パブリックコメントで寄せられた主な意見と本市の考え方 計画全般に関する意見 意見1 障害福祉計画を策定する必要性が分からない。 意見1に対する本市の考え方 障害のある人の自立支援を着実に実施するためには、課題である地域生活への移行や就労支援等を漫然と進めるのではなく、数値目標を掲げて進捗管理を行っていくことが重要です。 本計画は、障害福祉サービス等ニーズ把握調査の結果等を基に、成果目標及び活動指標にできる限り具体的な数値を設定して進捗管理を行い、施策に必要な社会資源や財源の確保などサービスの提供体制を整備する重要な役割を担っています。  意見2 成果目標や活動指標について、「良質なサービスの提供を図ります」などの表記があるが、具体的にどのようなことをしているのか分からない。 意見2に対する本市の考え方 文末が「良質なサービスの提供を図ります」などの文章については、すべてその文章の前半部分に具体的な取組みを記載しています。 意見3 障害者・障害児の漢字表記は「障がい者・障がい児」に変えないのか。 意見3に対する本市の考え方 本件について障害当事者やその家族等に意見を伺う中で、「漢字表記は本人に害があるイメージなので変更してほしい」という意見がある一方、「社会環境の方が障害になっていることを浸透させたいのでこのままでいい」という意見も多く得られており、本市としては行政主導でひらがな表記に変更することは考えていません。 意見4 この計画の策定に当たり、直接障害のある人からの意見があったのか。 計画策定に関する会議に実際に当事者や障害児の両親はどのくらい参加しているのか。 当事者本人の意見がどのくらい反映されているのか気になる。 意見4に対する本市の考え方 計画(素案)の作成にあたっては、障害当事者やその家族等10名を含む全20名から構成された「北九州市障害者施策推進協議会」に諮ったほか、障害関係団体の意見も直接聴取しています。 意見5 文章が難しすぎる。せめて新聞記事程度の読みやすさにしてほしい。 意見5に対する本市の考え方 この計画の作成にあたっては、障害者総合支援法で規定された厚生労働省の基本指針において記載すべき事項が定められており、計画書上は今回提示したような文章で表記していますが、出前講演など説明の場においては必要に応じて平易な表現を使用するなど工夫していきます。 また、計画書の冊子においても用語解説を付けるなどします。 意見6 本来、福祉・医療ともに生活の延長線上にあるべきものが、特別なものになっていると思う。 障害福祉施策が特別なものではなく、生活の難しさを補うための支援だと誰もが捉えられる社会を望む。 意見6に対する本市の考え方 ご指摘のとおり、障害福祉サービス等は個人の尊厳にふさわしい日常生活・社会生活を営むことができるよう給付されるものと障害者総合支援法に規定されており、障害のある人の生活の延長線上にあるものと言えます。 本市では、障害福祉施策の本来の趣旨も含めて、幅広い市民の理解を得ながら市障害者支援計画を進めていくため、広報・啓発活動を推進していきます。 第5期北九州市障害福祉計画・第1期北九州市障害児福祉計画の進捗状況に関する意見 意見7 地域生活支援拠点の面的整備について、どういう面になったのか具体的に示してほしい。 意見7に対する本市の考え方 地域生活支援拠点等の整備にあたっては、北九州市障害者自立支援協議会に設置している地域ネットワーク部会で検討を重ねてきました。 そこでの意見等を踏まえ、本市では、国から示された「面的整備」の手法を参考に、既存の地域資源を活用・強化し、有機的に結びつけることとしました。 その上で、まずは、地域の体制づくりを行うコーディネーターを配置し、緊急時の一時受け入れ施設を確保することを優先して整備を進めてきました。 以上の点を含め、計画書に注釈や図表を追加しました。 地域生活支援拠点等の体制については、引き続き、北九州市障害者自立支援協議会において、運用状況等を検証するとともに、相談、体験の機会・場、専門的人材の確保・養成等の機能の強化、拡充に向けた検討を進めていきます。 計画の目標と事業量の見込みに関する意見 意見8 達成の目安となる数値目標が設定されており、実効性が高まる内容になっていると思う。 意見8に対する本市の考え方 設定した数値目標の実績をもとに定期的に分析・評価を行い、必要な措置を講じて、計画を推進していきます。 福祉施設の入所者の地域生活への移行に関する意見 意見9 施設入所者の地域生活への移行や入所者数の減員は、もう少し高い目標がいいのではないか。 国の計画は何%位なのか。 国以上の目標を掲げて進めていく姿勢も大事ではないか。 意見9に対する本市の考え方 国の基本指針は、「令和元年度末時点の施設入所者数の6%以上が地域生活へ移行することとするともに、これに合わせて令和5年度末の施設入所者数を令和元年度末時点の施設入所者数から1.6%以上減員することを基本とする。」を成果目標としており、これを踏まえて本市の目標を設定しています。 本市の令和2年度末の施設入所者の減員数は推計4.7%であるものの、地域生活へ移行した施設入所者数は4.9%となっており、今回設定する目標は、現状と比べても高い目標設定となっています。 また、地域移行については、ご本人の意向に沿った取組及び地域と関係機関との連携体制の構築が重要と考えており、まずはこの目標値の達成を成果目標とします。 意見10 目標達成のための取組みにおいて、「グループホームの設置促進を図る」や、「グループホーム等の居住支援系サービスに努める」とあるが、具体的な市の取組みは計画されているのか。 意見10に対する本市の考え方 本市では、障害のある人が施設・病院・家庭から自立して、グループホームや単身での生活ができるように、新たに社会福祉法人等がグループホームを開設する場合は、初年度設備に要する費用について、補助金を交付する「地域生活移行促進事業」を実施しています。 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に関する意見 意見11 精神疾患で入院している人の退院、地域での受入れを誰が望んでいるのか。 社会に出て生活を送る方が精神的不安定をもたらすのではないか。 当事者のリフレッシュや治療のために入院して体調を取り戻せるシステムの方がよほどニーズに合っているのではないか。 意見11に対する本市の考え方 平成16年に厚生労働省の「精神保健医療福祉の改革ビジョン」に基づき、「入院医療から地域生活中心へ」という精神保健医療福祉施策の基本的な方策が示されました。 精神障害の方が地域で生活を送るうえでは、不安定になった場合に適切な充実した医療を受診できることも、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築の課題となっているため、付属機関である北九州市精神保健福祉審議会において協議を重ねてまいりたいと考えています。 意見12 一年以上長期入院患者数の令和5年度末における目標が令和2年度見込みと同じ値。前計画でも毎年減ってきており、次期計画においては令和5年度末で1,700人程度でもよいのではないか。 早期退院率の成果目標については、令和2年度の目標値よりも高くなっており、素晴らしいと考える。 意見12に対する本市の考え方 一年以上長期入院患者数の令和2年度の目標値は、65歳以上と65歳未満の合計で、2016人以下となっていますが、令和2年度の推計値は2,117人であり、目標は達成しない状況です。 令和5年度の目標値に関しては、現状に比べて高い目標ではあるものの、福岡県の目標値を参考に北九州市の割合にて算出しました。 意見13 一年以上長期入院患者数を減らす成果目標を掲げるならば、それに伴い、地域移行支援・地域定着支援・共同生活援助の数字を増やすべきではないか。 病状不安定でも、適切な支援があれば地域で生活できる。 意見13に対する本市の考え方 令和3年度より付属機関である北九州市精神保健福祉審議会にて、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を議題の一つとして、長期入院者が地域での生活を継続できるための方策等について、協議していきます。 意見14 障害のある人が地域で暮らしたい、家族と一緒に暮らしたいと望むのは当然のことだと思う。 しかし、家族だけで支援が完結する訳がないので、複数で支えられる仕組みを作れたらいいと思う。 意見14に対する本市の考え方 厚生労働省においても、今後は重層的な支援の充実の重要性を強調しています。 今後は、どのように重層的な支援を行っていくべきかを付属機関である北九州市精神保健福祉審議会において、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けての協議の場において、議論していきます。 意見15 この成果目標に関する記述の中に「相談支援専門員」の文言がどこにもない。まだ認知度の低いところはあるかもしれないが、サービスの調整には必須の社会的資源であり、本市らしい体制を構築してもらいたい。 意見15に対する本市の考え方 本市でも相談支援専門員の役割の重要性を踏まえて、今後、付属機関である北九州市精神保健福祉審議会において、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築における相談支援専門員の役割等について、協議することとしています。 意見16 地域包括ケアシステムの構築とは、具体的にどのようなことか説明を入れてほしい。 意見16に対する本市の考え方 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築とは、地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、医療、障害福祉・介護、住まい、社会参加(就労など)、地域の助け合い、普及啓発(教育など)が包括的に確保される仕組みを指します。 以上の点、計画書に注釈を追加しました。 意見17 地域包括ケアシステムの構築について、現状の介護保険制度の下で行われているものを拡大したうえで、障害の分野を含めていくのか。 それとも、介護保険の部分とは別に障害の部分を設置、充実させたうえで、後で統合していくのか。市の見解は。 意見17に対する本市の考え方 厚生労働省の考えと同様に、介護保険の部分とは別に地域包括ケアシステムを構築します。 ただし、どちらも「地域共生社会」を実現するための「システム」「仕組み」であり、お互いに連携していくものと考えています。 高齢者分野に端を発した地域包括ケアシステムではありますが、これらの考え方や実践は、精神障害者やその家族等への支援体制を構築する上でも活用できるものと考えています。 精神障害福祉の分野においては、精神障害者やその家族等を取り巻く様々な環境を考慮しつつ、関係者の重層的な連携による支援体制を構築する必要があり、精神分野についてある程度特化した取組も必要だと考えています。 意見18 地域包括ケアシステムの構築にあたり、啓発ができていない。 障害の社会モデルの考え方を地域で教育・共有していくことが大事だと思う。 意見18に対する本市の考え方 本市の精神保健福祉審議会においても、普及啓発は重要だとの意見があります。 今後、更にどのように普及啓発活動していけばよいのか、付属機関である北九州市精神保健福祉審議会において議論を重ねていきます。 地域生活支援拠点等が有する機能の充実に関する意見 意見19 「面的整備」の手法で整備」との記載があるが、具体的に分かりやすく表現してほしい。 意見20 地域生活支援拠点は、とても期待している事業の一つだが、「面的整備」としては、現行の3箇所を軸に拠点事業を展開していくのか。  利用方法などが不明のままであり、「整備した」と言えるのか。 意見19と20に対する本市の考え方 国の指針では、「地域生活支援拠点の面的整備」について、地域における複数の機関が分担して支援機能を担う体制の整備と定義していますので、その点、計画書に注釈を追加しました。 なお、本市では、地域の体制づくりを行うコーディネーターを配置し、緊急時の一時受け入れ施設を確保することを優先して整備を進め、地域生活支援拠点として社会資源を活用することが可能となったことから、計画上「整備済」と判断しました。 地域生活支援拠点等の体制については、引き続き、北九州市障害者自立支援協議会において、運用状況等を検証するとともに、必要な機能の強化、拡充に向けた検討を進めていきます。 福祉施設から一般就労への移行等に関する意見 意見21 福祉施設での就労ではだめなのか。一般就労の必要性と目標設定の必要性を説明してほしい。 意見21に対する本市の考え方 障害のある人が地域で質の高い自立した生活を営むためには就労が重要であるとの考え方の下、適性に応じて能力を十分に発揮することができるよう、多様な就業の機会を確保することとしています。 また、一般就労が困難な人に対しては引き続き福祉施設での支援を行いながら工賃の水準の向上を図るなど、総合的な支援を推進しています。 これらの取組みの成果を向上させるために、国の指針を踏まえて具体的な目標を設定しています。 意見22 本計画が目指すSDGsの中にあるように、障害のある人の一般就労に関しても市民や企業、団体が一体となってともに知恵を出し合い、工夫していく必要があると考える。 まずは、働くことについて互いの考え方を知り、すり合わせのできる取組みなどを実施してみることを提案する。 意見22に対する本市の考え方 昨年度、企業や特別支援学校、就労移行支援事業所等の就労支援機関を対象とした「障がい者雇用サポート交流会」を開催いたしました。 今後とも、関係機関と連携しながら、障害者雇用の促進に取り組んでいきます。 意見23 障害のある人が一般就労するためには、障害特性を十分に理解してくれる環境等が必要と考える。 しかし、そのような企業がほぼないのが現状である。早い段階からの取組みと支援を望む。 意見23に対する本市の考え方 本市においても、障害のある人が能力を発揮して働くことができるためには、企業の障害者雇用への理解促進の取り組みや、採用前から職場定着までの段階に合わせた支援が必要と考えています。 なお、本市では企業の障害者雇用への理解促進の取り組みとして、セミナー等の開催や企業への障害者雇用のアドバイザー派遣を行っております。 今後とも、関係機関との連携を密にしながら、更なる障害者雇用の促進に取り組んでいきます。 意見24 高齢化する障害のある人の増加に伴い、一般就労は困難になるのではないか。 意見24に対する本市の考え方 ご指摘のとおり、高齢になってからの一般就労は難しい側面もあることから、早い段階からの就労支援が重要だと考えております。 一般就労が困難な高齢の方については、引き続き、福祉施設での就労を含めた支援など、ご本人の状況に合わせた支援を行っていきます。 意見25 大企業の特例子会社が増えれば、特に就労継続支援B型の利用者の一部が一般就労に移行できる可能性があり、特例子会社に対する認知拡大や設立支援等が計画の推進に有効と考える。 特例子会社とは、親会社が、障害のある人の雇用の促進及び安定を図るため、障害のある人の雇用に特別の配慮をした子会社。 意見25に対する本市の考え方 特例子会社では、障害のある人への支援に十分取り組むことができるため、安定した業務の提供が実施できるメリットがあります。 本市でも、サンアクアTOTO鰍ノついて支援を行っています。 一方で、特例子会社の設立については、各企業の障害者雇用の取組状況が異なるため、一律に設置を促すことは難しいものの、周知を継続していきます。 意見26 事業所の就労移行支援の新規利用者獲得についても、支援が必要と考える。 意見26に対する本市の考え方 現在、特別支援学校、ハローワーク等と連携し、働く意志があるものの一般就労が困難な人に、就労移行支援を含めた障害福祉サービスへの案内をさせていただいております。 今後も関係機関と連携を密にしながら周知に努めていきます。 意見27 就労継続支援B型の利用者が直接一般就労することは困難だと考える。 まずは、就労継続支援A型へのステップアップを念頭に考えるべきではないか。 意見27に対する本市の考え方 「就労継続支援B型」は、就労移行支援事業等を利用したが一般企業等の雇用に結びつかなかった方などが利用していることから、直接一般就労することは困難なことが多いと考えていますが、特例子会社等への就職が毎年一定程度あることから、目標値に含めています。 意見28 企業においても、良好な人間関係や職場の環境づくりなど、働きやすい環境への配慮を行えば、障害のある人の就労につながると思う。 意見29 一般就労については、ニーズ把握調査でもあったように「障害に合った仕事」や「周囲の理解」が一番ではないかと思う。 就労定着支援のさらなる拡充が一般就労への移行率向上につながると思う。 意見28と29に対する本市の考え方 本市においても、障害のある人が能力を発揮して働くことができるためには、企業の障害者雇用への理解促進の取組や、採用前から職場定着までの段階に合わせた支援が必要と考えています。 なお、本市では企業の障害者雇用への理解促進の取り組みとして、セミナー等の開催や企業への障害者雇用のアドバイザー派遣を行っています。 今後とも、関係機関との連携を密にしながら、更なる障害者雇用の促進に取り組んでいきます。 意見30 発達障害について、役所・しごとサポートセンター・発達障害支援センターが連携して、企業の人事担当者を対象に発達障害のある人への理解を深められるような啓発活動をしてほしい。 意見30に対する本市の考え方 例年、企業の障害者雇用への理解促進のため、セミナー等の開催や啓発冊子(障害者就労支援ガイド)の配布等により、啓発に取り組んでいます。 また、発達障害のある方からの障害や就労に関する相談については、発達障害支援センターとしごとサポートセンターで連携して対応しています。 今後とも、関係機関と連携を密にしながら啓発等に努めていきます。 意見31 障害者雇用で働く人の相談先として、就労定着支援事業所の他に、仕事や日常生活の悩み相談等ができる地域活動支援センターのT型が更にあればいいと考えている。 なお、他市のT型事業所では、電話相談は24時間受付けており、休日に地域住人との交流を図る目的のレクレーションを開催したりしている。 北九州市ではT型の地域活動支援センターを増やす予定はないのか。 意見31に対する本市の考え方 本市では、障害のある人やその家族からの様々な相談を24時間365日受け付けるとともに、地域における障害者相談支援の中核的な役割を担う「障害者基幹相談支援センター」が設置されていること、また、市内には87箇所の相談支援事業所があることから、相談支援事業の実施が要件となっているT型の地域活動支援センターを新たに設置することは考えていません。 なお、すでに市内には地域活動支援センター(U型及びV型)が8箇所あります。 意見32 世の中には、(就労継続支援)B型よりもA型、A型よりも一般就労が良いといった偏った風潮があると思う。 「働くこと」には「生産性」の観点もあるが、「生きがい」や「社会とのつながり」の観点もかなりの部分を占めるのではないか。健常者は「生きがい」や「社会とのつながり」といったものを、あまりに自然に受け止めているため、それらを意識できず、「生産性」ばかりに着目してしまうのではないか。 障害のある人が働くうえでは「生きがい」や「社会とのつながり」が重要だと思う。 つまり、障害のある人への就労支援とは「生きがい」や「社会とのつながり」を感じ取ることについての支援だと思う。 意見32に対する本市の考え方 ご意見のとおり、就労においては、生産性の観点だけでなく「生きがい」や「社会とのつながり」といった側面も重要な役割であると考えています。 障害のある人が地域で質の高い自立した生活を営むためには就労が重要であるとの考え方の下、適性に応じて能力を十分に発揮することができるよう、多様な就業の機会を確保することとしています。 また、一般就労が困難な人に対しては、引き続き福祉施設での支援を行いながら工賃の水準の向上を図るなど、総合的な支援を推進しています。 今後とも、障害のある人それぞれの状態や状況に応じた支援に努めていきます。 障害児支援の提供体制の整備に関する意見 意見33 多くの放課後等デイサービスが扱いやすい子どもを選別しているように思う。選別からこぼれ落ちる障害のある子どもの受け入れ先がないので、そういった子どもを受け入れる施設を支援してほしい。 意見33に対する本市の考え方 子どもの障害特性(心身の状況や生活の状態等)に配慮した適切な障害福祉サービスが提供されるように、障害福祉サービス事業者等を指導していきます。 なお、令和3年度障害福祉サービス報酬改定において、放課後等デイサービスなど障害児通所事業所で、医療的ケアが必要な子どもやケアニーズの高い子どもを受け入れた場合の評価がなされています。 子どもの各々の障害特性に配慮した運営が行われるよう、引き続き取り組んでいきます。 意見34 放課後等デイサービス事業所の職員へのケア、カウンセリングが行われていないことも課題だと思う。 意見34に対する本市の考え方 放課後等デイサービス事業所の従事者の方が安心して働き続けられるよう事業者等に対して、引き続き、処遇改善や良好な職場環境の整備に努めるよう促していきます。 意見35 医療的ケアが必要な子どもへの支援は当然のことだが、グレーゾーンや心に見えない障害を持った子どもへの支援も手厚いものでなければ二次障害や引きこもりなど、将来に大きな課題を残すことになると思う。 意見35に対する本市の考え方 障害のある子どもの発達を支援する観点から、幼児の成長記録や指導上の配慮に関する情報を必要に応じて関係機関間で共有するなど、保健・医療・福祉・教育・雇用等の関係機関が連携し、障害のある子ども及びその家族に対して、乳幼児期から成人後まで一貫した効果的な支援を地域の身近な場所で提供する体制の構築を図っていきます。 意見36 医療的ケアが必要な子どもの就学について、福祉だけでなく、教育委員会との連携が必要だと思う。 ケアが必要であっても、学習能力が十分ある子どもについては、普通学級での就学が可能になるための具体的な施策が必要だと思う。 意見36に対する本市の考え方 令和元年7月に設置した北九州地域医療的ケア児支援協議会では、医療的ケアが必要な子ども及びその家族が地域生活を送る上で抱える困難さや課題に寄り添い、必要となる具体的な支援策等について、教育委員会とも連携を図りながら検討を進めているところです。 なお、地域の小・中学校に在籍する医療的ケアが必要な子どもを支援するため、令和2年度より在籍校に訪問看護ステーションから看護師を派遣し、必要に応じて自己管理に向けた指導・助言を行うことができるように体制を整備したところです。 意見37 重度障害のある子どもについて、子どもの頃は手厚い支援があるが、18歳になり学校を卒業すると、サービス等の選択肢が一気に少なくなる。 子どもが学校を卒業する頃には親も高齢になりつつあり、自宅での介護もできずに全国で問題になっている。 障害のある人向けのグループホームや日中預かり、デイサービスなどを充実してもらえないと障害のある子どもを安心して大人まで育てていけない。 意見37に対する本市の考え方 保護者の高齢化を見据え、障害のある人やその家族が安心して生活できるよう、日頃から身近なところで見守りや交流を行うとともに、緊急時すぐに相談でき、必要に応じて緊急的な対応を図るために、地域生活支援拠点等の整備に取り組んでいるところです。 また、障害のある人の地域生活の場のひとつであるグループホーム等に対する支援を行うことで、障害福祉サービスの継続的な利用を促進しています。 意見38 放課後等デイサービスに係る活動指標の伸びが現計画に比べて鈍化していると感じる。 鈍化の理由として国の指標等が関係しているのか。 放課後等デイサービスの事業のあり方や今後の見通しが知りたい。 意見38に対する本市の考え方 これまでの放課後等デイサービスのサービス事業量の見込みが実績と比べて大きく乖離している(平成31年度見込は利用児童数3,035人に対し、実績1,850人)ため、これまでの実績を踏まえた見込を設定したところです。 なお、国が今後、放課後等デイサービスが果たすべき役割等、制度のあり方を検討していくとの方針は承知していますが、今回の見込量の設定には反映させていません。 意見39 医療的ケアが必要な子どもに係る支援や保育園等における障害児の受入れについては、子どもの頃からのインクルーシブ教育の観点から重要だと考えている。 保育園等での受入れに対応するための看護師の配置や教員の淡吸引の資格取得などの動きはどうなっているのか。 市としても取り組んでほしい。 インクルーシブ教育とは、障害のある人の社会参加を図るため、人間の多様性の尊重等の下、障害のある人と障害のない人が共に学ぶ仕組みであり、障害のある人が教育制度一般から排除されないことや個人に必要な「合理的配慮」が提供されることなどが必要とされている。 意見39に対する本市の考え方 令和元年7月に設置した北九州地域医療的ケア児支援協議会では、医療的ケアが必要な子ども及びその家族が地域生活を送る上で抱える困難さや課題に寄り添い、必要となる具体的な支援策等について、関係部署や関係機関と連携を図りながら検討を進めています。 なお、本市では平成30年度より、直営保育所にて医療的ケアが必要な子どもの受入れを開始しており、現在は2所にそれぞれ2名の看護師を配置して、医療的ケアが必要な子ども2名を受け入れているところです。 また、肢体不自由特別支援学校においては、看護師を配置し、医療的ケアが必要な子どもを受け入れるとともに、地域の小・中学校に在籍する医療的ケアが必要な子どもを支援するため、令和2年度より在籍校に訪問看護ステーションから看護師を派遣し、必要に応じて自己管理に向けた指導・助言を行うことができるように体制を整備したところです。 加えて、痰吸引については、平成28年より肢体不自由特別支援学校に勤務する職員を対象に「介護職員等による痰の吸引等の実施のための研修(第3号研修)」のうち、基本研修を毎年実施しています。 しかし、基本研修受講後の実施研修については、下記のような課題や 制約があることから、研修の在り方については慎重に検討しているところです。 1医療的ケアを実施しようとする子ども本人に対して実地研修(練習)しなければならないこと。 2実地研修を行った医療的ケアが必要な子ども以外への実施はできないこと。 3教員等が実施する場合、看護師の見守りや確認が必要なこと。 意見40 「医療的ケア児」という言葉について、「医療的ケアが必要な子ども」などの言い方の方がいいのではないか。 意見40に対する本市の考え方 ご提案のとおり、本市独自での修正が可能なものについては、今後「医療的ケアが必要な子ども」という言葉に置き換えたいと考えております。 ついては、計画書についても、言葉を修正しました。 意見41 新型コロナウイルス感染症拡大の中で、在宅時間が増えた子どもがゲーム依存になるとともに不登校になり、障害のある子どもが増加してくると思う。 そういった子どもの放課後等デイサービスでの受入れについて市の見解はどうなのか。 意見41に対する本市の考え方 放課後等デイサービスは、小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校・高等専門学校に就学しており、授業の終了後又は休業日に支援が必要と認められた障害のある子どもが利用できることになっています。 なお、国は、今後、放課後等デイサービスの利用対象児童となる学校の範囲等について検討を深めるとしていることから、本市としては引き続き、国の動向を注視していきたいと考えています。 相談支援体制の充実・強化等に関する意見 意見42 障害のある人の高齢化だけでなく介護者の高齢化が進んでおり、「老障介護」が大きな課題となっている。本市は政令市の中でも最も高齢化が進んでいる一方、医療・介護・福祉資源といった受け皿が比較的整備されていると思うので、これらを有機的に活用することが重要だと思う。 このためには、相談体制のさらなる充実を図ることで、問題点の早期発見につながり、制度の重複や漏れを避け、効率的な福祉サービスを利用が実現できるように思う。 意見42に対する本市の考え方 ご指摘のとおり「老障介護」による高齢の親と障害のある子どもが抱える問題は重要な課題であると認識しています。 今後も、訪問支援(アウトリーチ)を含めたきめ細やかな相談対応を行う北九州市障害者基幹相談支援センターを中心に、障害のある人と介護する家族に対する相談支援や情報提供、当事者同士の交流などの取り組みを充実していきます。 意見43 明らかな障害と分からなくても生活の難しさを感じている人、自覚がなくても何らかの障害がある人も多くいる。 そのような人が地域の中でどこに相談したらよいのか、気軽に相談できる保健室のような場その必要性を感じた。 意見43に対する本市の考え方 本市では、障害のある人やご家族から様々な相談を受け付ける「よろず相談窓口」として、北九州市障害者基幹相談支援センターを設置し、訪問支援(アウトリーチ)を含めたきめ細やかな相談対応を行っています。 引き続き、同センターを地域における相談支援の中核として位置づけ、関係機関との連携を強化し、相談者一人ひとりに寄り添った支援を行っていきます。 意見44 障害者基幹相談支援センターが1箇所なのは少ないと思う。 人手も資金も必要であるとは思うが、障害者の悩みの窓口として、今後、増加を検討してほしいと思う。 意見44に対する本市の考え方 北九州市障害者基幹相談支援センターでは、相談窓口を集約し一元化することにより、相談者にとって分かりやすく、利用しやすい体制を構築してきました。 今では、年間延べ2万件を超える相談を受付けており、各区役所や専門機関など多職種と連携を図りながら、相談者の多様なニーズに対応しています。 引き続き、同センターを地域における相談支援の中核として位置づけ、関係機関との連携を強化し、相談者一人ひとりに寄り添った支援を行っていきます。 意見45 地域の相談支援体制の強化に関して「専門的な指導・助言」は誰が行うのか。 現行の制度の中では、「主任相談専門員」の有資格者を指すのか。 北九州市における主任相談支援専門員の資格取得や今後の活用の方向性を知りたい。 意見45に対する本市の考え方 本市では、北九州市障害者基幹相談支援センターに配置した「総合コーディネーター」や、北九州市障害者自立支援協議会に設置した相談支援部会や指定相談支援事業者等連絡会議を通じて、相談支援専門員の人材育成や支援の質の向上を目的とした啓発や既存の相談支援事業所のサポート等に努めています。 主任相談支援専門員につきましては、その養成は福岡県の所管となりますが、地域における相談支援の指導的役割を担うことが期待されていることから、福岡県との連携を図り、計画的な養成に努めていきます。 活動指標に関する意見 意見46 数値目標を設定しても、それに伴う資源が伸びてこなければならない。 いまだに事業所がひとつもない事業がある。 意見46に対する本市の考え方 市内に事業所がない「自立生活援助」や「医療型児童発達支援」については、新たにサービス提供を検討している事業者への情報提供、開設やサービスの質の確保に向けた支援等を行っていきたいと考えています。 意見47 地域定着支援について、活動指標の設定の考え方に「全障害を対象とした地域定着支援の活動指標から精神障害分を見込みました」とあるが、他の障害のある人の比率や数値目標はどこに記載されているのか。 意見47に対する本市の考え方 地域定着支援については、精神障害と全障害種別を対象とした見込み量を設定しており、全障害種別分についてはP.70に記載しています。 意見48 「地域の相談支援事業者の人材育成の支援」について、令和2年度の実態及び実態を踏まえた今後の方向性はどうなっているのか。 意見48に対する本市の考え方 相談支援事業者の人材育成について、令和2年度は、北九州市障害者自立支援協議会に設置した相談支援部会や指定相談支援事業者等連絡会議において、相談支援専門員のスキルアップやネットワークの構築等を目的とした意見交換等を行いました。 今後も、北九州市における相談支援体制等の一層の強化を目指し、計画的に相談支援従事者の人材育成に努めていきます。 地域生活支援事業の種類ごとの実施に関する意見 意見49 精神障害者地域生活支援広域調整等事業の活動指標は、ピアサポート従事者のみでいいのか。 その他、協議会等の開催回数なども含めた方がいいのではないか。 意見49に対する本市の考え方 厚生労働省の通知では、精神障害者地域生活支援広域調整等事業の見込み量について、ピアサポート従事者のほか、協議会の開催数等があげられていますが、本市においては、アウトリーチ事業評価検討委員会や精神障害者地域移行・地域定着推進協議会を実施してないため、協議会等の回数は掲載しておりません。 今後、付属機関である北九州市精神保健福祉審議会において、協議会の立ち上げの必要性については検討していきます。 計画の推進体制に関する意見 意見50 改革の進捗状況の把握は毎年やるのか。また、計画のPDCAの中で、施策の改善プロセスをどう行っていくのか。 ただ、定期的に進捗状況を把握するだけでなく、施策に反映していかないといけないと思う。 意見50に対する本市の考え方 進捗管理は毎年度実施し、「北九州市障害者施策推進協議会」において意見を伺って次年度の事業実施に向け必要な措置を講じます。 また、PDCAの結果は意見内容も含め市のホームページで公開します。 北九州市障害者支援計画の見直しに関する意見 意見51 社会が大きく変わっていく中で、北九州市の障害福祉施策の理念を定める障害者支援計画の更新を1年延期したがどう考えているのか。 意見51に対する本市の考え方 障害者支援計画は障害者計画と障害福祉計画等を包含しています。 次期障害福祉計画等が令和6年度にスタートすることとなったため、現行の障害者支援計画の終期を令和4年度から令和5年度に変更し、次期障害者支援計画の開始時期を令和6年度として、包含する計画を一体的に推進することが肝要と考えています。