特集映画文化の薫る街・北九州

高倉健が育った街

 本市で青春時代を過ごした俳優・高倉健さん。任侠映画で一時代を築き、数多くの名作や話題作に出演、日本を代表する映画俳優として活躍しました。今回は、本市にゆかりの深い高倉健さんの足跡や追悼特別展について特集します。

高倉健さんの足跡

高倉健さん写真

 高倉さんは、昭和6年2月16日、中間市で生まれ、現在の中間小学校に入学。その後、折尾(現在の八幡西区)の本城小学校に転校、のち疎開のため香月(現在の八幡西区)の池田小学校に編入、東筑高校を卒業するまでの多感な青春時代を本市で過ごしました。東京の大学を卒業後、映画プロデューサーにスカウトされ、31年に映画デビュー。その後、瞬く間に人気俳優となりました。平成元年にはハリウッド映画の大作にも出演し、生涯の出演映画本数は205作品に及びます。凛とした姿と巧みな演技、映画へのひたむきな情熱に、映画館に通う人たちの憧れの存在となりました。

 高倉さんの出演映画には、本市と関わりのある作品が少なくありません。「宮本武蔵 巌流島の決斗」(昭和40年)では、佐々木小次郎役を演じ、「日本侠客伝 花と龍」(昭和44年)では、玉井金五郎役を演じました。

 そして、最後の主演作品となった映画「あなたへ」(平成24年)は、高倉さんが門司港の海岸を歩いていくシーンで締めくくられています。この映画の撮影の際、門司港を訪れた高倉さんは松永文庫を訪れ、資料を眺めながら松永室長と映画談義に花を咲かせました。門司港に映画資料館があることがよほど気に入ったのか、後日、直筆の手紙とDVDボックスが松永文庫に届いたといったエピソードが残っています。

 平成25年には俳優として4人目の文化勲章を受章、その後も次回作の準備を進めていましたが、26年11月10日、83年の生涯を閉じました。

 本市は高倉さんが青春期を過ごした場所であるとともに、上京して国民的スターとなった後は、度々ロケ地として高倉さんの仕事場となりました。そして映画俳優としての最期の地ともなったのです。

追悼特別展「高倉健」開催

高倉健さん写真
「あなたへ」2012(c)東宝

 高倉さんの3回忌を迎えるのを機に、全国を巡回する追悼特別展が本市でも開催されます。

 東京に次ぎ西日本初となる本市での特別展は、1月23日(月)から2月26日(日)まで美術館分館で開催されます。高倉さんの出演作全てから、登場場面の映像を抜粋し、約30台のモニターとプロジェクターで上映します。上映困難な作品もデジタル修復して見ることができるようになっており、追悼特別展でしか見られない映像もあります。台本や小道具、スチール写真やポスターなど貴重な資料の他、美術家・横尾忠則さんによる高倉健さんをモチーフにした作品も展示されます。

 さらに、北九州特別コーナーを設置し、松永文庫所蔵の本市ゆかりの資料などを独自に展示します。

 あなたも時代とともに歩んだ希代(きたい)の映画俳優の足跡を見に行ってみませんか。

高倉健主演映画資料展を
4月6日(木)まで開催中

 松永文庫では高倉健さん主演映画のポスターを展示しています。開所時間 9~17時。問い合わせは松永文庫(門司港レトロ地区、旧大連航路上屋1階、TEL093・331・8013)へ。

追悼特別展「高倉健」
1月23日(月)~2月26日(日)

 美術館分館(リバーウォーク北九州5階、TEL093・562・3215)で。開所時間 10~18時(入館は17時30分まで)。料金、費用 前売り一般1000円、高校・大学生600円、小・中学生300円。当日は200円増し。前売り券は主要プレイガイドで発売中。

スクリーンで見よう
1月21日(土)~2月17日(金)

 小倉昭和館で映画「あなたへ」など市民の皆さんから募集した「私が選ぶ健さん映画」を特集上映します。上映作品・時間などについては問い合わせを。

 問い合わせは小倉昭和館(小倉北区魚町4丁目、TEL093・551・4938)へ。

【この特集に関するお問い合わせ】 市民文化スポーツ局文化企画課 TEL093・582・2391

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