特集東アジアの「メディア芸術創造拠点」を目指して

東アジアの「メディア芸術創造拠点」を目指して

東アジアの「メディア芸術創造拠点」をめざして

魅力的な文化芸術資源を生かした産業振興

 平成29年8月に、漫画家・松本零士さんが名誉館長を務め、5万冊の蔵書がある「漫画ミュージアム」が、アニメツーリズム協会が選ぶ「訪れてみたい日本のアニメ聖地88(2018年版)」に県内で唯一選定されました。

 このほか本市には、年間200万人が来訪する西日本最大級のポップカルチャーの拠点「あるあるCity」、プロの漫画家を多数輩出している日本最大級の漫画研究会「アズ漫画研究会」など、有形無形のメディア芸術に関する資源がそろっています。

 これらの文化芸術資源と、ものづくりが盛んな地域の特性を生かし、本市では漫画やアニメといった大衆文化であるポップカルチャーによる産業振興に取り組んでいます。この取り組みは今年度、文化庁から国内で唯一、メディア芸術の創造拠点に選ばれ、国の支援を受けることになりました。

 また、国際的な漫画コンテストの実施やアジアからの訪日外国人旅行者を取り込むことで、ゲームや映像なども含めたメディア芸術分野で東アジアの拠点となり、本市へにぎわいと活力をもたらす新ビジネスや雇用の創出を目指します。

TOKIWA創(ときわそう)プロジェクト

ものづくりの「芽」を発掘&育成中

海を越えた、TOKIWA創メンバーの共同制作写真
▲海を越えた、TOKIWA創メンバーの共同制作

 手塚治虫さんや赤塚不二夫さんら、後に有名になった漫画家が住んで創作活動に励んだアパート「トキワ荘」(東京都)にヒントを得て命名された「TOKIWA創プロジェクト」。本市はこのプロジェクトの立ち上げに協力し、その後の事業展開を支援しています。

 活躍の場がなくて地域に眠っている、あるいは単独で活動している漫画家等を発掘し共同で事業を進めることによって、ポップカルチャーの中でもインターネット上で読める漫画やアニメーション動画などの分野で、新しいビジネスチャンスを生み出しています。

 本プロジェクトでは、住人と呼ばれるTOKIWA創のメンバーが、作業スペースやインターネット回線などの実務環境を共有しながら仕事を進めるのが特徴です。

 漫画家・四元優さんは、市政だよりの毎月1日号に掲載中の4コマ漫画「武蔵と小次郎」や本市のPR動画「北九州プライド 十番勝負」の制作現場で腕を磨いています。(北九州プライド十番勝負は北九州市公式YouTubeチャンネル「Kitakyu Movie Channel」でご覧になれます)

 インターネット経由のビデオ通話で会議中の相手は、スペインに住むTOKIWA創のメンバー、トニー・マタスさんと圭さん夫妻。市外の企業から受注した短編アニメ映画の制作に取り組んでいます。二人によってパソコンで作られた立体的な3D(3次元)画像や映像は、日本のTOKIWA創メンバーが作った背景と合わさって一つの作品になります。

 このような仕事は、機材などの環境が整えば住む場所に関係なくできることから、地方都市である本市でも、新たな産業としてますます発展する可能性を秘めています。

4コマ漫画「武蔵と小次郎」の一部
▲4コマ漫画「武蔵と小次郎」の一部

北九州市公式YouTubeチャンネル
Kitakyu Movie Channel

4コマ漫画「武蔵と小次郎」の一部
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ポップカルチャーは国境を越えて

北九州国際漫画大賞

各国から力作が集まっています

 北九州国際漫画大賞は、4コマ漫画のコンテストです。初開催の昨年は20の国と地域から670作品もの応募がありました。今年は12歳以下を対象としたジュニア部門やアジア圏からの作品を対象としたアジアンビート賞が新設されています。

 分かりやすく、共感を呼びやすいという特性をもつ「漫画」。その魅力と「漫画の街・北九州」を国内外に広く発信します。

 今年の応募締め切りは9月30日(土)まで。詳細は漫画ミュージアム TEL093・512・5077へ。

北九州国際漫画大賞公式ホームページ(過去の受賞作品や今年度の募集要項がご覧になれます)

日中韓新人MANGA(まんが)選手権

来年は本市で開催

ぽんぽんさん(ペンネーム)が描いた4コマ漫画
▲ぽんぽんさん(ペンネーム)が描いた4コマ漫画(銀賞受賞)

ストーリー漫画を執筆中の林さん(銅賞受賞)写真
▲ストーリー漫画を執筆中の林さん(銅賞受賞)

 7月に韓国・富川(プチョン)市で5日間にわたって開催された新人漫画選手権。国内外から多数の来場者を集めた富川国際漫画祭のイベントの一つとして開催されました。その場で提示されたテーマに沿って、4コマ漫画やストーリー漫画を描いて競った結果、本市が選出した日本人選手が銀賞と銅賞に輝きました。

 来年はこの選手権が北九州ポップカルチャーフェスティバルの一環として開催され、海外からも多くの来場者が見込まれます。海外からの観光客を本市に呼び込むことで、活力のあるまちづくりに貢献します。

「学ぶ・集う・創る」がコンセプト 新たな文化の担い手を支援します

クリエーターズサロンfabbit

 ファビットは、複数の会員が会議室やインターネット回線などのオフィス機能を共有する「シェアオフィス」を軸とした、新規事業の創出や人材育成を支援する施設です。

 図書室やイベントスペースも備えており、さまざまな年代や業種の人たちが初期投資にかかる費用を抑えつつ起業したり、ビジネスについて学び、情報交換を行ったりする場として利用しています。

 本市では、ファビットのような起業支援事業と連携すること等で、デジタル機器を使用した映像制作などの新しいビジネスの創出や育成に取り組んでいます。

ファビットの運営会社社長・福岡広大さん

福岡広大さん写真

 「産業界のさまざまなネットワークを会員に紹介することで、起業を支援し、人材育成を行います。北九州に眠っている人材が活躍できる場を提供していきたいです」

北九州ポップカルチャーフェスティバル

 昨年12万人もの来場者を集めた、漫画やゲームなどの祭典・北九州ポップカルチャーフェスティバル。

 例年アニメやゲームの登場人物を真似た扮装(コスプレ)イベントが人気ですが、今年は「ジャパニーズモダン・イラスト展」がお勧めです。明治・大正・昭和初期をほうふつとさせる「レトロ」「モダン」をキーワードに小倉城や門司港駅といった本市の歴史的建造物が描かれています。

「ジャパニーズモダン・イラスト展」

 11月4日(土)12~18時、5日(日)10~17時、西日本総合展示場新館(小倉駅北側)で。問い合わせは産業経済局MICE推進課 TEL093・551・8152へ。

 最新の北九州ポップカルチャーフェスティバルの情報は専用ホームページでご覧になれます。

【この特集に関するお問い合わせ】 市民文化スポーツ局文化企画課 TEL093・582・2389

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