特集国家戦略特区を活用した地方創生

ブドウと希望をタンクに詰めて醸造します 特集 国家戦略特区を活用した地方創生

北九州市×国家戦略特区=地方創生の成功モデル都市
規制緩和で地域経済を活性化

 規制緩和で地域振興を図る「国家戦略特別区域(特区)」制度。昨年この特区に指定された本市は、「世界で一番ビジネスのしやすいまち」として地方創生のトップランナーになることを目指します。

 本市の地方創生のテーマは、「高年齢者の活躍や介護サービスの充実による人口減少・高齢化社会への対応」を促進すること。このテーマに沿って三つの拠点づくりを進めています。

 一つ目の拠点は、シニア・ハローワークの設置や、介護ロボットの開発などにより高齢者も活躍できる環境を整備する「先進的介護・高齢者活躍拠点」。二つ目は、創業間もない民間事業への支援などにより雇用の創出を図る「創業・雇用創出拠点」。三つ目は、国内外から集客を図り、交流を生み出す「国内外の交流・インバウンド拠点」です。これらの拠点づくりが本市を地方創生の成功モデル都市へと導きます。

酒税法の特例として認定された「ワイン特区」と、道路法の特例である「エリアマネジメントの民間開放によるまちのにぎわいの創出」について紹介します。

汐風香る魅惑のワイン特区

ワインが新しい本市の魅力になることを目指して

規制緩和によって生まれる新しい事業

応援するていたんとブラックていたんイラスト

 酒税法が定める、ワインを含めた果実酒の最低製造量は年間6klで、農家が一からブドウを生産し、新たに醸造までを手掛けるにはハードルが高い量です。

 これが特区認定により、2klに緩和されたことで、本市にもブドウの生産からワイン醸造までを自ら行う事業者が誕生しつつあります。

 これを契機に本市では、農林水産物・食品のブランド化、6次産業の育成をさらに進めていきます。

北九州でもブドウが育ちます

ワイン用ブドウ写真

 響灘から約1kmの場所にあるワタリセ自然農場(若松区)では今年9月、約700kgのワイン用ブドウを収穫しました。これはワインボトルに換算すると約600本になります。

 農場主の藤田さんによると、海岸に近く、水はけの良いこの土地はブドウづくりに適しているとのこと。将来は生産量を増やし、一万本のワインを醸造することが目標です。

地元醸造の若松産ワインの誕生に期待

醸造用タンク写真
▲醸造用タンク

 特区認定後、藤田さんは農場内に醸造設備を整備しました。この秋収穫のブドウはここで醸造され、来年夏にワインとして出荷される予定です。

ワタリセ・ヴィンヤード メルロー

ワタリセ・ヴィンヤード メルロー写真

2016年度産のワインボトルのラベルには、版画で若戸大橋が描かれています。このワインは農場のある地区の字名にちなんで「ワタリセ・ヴィンヤード メルロー」と名付けられています。

まちなかで道路を活用したにぎわいづくり

エリアマネジメントの民間開放が黒崎でも

新たに認められた事業は
下の2カ所で開催

  • 黒崎カムズ一番街
  • 黒崎駅ペデストリアンデッキ
  • (いずれも八幡西区)

商店街のアーケードでオープンカフェやマルシェを開催

商店街のアーケードでオープンカフェやマルシェ写真

 特区として認められた地域では、道路法の規制が緩和され、民間団体による道路を活用したオープンカフェやマルシェなどのにぎわいづくりができるようになります。これまで門司港や小倉都心部、八幡駅前などの5カ所でも道路上にテーブルやイスを置いて飲食や物販を楽しめるスペースをつくることで、まちのにぎわいを生み出してきました。

 本市では、まちの魅力を向上させ、新たな人の流れをつくることで、活力あるまちづくりを進めます。

マルシェ(市場)で平日のにぎわいづくりを

藤戸哲谷さんとチャレンジショップとして営業を始めたカフェ写真
▲チャレンジショップとして営業を始めたカフェ

 tugu.town黒崎実行委員会
 代表 ふじ戸哲谷さん

 月に1回、雑貨やアクセサリーなどを販売する約17店舗が出店しています。若い人たちにマルシェをチャレンジする場として活用してもらい、それが商店街への出店につながるとうれしいですね。今後もみんなでアイデアを出し合い、黒崎を盛り上げていきます。12月4日(月)にあるマルシェにぜひ遊びにきてくださいね。

【この特集に関するお問い合わせ】 企画調整局地方創生推進室 TEL093・582・2904

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