  • ●ネグレクト(食事を与えない、衣服を長期間不潔なままにするなど)

 これらの虐待を受けることで、子どもには身体的な面だけでなく心理的な面にも影響が及び、脳の発達にも影響が出る恐れがあります。また、虐待を受けて育った子どもの中には自分が親になったとき、無意識にわが子に虐待をしてしまう「虐待の連鎖」を起こすこともあります。

サインを見逃さないで

 いつも子どもの泣き声や保護者の怒鳴り声がする、子どもが外に締め出されている、子どもの衣服がいつも汚れているといった状況は虐待が疑われるサインです。また、増加傾向にあるネグレクトは、親の養育力不足や社会的な孤立化、さらには貧困の問題など原因は多様で、周囲が気付きにくい場合もあります。元気がないなど子どもの様子に変化があった場合は虐待のサインかもしれません。周りの大人の気付きが、子どもの将来を救うことにつながります。

子どもの立場になって判断を

 保護者が子どもに暴力を振るうことを「しつけのつもり」と説明したら、あなたは納得できますか。子どもの心身にとって有害な行為であれば、それは虐待です。私たち大人は子どもの立場になって判断する必要があります。

家族イラスト

 虐待が疑われる子どもを発見した場合、発見者には児童相談所(子ども総合センター)や各区役所などへの連絡=「通告」の義務があります。通告者や通告内容についての情報が守られることはもちろん、通告は匿名で行うこともできます。通告により子どもたちの状況が把握され、今後、安全・安心な生活に向かうための支援を受けることができます。「虐待でなかったら」とためらわずに、子どもとその家族のために勇気を持って通告してください。

 地域全体で子どもを見守り、子どもたちが安心して幸せに暮らせる社会にしていきましょう。

子どもの未来のために学びませんか?

児童虐待問題連続講座

〈午前の部〉北九州市立大学教授・楠凡之さんによる講演「我が子を虐待してしまう保護者への理解と援助」

〈午後の部〉西南女学院大学教授・中島俊介さんによる講演「子どもは言葉で育つ~幸せのコミュニケーション」

 11月30日(水)、ウェルとばた2階(戸畑駅前)で。午前の部(10~12時)と午後の部(14時30分~16時30分)あり。定員、定数 先着各部120人。午前または午後の部だけの参加も可。託児(無料)は問い合わせを。申し込みは11月4日から子ども総合センター TEL093・881・4556へ。

児童虐待の連絡・相談先 児童相談所全国共通ダイヤル TEL189(いちはやく)

相談窓口 電話番号 受付時間
子ども総合センター
(戸畑駅前、ウェルとばた5階)
TEL093・881・4556 8時30分~17時15分 土・日曜日、祝・休日、
年末年始を除く
区役所「子ども・家庭
相談コーナー」
門司区 TEL093・332・0115 8時30分~17時
小倉北区 TEL093・563・0115
小倉南区 TEL093・951・0115
若松区 TEL093・771・0115
八幡東区 TEL093・661・0115
八幡西区 TEL093・642・0115
戸畑区 TEL093・881・0115
子ども相談ホットライン TEL093・881・4152 24時間 365日

※緊急の場合は警察(TEL110)へ通報してください。

【この特集に関するお問い合わせ】  子ども家庭局子ども総合センター TEL093・881・4556

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