特集子ども食堂

みんなでニコニコ楽しい食事
地域でつくる子どもの居場所

子供食堂写真

 本市では、共働きやひとり親家庭の増加に伴い、食事を子ども一人で取る「孤食」も増加していることから、平成28年9月に全国的にも事例の少ない公設の「子ども食堂」を市内2カ所に開設しました。今回は、子ども食堂の趣旨や活動内容、今後の取り組みについて特集します。

子ども食堂ってなんだろう?

 本市では、仕事等の理由で保護者の帰宅が遅くなるなど、ニーズがある家庭の子どもが誰でも参加でき、保護者が帰宅するまでの間、多くの大人と触れ合いながら安心して過ごせる居場所づくりのため、子ども食堂を開設しています。

 公設の子ども食堂は、「日明げんきもりもりハウス」(日明市民センター、小倉北区日明4丁目)と「尾倉っ子ホーム」(尾倉市民センター、八幡東区尾倉1丁目)の2カ所で、毎週1回実施しています。対象は、日明小学校区か皿倉小学校区の小・中学生です。

 市内には、今回開設した公設の子ども食堂のほかにも、地域団体や飲食店などの皆さんが運営する子ども食堂が5カ所あり、それぞれが地域の特色に合わせた活動を行っています。

どんなことをするの?

 子どもたちは、放課後児童クラブが終了する17時過ぎに市民センターに来館します。スタッフに「おかえり」と出迎えられた後、学生ボランティアと一緒に宿題やドリルなどをします。

 その間、調理スタッフやボランティアが、企業や地域の皆さんから提供された食材で調理を行います。市の管理栄養士から食材の点検や食中毒の防止、食物アレルギーへの対応など、衛生管理や栄養バランスについてアドバイスを受けながら、栄養豊富でおいしく温かい食事づくりを行っています。

 子どもたちは、食事の時間が近づくとボランティアと一緒に配膳の準備をします。配膳が終わるとみんなで一緒に「いただきます」のあいさつをし、楽しく食事をします。食事の後は、みんなで部屋の掃除や皿洗いを行い、勉強の続きや工作など保護者が迎えに来るまで自由な時間を過ごします。

安心して、楽しく過ごせる居場所づくりを

 子ども食堂を利用している子どもの保護者からは、「進んで宿題をするようになった」「嫌いなものを食べるようになった。作り方を教えてほしい」といった声があり、子どもたちからは「大学生のお兄さんやお姉さんが話をしてくれたり、相談に乗ってくれるので嬉しい」と心のよりどころにもなっています。

 今後は、子ども食堂を運営していく中で得られる経験やノウハウを蓄積していきます。そして、子ども食堂に必要な体制づくりや食材の調達方法等について、子ども食堂を開設しようと考えている皆さんや既に運営している皆さんに情報提供するなど、きめ細やかなサポートを行っていきます。

 併せて、平成29年度からは子ども食堂に興味がある人なら誰でも気軽に参加できる「子ども食堂ネットワーク会議」を立ち上げ、子ども食堂に関するさまざまな意見交換や助成金・寄付の情報提供、衛生管理の研修会の開催など、子ども食堂の活動を支援していくことにしています。

 これらの取り組みを通じて、子どもたちが安心して楽しく過ごせる居場所づくりに取り組んでいきます。

子ども食堂は多世代が関われるコミュニティーの場

原田昌樹さん写真

NPO法人フードバンク北九州ライフアゲイン

理事長 原田昌樹さん

 私たちは、尾倉市民センターで「尾倉っ子ホーム」の運営を行っています。これまで生活困窮者の自立支援に携わる中で、食料支援にとどまるのではなく、地域を家族のようにしたいと思っていました。子ども食堂は、地域が抱えている子育てや安全・安心の問題などを解消していく重要な場です。

 当初、週1回の実施では少ないと思っていましたが、今は回数ではなく継続的な関わりが最も大切と思うようになりました。子どもとスタッフ、保護者とスタッフの間の壁が徐々になくなっていると実感し、コミュニティーの力を改めて思い知らされました。食材・人材・資金の全てにおいて継続できるモデルを私たちがしっかり作ることによって、小学校区に一つは子ども食堂ができてほしいです。

《寄付金・食材を募集しています》

野菜イラスト

 運営のための寄付金や食材の提供については、事前にお問い合わせください。食材や飲料などの提供の場合は、消費期限が短い食材や開封後のものは受け取ることができませんので、ご了承ください。

【この特集に関するお問い合わせ】 子ども家庭局子育て支援課 TEL093・582・2410

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