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第27回会議要旨

 審議会の開催概要をお知らせします。

1 日時

 平成22年10月13日(水曜日)15時~17時05分

2 場所

 ホテルクラウンパレス小倉 2階 香梅

3 出席者

(委員:16名、50音順)
 浅野委員、泉委員、奥永委員、河田委員、自見委員、白石委員、末広委員、土井委員、
 西委員、花崎委員、番野委員、樋口委員、松永委員、諸藤委員、八記委員、渡辺委員

(事務局:18名)
 佐藤環境局長、松岡環境モデル都市担当理事、竹下環境科学研究所長、
 佐々木環境政策部長、小林環境モデル都市推進室長、松永環境都市調整担当部長、内藤国際戦略室長、
 山下環境監視部長、嶋田循環社会推進部長、緒方環境科学研究所次長、
 佐藤総務課長、中本環境首都政策担当課長、石井環境学習課長、櫃本環境モデル都市推進室次長、
 池上環境産業担当課長、千々和環境都市調整担当課長、作花循環社会推進課長、眼目産業廃棄物対策室長

4 議題(報告)及び配布資料

(1)会長及び会長代理の選任

  第8期委員の任期満了に伴い、新たに選任された第9期委員の紹介が行われた後、会長及び会長代理が選出され、浅野委員が会長に、河田委員が会長代理に就任した。

(2)報告事項及び配布資料

   報告1~4について事務局より報告があったのち、質疑応答が行われた。

名称 ファイル
1 環境モデル都市の進捗について
 平成22年4~8月までの関連事業等の取組み状況を報告
概要(PDF形式:39KB)
パワーポイント資料(PDF形式:1,276KB)
2 北九州市環境基本計画の進捗について
  計画に関連する事業の平成19年度及び平成20年度の進捗評価を報告
概要版A3(PDF形式:107KB)
詳細版(PDF形式:1,182KB)
3 北九州市生物多様性戦略の策定について
  北九州市自然環境保全基本計画を改訂し、生物多様性基本法第13条に基づく地方版戦略として、北九州市生物多様性戦略(案)を策定したことを報告
パワーポイント資料(PDF形式:1,187KB)
パブリックコメント結果報告(PDF形式:132KB)
生物多様性戦略 概要版(PDF形式:140KB)
4 その他
  • 環境審議会の部会及び特別委員の設置について
  • PCBの数量について
環境審議会関係規定(PDF形式:24KB)

5 議事要旨

(1)会長及び会長代理の選任

[浅野会長 挨拶]
 福岡大学の浅野です。引き続き会長の仕事を務めさせていただく。
 このあいだの内閣改造で福岡から選ばれた松本環境大臣は、就任された3日目にニューヨークに行き、今週から名古屋で始まるCOP10の為の準備会合で、さっそく議長をやっておられる。12月にCOP16もあるが、最近特に、国際的な会議がまとまらないので、多分大臣も苦労されると思う。しかし国際情勢がどうなろうとも、やはり環境についてはきちっとした取組みをしなければいけないので、今後に期待したいと思っている。
 循環型社会、あるいは生物共生社会、そして何よりも低炭素社会を創っていかなければいけないが、産業界の方々と話をしていると、率直なところ、次の株主総会の事ばかり考えておられて、長期的な見通しでものをお考えになれない。これはしょうがないとは思うが、しかし我々は2050年とか2100年といったところをしっかり見て政策を考えていかなければいけない。今日、山田緑地に初めて行き、北九州市が既に「30世紀の森構想」ということを考えているということを実は初めて知った。恐らく自治体の中で30世紀という言葉を表に出している自治体はそんなにないと思う。それができる北九州は大変すごいことだと思っているし、我々も30世紀ということを、いつもしっかり意識しながら、仕事をしていかなければいけないと思う。
 この9期の審議会の運営についても、皆様方のご協力をお願いしたい。
 また、北九州市環境審議会規則第2条3項で、会長が会長代理を選ぶことになっている。当審議会の慣例により、北九州市議会の環境建設委員会委員長に会長代理をお願いしているので、河田委員を当審議会の会長代理に指名させていただきたい。

[河田 会長代理]
 前期に引き続き会長代理を拝命した市議会環境建設委員会委員長河田圭一郎です。
 世界的に不安定な経済状況が続いているが、本市においても景気回復までの道のりはまだまだ厳しい状況にある。そのような中で、これからは「環境」や「アジア」が本市を元気づけるキーワードになる。特に地球規模の環境の解決に向けた低炭素社会づくりの施策には、本市の技術、ノウハウを生かす事ができる分野である。
 一方、環境の取組みは、低炭素社会づくりだけでなく、これまで市民や事業者と共に取り組んできた公害対策やゴミ処理といった地道な施策にも、議会として目を向けていかなければいけない。私も本審議会の会長代理として、微力ながら会長を補佐し、環境施策の推進に努めていきたい。
 皆さんのご協力をお願いしたい。

(2)報告事項

[浅野会長]
 今から審議に入るが、本日は議決事項はなく、報告事項が3件ある。その他前回の審議会で、八記委員から話があった件についても事務局から答えさせる。報告事項は、環境モデル都市の進捗について、北九州市環境基本計画の進捗、それから新規に、北九州市生物多様性戦略を策定しているので、これらについてご報告をいただく。
 まず環境モデル都市の進捗状況についてのご説明をいただきたい。

環境モデル都市の進捗について、中本環境首都政策担当課長より説明

[八記委員]
 北九州市の温室効果ガス排出量について意見を述べ、質問もさせていただきたい。
 北九州市の排出量は、今報告があったように、基準となる1990年度に比べて6.6%増えており、これは非常にゆゆしき事態ではないかと思う。特に内訳をみてみると、産業部門が19.4%、190万トン増えていて、家庭部門の1年10カ月分に相当する。北九州市で二酸化炭素、温室効果ガスを減らすためには、一番たくさんの二酸化炭素を排出している産業部門に対する取組みをきちんと行っていくことが大切だと思う。一方、家庭部門は1990年度に比べて6.7%増えているが、これは産業部門の19.4%に比べて、また全国に比べても善戦している。その中で産業部門の突出した増え方というのはどうにかしなければならないし、北九州市がどうしようとしているのかお聞かせ願いたい。
 また、家庭部門以外は業務部門、運輸部門、産業部門、エネルギー転換等と、結局産業部門になる。産業部門で発生した責任が我々国民にもあるのはよくわかっているが、圧倒的な産業部門でどのように減らしていくのか教えていただきたい。 

[西委員]
 環境モデル都市については、市で随分努力されていることをわかった上でお尋ねする。全国の評価、国の評価で北九州が「A」だったことについて。「S」ではなかった背景にはどのような点があるのか、分かっていることがあったら教えていただきたい。 

[樋口委員]
 私からは要望だが、北九州市の温室効果ガスの排出量について、数値を羅列しているのは分かりやすいが、最近流行りの「見える化」という面から示してほしい。
 例えば私は、一人一日当たり、あるいは年間一人当たりという指標で見る。例えば全国平均では、国民一人当たりの年間排出量は10トン程度だと思うが、北九州市の数値でいくと、市民一人当たり年間17トンくらいになる。家庭(暮らし)部門では、今、市では年間100万トン程度排出しており、市民一人当たりでは概ね年間1トン程度。この北九州市の数字が全国の平均と比較してどのくらいなのか、という表示をしていただくと非常に分かりやすいと思う。

[浅野会長]
 ちなみに日本の国民一人当たりの年間平均が9.51トンで、だいたい10トンになる。

[諸藤委員]
 環境モデル都市の「見える化」ということで、小倉都心部低炭素まちづくり推進プラン、紫川エコリバー構想に関わっているが、実際に市民に何か見えているのだろうか。市民にどのような効果があるのか、また紫川の太陽光ルーフで発電された電気が水環境館で使われていることがほとんど市民に伝わってない。どのように分かりやすく伝えていくのかも、これからの課題だと思う。要望としてお願いしたい。
 北九州エコハウスに関しては、良い形で環境ミュージアムで活用させていただいている。たくさんの子ども達と衛生総連合会の方たちが地域ごとに見学に訪れ、「低炭素って気持ちがいいんだね」と言ってもらえるような、体で感じる低炭素をエコハウスで実現しているのはとても嬉しいことなので、報告をさせていただく。

[花崎委員]
 夢のような話をさせていただくのであれば、環境問題とは、各論ではなくて、30年先を見て、長いスパンで考えていかなければいけないと本当に思う。一人当たりの排出量や各部門別の排出量も大切だが、我々がどのような生き方を目指しているのかが重要。例えば家庭部門であれば、そこで人間が生まれて育って、将来は各産業部門に入っていくのだから、どのような人材を育てるのか、将来人間がどのような生き方をするのか、この北九州で未来像を描いて各部門や色々な活動にブレイクダウンしてはどうか。
 若い人達に接してつくづく思うのは、「環境活動をしましょう」と呼びかけても、する理由はわかっていない。何か貰えるところに動機付けがあるようだが、より大きな視点、インセンティブなどで、モチベーションを起こさせる何かを描いて、評価が「S」になるように取り組んでいけば、モデル都市として良いことができるのではないかと思う。

[自見委員]
 モデル都市の評価が「A」ランク評価と聞いた。端的にいえば、環境というのはコストをかければ効果が出る。北九州の場合は、市民一人当たりにコストをどれくらいかけているのか、一回見てみる必要があるのではないか。北九州が公害を克服してきたのも、結局はプラスアルファのコストをかけたからだ。北九州が本当に暮らしやすい街、豊かな街になるための一方の原則としては、税金、公共料金が安いことがある。そのような面で企業も場所を選び、都市間競争も多角的に展開されている中で、この街としてどこまで行政コストをかけたらいいのか、かけられるのか、よそと比べてどうなのかを、冷静に考えながら取り組んではいかがか。

[末広委員]
 北九州スマートコミュニティ創造事業について、できればもう少し詳しい資料があれば良かった。かなり大きな事業であり、市も力を入れているのであれば、広く市民に知ってもらうことが一番重要。効果的な情報発信について、今後どのように考えているのか教えていただきたい。

[浅野会長]
 ご質問の形で出たことについて、お答えいただける分についてはお答えいただきたい。
 とりわけ、なぜ「S」ではなかったかについて、事務局としてどのような自己評価をしておられるのか。それから温室効果ガスの排出量の数字の見解について。
 ご要望に近いご意見、あるいはコメントについても、 事務局としてお答えいただけたらと思う。

[櫃本 環境モデル都市推進室次長]
 温室効果ガスの排出量について、特に産業界への対策について回答させていただく。
 本市では2009年3月に北九州グリーンフロンティアプランを策定し、環境モデル都市を推進することを通じて低炭素社会づくり、温室効果ガスの削減を進めている。特に産業分野は2005年の排出量1,030万トンを、2050年には550万トン削減する。このため、産業界は、革新的な省エネ技術による生産プロセスの改善、CO2を削減するような環境配慮商品の開発、技術開発、省エネルギーの推進、新エネルギーの導入などの取組みによりCO2削減に努めている。加えて、企業約300社が参加する環境産業推進会議における企業間での連携・協力を通じて、産業界一体となった取組みを進めている。行政としても、産業界の取組みに加えて、無料省エネ診断による中小企業の温暖化防止、技術助成など通じてCO2の削減に取り組む考えである。
 紫川のエコルーフは、水環境館の内部に太陽光発電の説明パネルを展示しているが、市民にわかりやすくするため、講演や市民対話など様々な場を通じて広く啓発を図っていきたい。なお、北九州スマートコミュニティ創造事業の市民啓発については、今後、市民向けの講演やパンフレット作成により、多くの市民への周知に努めたい。

[中本 環境首都政策担当課長]
 環境モデル都市の評価が「S」でなかった理由ついてお答えしたい。
 「S」とは、国よりも更に進んだ制度を先取りしたような、非常に高いレベルが該当するもので、国からも「S」は難しいだろうと伺っている。「A」評価は4都市あるが、その中でも北九州市は非常に高いレベルの「A」であるときいている。今後とも「S」を目指して頑張りたい。

[浅野会長]
 モデル都市の評価については、このような評価をする立場から言えば、絶対と言っていいほど「S」はつけないので、「S」に届かないのは仕方がないと思っている。
 委員方のご発言については、事務局はご注文と受けとめていただきたい。とりわけ良いことを行っているが、市民に伝わっていないことが度々指摘されるので、十分に心していただきたい。
 また花崎委員ご指摘のように、2050年にどのような街になっているのか、イメージを示さないといけないだろう。極めて重要なポイントだと思う。これだけのプロジェクトを抱え込むと、今年度どうするかばかり考え、30年、40年先のことを何も思いつかなくなってしまうのは大きな課題だ。むしろ逆で、50年先のことを思い切って考えてみる、その思想が必要だ。
 もうひとつご指摘のPRも大事なこと。コストについても、北九州市は上手に国から補助金を獲得してくるノウハウを持っておられるので、市民税はあまりかかっていない。これくらい国から支援を受けて、だから全体としてはこれだけお金かけている、市民の負担はこのくらい、ということを堂々と示していくと、みんな頑張ろうという気になる。環境行政がどのくらいコストをかけているのかについては、他の行政に比べてもかなりコストがかかっているのだが、市民一人当たりで割ったらどうなっているのか、どれだけ市民が負担しているのかを、きちんと出していくべき。このようなご注文が今日出たということを大事にしていただきたい。
 私が温室効果ガス排出量のデータでゆゆしい問題だと思うのは、業務部門に関して。産業部門は全国ベースで見ると1990年度よりまだ増えている状態であり、北九州市の場合は、2007年度で見るとだいたい全国ベース。市域に(鉄鋼)施設を持っている地域と持っていない地域の差が出るので、なかなかきつい面がある。例えば同じことをやっている大分では、設備が新しいから北九州ほど温室効果ガスが出ない。そのような点からいえば、産業部門はオールジャパンで考えた方が良い。ローカルできちんと勝負すべきなのは、業務部門である。業務部門の2008年データを見ると、北九州は全国の5倍にあたる。家庭部門は優等生で全国ベースに近いが、業務部門がものすごく悪い。だから、ここを北九州できちんとやらないといけない。特に自治体がやるべきなのが業務部門だという認識が欠けていて、業務部門の対策をしっかりやらなければいけない、という切実さが出てこない。小倉都心部低炭素まちづくり推進プランも、業務部門の排出量が集中している地域なので、ぜひとも業務部門にきいてくるような対策を集中的に実施していくべきだ。その点が会長としては気になるので、八記委員のご指摘にあわせて私からもコメントを申しあげる。

 次に環境基本計画の進捗状況について、説明をいただきたい。

北九州市環境基本計画の進捗について、中本環境首都政策担当課長より説明

[浅野会長]
 最近流行りの事業仕分けではなく自己評価なので、お手盛りの感は否めないという感じがあるが、この場でしかチェックする機会がないので、今日は一日事業仕分け人になったつもりで、ご発言をいただきたい。 

[白石委員]
 CO2排出量の分野別の件で、会長が業務部門に焦点をあてて主に発言をされたが、これは非常に良いことだと思う。市も「北九州市低炭素社会『見える化』推進事業」を実施しているので、ここに焦点をあてるような施策を是非今後もお願いしたい。
 また、先ほどのご意見で産業界が増えたとあった。誤解を招くといけないが、決して増えたからいいと言うつもりは毛頭なく、もともと「環境が経済を拓く」ということだった。北九州市の都市構造が四大工業地帯で工場が多く、他の環境モデル都市の中にはあまり工場のない都市もあるので、そのような点も考慮して判断していくべきだと思っている。

[泉委員]
 審議会に来る前にエコテクノ展に行ってきたが、やはり北九州はモノづくりのまちだと実感した。北九州の環境の考え方の柱に「環境が経済を拓く」とあったが、今回のモデル都市の進捗状況では、都市部と産業界で実証実験するものが多く、企業を誘致して、雇用を創出するような取組みがあまり見えてこない気がした。市民としては、環境でまちが元気になるためには、経済と結びついて雇用が生まれ、市民生活が豊かになって、なおかつ環境に配慮した政策が大事だと思う。
 環境首都検定についても、市民自らが環境に関して学び育つ枠組みができつつあると感じている。北九州市であれば環境意識の高い市民を雇用ができる、ということになれば、市民により良い循環ができるようになるので、CO2を減らすことだけではなく、積極的に産業を誘致していただきたい。

[八記委員]
 先ほどCO2排出量について一点質問したが、北九州市は鉄鋼の街なので、日本の中でも鉄鋼、製鉄が集中している。その点から北九州市のCO2排出量を分析すれば、産業部門の排出割合が非常に高いのは私たちの誇りでもあるかもしれない。しかし、全国的には産業部門が1990年度に比べて2007年度で96.9%(-3.1%)であるのに対し、北九州では+19.4%になっている。北九州の産業は製鉄に重点があるため、製鉄部門のCO2削減が非常に大きな課題であることはわかっているが、産業部門が増えていることを北九州の行政はどうするのかという点で、切込みを一歩深めていただきたい。
 北九州市は2030年までにCO2排出量を30%、2050年までに50%削減する目標を掲げている。その目標に対する今の進捗状況について、どこに問題があって、どうすれば良いと考えているのかが示されていない。北九州市が公害を克服して、環境と経済を統一して進めていくノウハウを持っていることが繰り返し言われているが、私は公害を克服したノウハウ、経験を、今こそCO2削減に向けて生かすべきだと思う。アジアで取り組むことも大切だが、北九州で大いにやっていただきたい。公害克服の時は、製鉄部門で能率の良い製造方法を開発してきたと思うが、今はコストダウン、高効率の点ではある意味限界にきている。そのような中でも、知恵を発揮しながら、北九州の産業界でCO2削減をやっていただきたい。
 公害克服の時には、公害防止協定などを個別の企業と結ぶなど、様々な取組みが行われたが、北九州市環境基本計画の中では、市民、事業者の自主的取組みを支援する、としか書かれていない。公害を克服した時はそのような立場ではなかったと思うので、是非過去の貴重な経験を生かしていただきたい。
 2点目は質問だが、元気発進!北九州プラン、北九州市基本構想・基本計画の中に、「地域からの低炭素社会への取組み」という項目がある。その中に、一人当たりのCO2排出量がどうなるのかは記載されていないが、自動車一台当たりのCO2排出量と、業務用建物の延床面積当たりのCO2排出量について、平成14年度に比べた平成22年度の目標が具体的に出されている。22年度の現状がどうなっているのかご報告願いたい。

[花崎委員]
 教えていただきたいのだが、柱の1、北九州市民環境力の強化の評価が一番低くなっている。ここは非常に重要で、市民一人ひとりがどのような環境力を持ちうるのかに対する施策を教えていただきたい。なぜなら、やはり市民の環境力がベースにあると思っているからである。
 例えば環境教育では、個々に点として実行するのではなくて、面的にどのように取り組もうとしているのか。点ではいろいろな施策を行っているのはわかるが、総合した場合にどのようになるのか。

[松永委員]
 頑張って一生懸命にきちんと評価されているのは充分わかっているが、環境基本計画を策定したときから感じていたのだが、北九州らしさが何処にあるのかが分からない。どれがよそにはない取組みなのか、北九州らしさを目安にした説明が無ければ市民には分かりにくいと思う。環境基本計画をつくる時も、評価する時も、評価結果の資料の作り方という意味でも、平板になっていて、何をしようとしているのか、評価の位置づけや意味付けが分からなくなってしまっている。もう少し整理して、将来のビジョンを目指して、北九州らしさをどのように生かして展開するのかという観点から、評価と市民への情報提供をしていただきたいと思う。

[浅野会長]
 松永委員からとても難しい注文がついたが、よく分かる。
 他に意見がないなら、出されたご意見、ご質問について、お答えいただきたい。

[櫃本 環境モデル都市推進室次長]
 CO2排出量についての現状だが、平成22年度はまだないが、自動車については、1台当たりのものは今ないが、燃費で見ると2005年度から毎年9.6、9.7、9.9、と改善されている。自動車全体で見ると、乗用車、貨物、大型のものが減少して、小型車に転換が進んで6,000台増えた。床面積については、申し訳ないが今データがない。

[石井環境学習課長]
 いろいろな環境学習施設では、確かに今、点で施策が進んでいるが、7月9日に立ち上げた低炭素社会総合学習システムの検討会の中で、施策を面的な広がりで一体的に、総合的に行うために、どのように進めて市民の環境力を高めるかを検討している。

[浅野会長]
 まず、市民環境力と言われている部分の評価資料をよく読んでみると、成果をおさめた事業が何であるのかは割合はっきりしているが、地域循環型生ごみ処理機リサイクル事業と廃食用油リサイクル事業、その他リサイクルプラザ、エコライフプラザがあまり上手くいってないことが、足を引っ張っているようだ。このように個々のプロジェクトを断片的に見て評価するやり方だと、どの事業を取り上げるかによって、トータルの評価が決まってしまうので、悪く言えば最初から評価の良さそうな事業を取り上げればトータルの評価は良くなる。それでは計りきれないものを計れというご指摘が、花崎委員、松永委員に共通しているご指摘だと思う。それをどうすればいいのかは、と大きな課題だ。
 もともと環境首都のプログラムを考えたとき、そしてそれを具体的に行政計画化するために環境基本計画をつくったときには、全体が統合的に上手く動いていけばよく、個々のプロジェクトをバラバラに切って評価することは考えていなかった。昨年の審議会で、評価をしなさいと要求したので、このような結果が出てきた経過や苦労はわかるが、点数でPDCAサイクルを回すのではだめだ、と今日改めて言われている。サイクルを回すにはこの点数を上げさえすればいい、とはならないようにしてほしい。
 生ごみ処理事業については、全国的に見ても低調で、自治体独自の事業仕分けでもコンポスト補助金は切られる傾向にある。すぐ近くに家庭菜園があるような中小都市であればより効果的だが、北九州市の小倉北区の高層のマンション地域では、コンポストで処理したものを活用する場所がないという話が必ず出てくる。少なくともコンポスト処理した後の使いみちまでのプログラムがない限り、補助金は出さないようするべきだ。例えば地域の皆が一緒になって、地域の花壇を守る、街路樹に還元するなどの、きちんと上手に活用するプログラムだったら補助しますなど。そのような知恵がなく、一つ一つバラバラに施策を進めているところが気になる。

[番野委員]
 私は、この問題についてはほとんど門外漢だが、一般市民との接点の役割で参加していると思っている。市民に対する教育についてだが、環境行政の実施状況については、たくさんの資料が来て回覧するが、ほとんど素通りしていて、一般市民に市の施策がほとんど伝わってない。どちらが悪いとは言えないが、一方では無関心がある。自治会の運営について、いろんなことを提案しても、ほとんど無関心で過ごされてしまう。これをどのように打開するかが、今私たちが非常に問題にしているところだ。
 衛生総連合会では、補助金をいただいて環境改善に向けた活動を進め、大きな実績を上げてきたが、その使途は主に一斉清掃やそのための用具、ごみステーションの管理用具、更にバスを使ってのエコツアー等である。
 今、一般市民として、ごみ問題などの環境問題については深い理解と行動が求められていて、そのためには、いわゆるエコツアーが有効な環境教育になると思う。大きな自治区会では、エコツアーによる環境教育活動が進んでいるのに対して、小規模自治区会では補助金の金額が少なく、エコツアーができていない。補助金の有効活用の観点から、組織の中で検討しなければならない。

[浅野会長]
 福岡に比べると、北九州はエコツアーに行く場所がふんだんにあるというのは羨ましい限りだと思う。

[土井委員]
 環境で街を活性化することについて、最近、北九州市が取り組んでいる小中学生を対象にした「環境修学旅行」がスポットをあびていることは、とても素晴らしいことだと思う。特にテレビ等で発言している子ども達の声が素晴らしく、「北九州ってすごいところなんやね。」という会話が飛び交っていた。子ども達の環境力をつけるためには、環境問題が身近で話題にのぼることが必要であり、北九州市にはどの県よりもたくさんの環境教材がいたるところにある。その特徴を活かし、全国的に環境修学旅行を広めていただき、受け入れるための知恵も必要だが、全国の子ども達に環境を学んでもらいたいと思う。

[浅野会長]
 次に地域の生物多様性の戦略の策定について説明をお願いしたい。

北九州市生物多様性戦略の策定について、千々和環境都市調整課課長より説明

[浅野会長]
 生物多様性地域戦略の策定について報告をいただいたが、何かご意見やコメント、お話をいただきたい。
 今日は報告なので、戦略案の修正につながるかはわからないが、今後の運用にいろいろな点で参考になるのではないかと思う。
 私は、この戦略はプロジェクト主義に過ぎ、いろいろなプロジェクトが並んでいるという印象を強く受けた。従来の自然環境保全計画をトレースしているので、そのようになってしまうのだろう。戦略の中には、人が自然にどう向き合っていくかについては実によく書かれているが、生き物の側が全く主語になっておらず、植物はまだしも動物の姿が全く見えない。その点がパブリックコメントで意見が出され、それを活かして「地域固有の生態系の保全」「生態系ネットワークの形成」に修正されたようだが、タイトルだけで、内容は修正されていないのではないか。本当にネットワーク的な思考で一つ一つプログラムを進めていくのか、ネットワークの実態がわかっているのかが気になる。生き物の動きをきちんと見ておかなければ、人間の側でネットワークと言っても、生き物の側がネットワークに入ってくれなければ意味がない。戦略と言う以上、その点をどこまで突き詰めて考えているのか疑問があるが、運用で改善できることだと思う。市民にアピールすることは、皆が自然を見に行くことばかりではない、というところも十分に示しきれていない気がする。
 また、事業者の方々に、この戦略が自分達に関係がないと思われているのが一番怖い。

[自見委員]
 基本的な姿勢に、人間を自然の上位に置いて、人間が自然を管理・保全してあげよう、という雰囲気が感じられる。
 日本の水田や琵琶湖畔で見られるような、人間の生業の必要最低限の手を自然に対してかけることによってその生態系が維持・継続されるような相互に共生効果の上がるような関わり方は好ましいが、本来の自然の営みに人間がずかずか入り込んでいくのはいかがなものか、と思う。
 響灘のビオトープのエリアは、もともと廃棄物処理地から産業用かその他の土地利用が考えられていたはずで、たまたま利用計画が確定せずに放置されている間に自然が戻ってきただけなので、自然の回復力に感心しながらそっと見守る、という姿勢でよいのではないか。また、大々的にビオトープという看板をあげると、将来他の利用計画が出たときに、身動きできないということになりはしないか、とも思う。

[花崎委員]
 資料を読んだときにまず思ったことは、第一次産業とどのようにリンクしているのか。「環境で経済を拓く」というのは、都市だけではないと思う。今疲弊しているのはやはり第一次産業で、「環境」もそこにベースを置くべきではないのか。未来像を示して、この生物多様性をどのように考えていくのかという視点がぜひ欲しい。

[浅野会長]
 花崎委員の意見は、私が言いたかったことと近く、生態系バランスというキーワードを十分に意識しているかということだ。それは、市民にも産業に対してもサービス、恩恵があり、我々は感謝しながら受けとめ、共生していくという思想が哲学としているのではないかと思う。

[諸藤委員]
 環境教育の一番のベースは、生き物がつながっていることを皆が感じることで、そのことが実感できなければ、省エネなどの生活様式を変えることはできないと思う。
 今、全市の小学4年生児童が、エコツアー(環境体験科)で平尾台、山田緑地、環境ミュージアムとエコタウンを組み合わせて行っている取組みはすごく評価できるが、ただの経験に終わらせず、次の実生活につなげていくようにするためには、私達環境教育を担っている者が、心してプログラムを開発していかなければならない。

[松永委員]
 他の委員と同意見だが、産業との関連がよく見えてこない。例えば「里地里山の持続的な利用」の項目を見ると、「里山ウォーキング」が最初に取り上げられているが、そのような感覚的な取り組み、イメージに寄りかかった施策で済まされる問題ではない、と率直に思う。
 農村での切実で大きな問題は、竹の繁殖や鳥獣害。生き物を守りつつ農業をしながら、どのように自然、生態系とバランスを取っていくのか、非常に苦渋している。資料を見ると、産業経済局の農林課との連携、他の局・課との連携はどうなっているのかが心配になる。また産業を振興しつつ生物多様性を守ることの難しさをきちんと考えた計画になっていないのではないか。申し訳ないが、非常に物足りなさを感じる。

[浅野会長]
 国の生物多様性国家戦略の第一次戦略は最も評判が悪かったが、農水省、経産省や他の省も、生物多様性戦略はわが省に関係がある、わが省の利権につながるという認識を持つことができるようになったという点もあって、私に言わせるとそれは良かったと思う。だから第二次戦略をつくるときにも、その精神を生かした。今でも、生物多様性戦略は自然保護戦略という意味だけではないと考えている。
 今後の運用面では、ぜひ各局に、これは決して環境局だけの計画ではない、自然環境を守るためだけの計画ではない、というのが環境審議会の委員方のご意見だと伝えてほしい。

 以上で今日ご報告いただいた3件について終了し、前回の第26回の環境審議会で、八記委員からご質問のあった件について、事務局から説明をいただきたい。

その他 について、中本環境首都政策担当課長及び眼目産業廃棄物対策室長より説明

[中本担当課長]
 前回の第26回審議会での二つの宿題について、一つ目の環境審議会における部会、特別委員の設置について、制度の面から説明させていただく。
 本市の環境審議会については、北九州市環境基本法条例第6章、北九州市環境審議会規則の定めにより設置・運営しており、環境審議会の役割は、環境基本条例第29条第2項により、市長の諮問に答えることが重点となっている。
 特別委員の設置については、同条第4項に基づき、調査審議につき特別な事項を審議させる必要がある時に設置するものであり、前提である審議会の本来の調査事項の条件に変わりはない。また特別委員の任期は、特別な事項に関する調査審議が終了した時とあり、(諮問された調査事項につき)更に専門的な見地から調査審議するための臨時的な設置を考えているものである。部会も、環境審議会規則第3条第1項に設置根拠があるが、市長の諮問に答えるためとなっている。最近では、環境基本計画を策定するために市長が諮問し、これを専門的に審議するために部会を設置した例がある。
 このように部会や特別委員は、本来の環境審議会の調査審議事項と同様に、市長の諮問に答える手段として設置するものであり、市長から審議会への諮問があるという条件のもとで設置をするものと解釈している。また設置の決定は、審議会規則第2条第2項、第8条に基づき、審議会会長が総理する案件であると考えている。

[眼目産業廃棄物対策室長]
 PCBに関するご質問について回答させていただく。
 PCB廃棄物処理計画を改訂した際の廃トランスと廃コンデンサの数量の増加要因と、それから今後の対策、取組み方針についてお答えしたい。PCB廃棄物の計画上の数量は、毎年度、保管事業者からの届出により把握している。しかし現在使用中のPCB機器は「廃棄物」ではないため、PCB特別措置法による届出義務はない。しかし使用をやめてPCB廃棄物となった時点で届出義務が課せられ、新たに届け出るため、数量が増えることになる。加えて、廃トランス、コンデンサの絶縁油の分析結果でPCBが含まれていることが新たに判明する場合もあり、この二つのパターンで数量が増えることがある。
 環境局としての対策は、これまでも保管事業者に対して立入検査を行い、保管事業者にきちんと届出を行うよう指導をし、実態把握に努めてきたが、今後も効率的、効果的な方法を検討して実態把握に努めていきたい。その一環として、環境局発行の「かえるプレス」及び市政だよりにて、PCB廃棄物の届出義務があること、PCB廃棄物の早期処理を促す記事を近々掲載する予定である。また今年度中に、市内の企業を対象に、PCB廃棄物の一斉アンケート調査を実施する予定である。今後とも、PCB廃棄物の正確な数量の把握、早期処理、適正処理の推進に努めたい。

[八記委員]
 特別委員の件で、「市長の諮問に応じて設置する」と言われたが、私は議題の範囲内で発言しており、審議会に対して諮問された事項の審議の中で、このような項目について是非特別委員を設置してほしいとお願いをしたので、先ほどの説明には当たらないと思う。北九州が環境モデル都市として頑張っている、他の都市に優れて「A」という評価を受けたことは非常に高く評価しているが、足元の環境、例えば産業廃棄物の処理、門司の例では1万ppmを超える硫化水素が発生しており、その原因や埋設物についても調査し、市民にも明らかにする必要があると思う。
 二つ目に、前回の審議会でばいじんの問題についても言った。公害がひどかった頃に比べると減っているが、この20年30年はほぼ横ばいで、毎月大体平均で1平方キロメートルあたり5トンのばいじんが降り続けており、これに対する苦情も非常に大きいものがある。このような足元の環境について、きちんと審議会で議論をしていただきたいということで提案をした。設置するかどうかは委員皆さんの総意で決めていただきたい。
 またPCBについて。PCBは非常に危険な物質で、特に北九州の場合は西日本17県の処理を若松で一手に引き受けて行っている。監視委員会等を設置し、情報を公開して進めていっているが、処理工場では年に3回も事故が起こり、市民の中にはPCBに対する非常に大きな不安がある。そのような状況で、たくさんのPCBが新たに見つかるとはどのような状況なのか。使用中は報告義務がないとのことだが、従来、例えば平成16年の処理計画では保管数と使用数を把握しており、行政として当然把握しなくてはならないものだ。保管に関する変更があった場合には、変更があった日から10日以内に知事または政令市長に届けなければいけない、となっており、非常にずさんな運営が行われているのではないか。PCBについては、新たに明らかになった状況についても逐次報告をしていただきたい。

[浅野会長]
 環境審議会の特別委員、部会の設置に関しては、私は残念ながら委員とは見解を異にしている。事務局の説明のとおり、審議会の役割は条例に定められているので、包括的な諮問があるからといって何でも全部審議できるとは思っていない。特に具体的な案件についての特別委員、部会を設置してほしいという点については、条例の規定から見ても無理だろうと思う。環境基本法に基づく中央環境審議会では、審議会が自ら意見を具申できる規定もある。北九州市の環境基本条例には若干不備があることは事実であるが、残念ながら現行の条例では審議会自らが意見具申はできない。条例をどのように定めるかは、議員方が議会で決めることである。
 時間も過ぎているので、本日の報告及び審議は以上で終わりたい。

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