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【発表案件】
・平成30年7月豪雨への対応について
・SDGsに関する国際会議への参加について
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平成30年(2018年)7月13日市長記者会見
【発表案件】
・平成30年7月豪雨への対応について
・SDGsに関する国際会議への参加について

更新日 : 2023年11月28日
ページ番号:000145913
発表項目

(1)平成30年7月豪雨への対応について

(2)SDGsに関する国際会議への参加について(PDF:221KB)

月日:2018年7月13日
場所:北九州市役所

出席者 北九州市長

会見の動画(YouTube)

市長
それでは、2つ報告をさせていただきます。
まず、災害復旧についてであります。災害発生から1週間となります。
改めて、今回、犠牲になられた方、ご冥福を、お祈りを申し上げます。そして、被災された皆さま方に、お見舞いを申し上げたいと思います。今回の豪雨では、西日本を中心に記録的な大雨となり、平成以降では、初めて死者が100人を超える、大変大きな被害が発生をいたしました。本市では、門司区におきまして、土砂崩れにより、2名の尊い命が失われる、大変痛ましい結果となりました。私も早速、現場に出向きましたが、被害を目の当たりにいたしまして、自然災害の恐ろしさを改めて痛感したところです。先ほど開催しました、第2回の「平成30年7月豪雨災害復旧会議」におきまして、専門家を交え、災害対応などのあり方について検討を進め、地域防災計画に反映させることを指示いたしました。また、それまでの間、多少時間がかかります。災害は、いつ何時、起こるか分かりません。そこで、いつ発生するか分からない災害に備えて、市民が自らの命を守る、適切な避難行動を行えるように、周知啓発・情報発信のあり方を考えると、そういうことを指示したところであります。また、土砂崩れなどの災害対応につきましては、県知事の災害現場視察の際に直接要望したところでありますが、国への要望活動にも積極的に取り組むように指示をしています。さらに、ふるさと納税でありますけれども、その活用方法につきましては、被災者支援につながるように検討を急がせております。また各区では、来週も引き続き、総合相談窓口を設置することにしております。被災者への生活支援、住居の確保などに全力で取り組んでまいります。
もう1点、SDGsの国際会議出席の件であります。
日本政府、内閣府、外務省、環境省、そして国連機関からの要請を受けまして、日本の自治体を代表し、国連によるSDGsに関する国際会議「ハイレベル政治フォーラム」の中の2つの会議に参加し、発表することとなりました。このフォーラムの会議に、日本の自治体が参加するのは、これが初めてと聞いております。7月15日、日曜日に出発をして、19日、木曜に日本に戻ります。大きな2つの会議での、日本の自治体代表としての発表に加えまして、環境省や外務省など、政府関係者やOECDなどとの意見交換を行います。7月16日に開催される会議は、国連機関が主催し、出席を要請されておりました「地方・地域政府フォーラム」であります。世界から約30人の首長が、SDGsの取り組みについて発表いたしますが、北九州市は日本を代表して唯一、参加する役目を得ております。ここでは、公害克服で培ったノウハウを通じた市民力、エネルギー、上下水道、国際貢献、文化などの本市の強みを活かして、地域からSDGsを実現し、アジアや世界への普及を図ったことを、世界へ発信をいたします。7月17日に開催される会議は、日本政府とインドネシア政府が主催し、出席を要請されております。「持続可能な都市の実現に向けたアジア太平洋地域のイニシアティブ」という名前であります。ここでも日本の自治体を代表して、時にSDGsのゴール17「パートナーシップ」に焦点を当てて、本市の取り組みを発表することにしております。「ハイレベル政治フォーラム」は、国連本部で毎年開催されております。全世界の閣僚級の参加する、SDGsに関する最も重要な会合であります。来年度は、首脳級が参加いたします。こうした場に、日本の自治体代表としての役目をいただいたことは、大変光栄であります。2つの会議のほか、限られた時間を活かして、日本政府、また学識経験者らSDGsのキーマン、OECDなど国際機関、海外の諸都市との意見交換を精力的に行いまして、本市のプレゼンスを高め、市の政策にもしっかり反映できるように、やってまいりたいと考えております。なお、本日開催しました、「豪雨災害復旧本部会議」の中でも説明をいたしましたが、ニューヨーク出張中は、私の代理として、梅本副市長を職務代理者とし、災害復旧にしっかり取り組んでいくことを改めて申されております。
私からは以上です、ご質問を承ります。

記者
大雨関連の質疑も多いかと思いますので、幹事社から1問だけ伺います。
人口動態についてです。先日の総務省の発表で、引き続き、本市の人口幅減、一方、その苅田町では大幅増というようなことも見受けられました。改めてですね、受け止めと、今後の対応策についてお願いします。

市長
人口減少につきましては、4年連続、市町村では最多となったわけでありますが、自然動態と社会動態の2つの側面がありますが、社会動態につきましては、行政といたしましても、市民・各界の皆さんと共通の1つの目標を掲げまして、マイナスをプラスにすると、そういう目標のもとに努力を続けております。この社会動態を見ると、近年はマイナス1,000人台まで改善をしてきております。かつては1万人を超えるマイナスになったわけでありますけれども、着実に社会動態の改善は進んでおります。また今年に入って、さらに改善傾向にあるのは、年間を通じて転出・転入の動きが一番大きい3月から4月の状況を見ますと、本年は転入・転出ともに改善しており、特に若い世代、15歳から39歳の世代が改善をいたしております。こういう状況は、これまで地元就職の促進、あるいはU・Iターンの事業、企業誘致など、「まち・ひと・しごと総合戦略」に基づいた取り組みの効果が少しずつ表れてきたものと考えております。社会動態が改善に向かう現在の流れを、本格的なものにするため、オール北九州で、これまで以上にスピード感を持って、地方創生の推進に取り組みたいと考えております。また、行政の努力はもう当然でありますけれども、市民・各界のご理解とご協力もまた大切であります。そこで、8月1日と7日の2日間、「人口問題と向き合い、我がまちの未来を考える」ことをテーマとする「地方創生シンポジウム」を開催することにしておりますが、人口問題につきましても、市民と思いを共有していきたい、このように考えております。

記者
ありがとうございました。では各社、お願いします。

記者
まず、その専門家委員会なのですけれども、どういった構成で、どういったものを議題とすることを考えてらっしゃいますか。

市長
未曾有のその災害を経験しまして、行政としての対応のあり方、またその情報、受け手となる市民の目線から見てもですね、いろんな課題が見えてきていると思います。そうした問題を、いわゆるその通常の地域防災計画の見直しというスケジュール感では、いつ何時あるか、災害に対応できませんので、できるだけ早く専門家を交えた検討機関を立ち上げまして、公開の場で議論を深めて、そして改善するものがあれば、例えば運用の改善とか、いろいろあると思いますけれども、直ちに実行すると、そのようにつなげていきたいと考えております。従いまして、今回は豪雨災害でありますけれども、その災害に関する専門的な知見をお持ちの専門家の皆さん方に参加をお願いしようと考えて、今、人選中でございます。いつ何時、災害があるか分かりませんし、北九州のみならず、西日本で広く大きな災害が出ました。そこで、さまざまな専門家からも、メディアを見ましてもですね、いろんな指摘があったところであります。本市におきましてももちろん、市役所内部でももちろん議論を重ねておりますし、そういった意味では、論点はかなり見えてきていると思っておりまして、今後、災害に対してどう取り組むか、見直すとすれば何をどう見直すのかという、専門家からの助言を交えた私どもの決意ということになってまいりますので、時間は、関係者には大変ご多様だと思います、夏のお休みのシーズンにもなりますけれども、できるだけ早くお集まりいただいて、議論を開始したい。すでに行政内部におきましては、われわれなりにですね、今回を振り返りまして、どのように改善していくかについて議論は深めつつあります。

記者
できるだけ早くということなのですけれども、例えば具体的に「7月中には」とか、「8月までには」とか、何かポイントというのがあるのかというのと、その検討した結果は、その今年度の地域防災計画に反映させるというおつもりだということでよろしいのでしょうか。

市長
秋の台風シーズン、本当に地球環境は異変続きでありますので、いつ何時ですね、通常の季節感覚では考えられないような災害もあり得ますから、そういった意味では、できるだけ早く立ち上げて、方針を確認したら、その運用を改善するということはすぐにできるわけであります。そうした意味では、「今年度中に」というよりは、むしろ大幅に前倒しをしてですね、今回の豪雨災害を教訓として、われわれは何を今後改善し、実行するかということを取りまとめたいということはあります。論点は見えてきておりますので、専門家の助言を聞くにあたって、いろんな意見が出るかもしれませんけれども、少なくともわれわれは非常に今回、人的犠牲を出してしまったということを踏まえてですね、やるべきこと、方向性というのは見えてきていると思います。市長といたしましては、ぜひ7月中に立ち上げようと思いますけれども、こればかりは、専門家の方々はご予定もありますので、若干、ずれ込む可能性はあります。

記者
一応確認なのですが、1つ今回の教訓としては、亡くなった方のところが、レッドゾーンから10数メートルしか離れてない、イエローゾーンだったけども、発令対象にはなってなかったということが1つあろうかなと思うのですけど、この平成26年の6月13日の通知、広島の土砂災害の前の通知をもってその根拠とされて、今回そういうことになってしまったということなのですが、そこの見直しというのが1点あろうかと思うのですけども、もう1点は、私もこの地域防災計画を改めて見させていただくと、今回、市長はニューヨークに旅立たれて、その間の、誰がいざという時のその発令の判断をするのかというところで言うと、松元副市長が序列1位で、2位が危機管理監、3位が危機管理室長と、全員3人とも本庁舎に集まっている面々なわけで、7区同時に1分1秒を争う判断を迫られた時に、それできちんと対応できるのかなというところをちょっと危惧するところがあり、広島の土砂災害の時は、うまくは機能しなかったものの、広島は土砂災害が繰り返されているので、広島市は水防計画の中で、各区長が判断できるっていう形に権限を下ろしているわけですけども、そこら辺の兼ね合いで、誰が区執行機関として、いざという時、滞りなく判断できる体制を整えるのかというのも1つ論点かなと思うのですけれども、そこのところはいかがでしょうか。

市長
6日の日ですね、門司の土砂崩れのあった、8時前と言われておりますが、それまでは、市のほうは警戒本部ということになっておりまして、災害対策本部に切り替わるのは8時となっております。形式的に言いますと、災害対策本部が設置されますと、本部長は市長ということになるわけでありますが、それまではどうしているかと言うと、災害対策本部になってもそうなのですが、基本的には情報の収集と分析、いろんな判断ができるポジジョンというのは、危機管理室にあります。従いまして、あの前の晩、0時に避難準備勧告を出しております。そして、7時から各区に順次、避難指示を出しているわけでありますが、危機管理室を中心として、各区と協議の上で発令をしているという状況があります。従いまして、市長の判断を必要とする場合は、職務代理者は初めて置くわけですが、梅本さんにしていただいて、危機管理室、そして担当の副市長、そして職務代理者ということになります。それで、ご質問は「判断の基準」ということでありました。それは、主要な論点の1つではないかと自分は思います。これから専門家を交えてですね、率直な助言をいただくという前でありますので、あまり市長のほうから具体的にそのテーマを絞り込んでお話しするのはどうかと思いますが、自分自身としては、それは主要な論点の1つではないかと思います。ただ、現実問題としてですね、気象台、あるいは福岡県、またメッシュ情報などの分析というのは、本当、四六時中ですね、危機管理のスタッフはその専門家として従事しておりますので、一番、情報量には接していると思います。問題は、その1時間後、2時間後、近未来においてどうなるのかを予測していくということになりますと、なかなかそれぞれの各区であれ、あるいは学校長であれ、それを「現時点での情報はこうだけれども、全体を見ていて、これはこうなるだろう」という、そのもとで避難勧告のような指示を出すわけであります。そういう専門的な知見ということになりますと、果たして各区にですね、柔軟な対応を求めた場合に、うまく回るかどうかという議論はあると思います。いずれにしても、現在においては、それぞれの区長から危機管理室のほうにお話があって、そこで協議をして、そして発令をするという、その間には時間がかかっております。ですから、自分の問題意識としましてもですね、最初に朝、心配して目覚めて、例えばテレビのテロップを見ます。そうすると、朝7時に「避難指示発令」と出ます。そうすると、門司区はあの時、入っておりません。そうするとですね、やっぱり受け手となる市民の受け止めとして、「いろいろ心配したけど、門司区は入ってないのだな」と思う人もいると思うのです。そのあと順次、出てきます。そういう、その市民の受け止めという面から見た時にですね、それぞれ各区ごとに協議をして、発令をしているというのは時間的にどうだったのかと。本当に、「1分1秒」という言葉がありますけれども、できるだけ迅速な対応が必要だと思います。メッシュの情報なり、気象台なり、福岡県の情報を、危機管理室は持っております。そういった面で、迅速な対応という面から見てですね、現行でいいかどうかというのは論点だと思います。

記者
もちろん各区に下ろすほうがいいとも、どっちがいいとかいうのは検証が必要だと思うのですけど、仮に本庁舎にその判断機能の、集約するにしても、3人いる副市長が担当の区を決めて事前に、一斉に判断を迫られる時には、それぞれ担当の区をきちんと責任持って判断するというような体制も組めるかなと思うのですけども。

市長
現行の危機管理室と担当の副市長によるその体制でですね、少なくとも来週1週間ぐらい、数日間については、地震災害というのもあり得ますけれども、大雨という点に絞って言うとですね、通常のその体制で機能すると思います。

記者
それともう1点、今回の課題としては、被害が起きた奥田1丁目については、土石流を想定したレッド・イエローっていうのはかかっていたのだけども、実際、被害で亡くなられた方の裏のところは、急傾斜地にも当たらないのに崩れてしまったと。予期せぬことが起きて、これがなぜ、パイプフローが、長いこと雨が降っていたので、その前からパイプフローが地下に流れていて、それで地滑りというか、その崖崩れが起きてしまったっていうことはあり得るかなとも思うのですけども、そこら辺の、原因の分析するのは、一義的には県にあるのだとは思うのですけども、その今後の流れとして、県とどのようにこの原因分析を進めていって、その原因分析はこれまでの想定外のことで起きてあるのだとしたら、それをどう対応していくのかなという、そこら辺の見通しを教えてください。

市長
市としましては、もうすでに専門家と一緒に現地の視察を行っております。分析には今後、多少の時間を要すると思いますけれども、その専門家の知見を踏まえた、いろんな意見交換はすでに始めております。先日、県知事が視察されました時にですね、私どものほうからは重機をあそこで入れてですね、そして全体が倒壊しないように、それで救出活動を行ったという、今そのままの状況になっております。それが外せるのかどうかという議論があって、やはり相当不安定で、今後、いつ何時、雨が降るか分かりませんし、そういう議論も実はありました。その上に、すぐその土砂崩れが起こった災害現場があるわけであります。この点についてですね、砂防事業、あるいは治山事業というのは、これは県庁所管になるわけでありますけれども、ぜひ対応についてお願いをしたいという話は私からいたしましたし、県知事のほうも、そこの砂防事業ということについてどうするのかということは、担当部署を含めて認識をされていると思います。あの重機を入れて、支えている状況をどうするのかについては、市の土木専門家も入ってですね、今内容を、検討を詰めているところでございます。

記者
その広島の土砂災害、4年前の時には八木3丁目、安佐南区の八木3丁目では普通レッドとかイエローをかける時の想定は、「1波しか起きない」という想定のもとにレッド・イエローをかけているのですが、あの時は3波に分かれて土石流が発生したと。国土交通政策研究所が想定している範囲を超えて起きてしまったので、このレッド・イエローをかける計算式を見直してほしいっていうのを、広島県としても国交省に要望したのですけども、当時、国交省としては、私的財産権を多いに制限する影響が大きいということと、すでに全国各地で指定が進んでいるので、影響が大きすぎて全国的な見直しはできないと。今回、想定外の崖崩れが起きたっていうことも、その土石流の発生が、4年前、想定外のことが起きたっていうことに相通ずるところはあるかと思うのですけども、そこら辺の原因分析等がある程度進んだ段階で、「北九州市だけが」という話じゃなくて、今回、西日本全域でこういう問題が起きているので、都道府県、あるいは政令市の首長さんなりで連携して、国に対して要望していくというお考えは、今の時点でお持ちでしょうか。

市長
レッドゾーン・イエローゾーンの話は、国の大方針があって、それを受けて県庁が作業を行ってきたという経緯があります。そうした意味ではですね、国・県が関わっているわけでありますが、今回のいろんな事例を踏まえてですね、今後、応急的な復旧対応が一段落をした時点でですね、どのように考えるかというのは、油断は許しませんけれども、いろんな議論はあり得ると思うのですね。特に今、土砂崩れが話題になっていますけれども、遠賀川のところはですね、やっぱり水位が高くなって氾濫の可能性が出たという、その地域があります、これは一級河川にあります。従いまして、今度の河川氾濫によって、おびただしい死者が出ておりますけれども、いろんなその避難の発令の仕方もあります。それもあるのですけれども、そもそもですね、やっぱりそこの河川改修というか、そういうのがやっぱり必要だと。そうなると、やっぱりこれは大きな国全体としての財政支援のあり方が関わってきます。そういうものも含めてですね、諸々の課題について認識が統一できましたら、一緒に行動するということはあり得ます。今の時点はですね、レッドゾーン・イエローゾーンの話を見ていくと、今回の土砂崩れの内訳なのですけど、レッドゾーンの崖崩れは45件でしたが、イエローゾーンで36件あります。そしてですね、それ以外の区域で、大中小があるのですけれども、崖崩れは144件になっているという状況があります。そういう、今回の災害のそういう結果も踏まえましてですね、まずはその、イエローやレッドのその指定という問題もそうなのですけれど、やっぱり基本はメッシュにおいてどれだけ雨が降ったかという、これがやっぱりリスクを判断する時の大きな根拠になっておりますので、そこら辺の警報の発令の仕方については課題だと思っています。どうすればいいのかということは、議論をしています。かなり議論は、この1週間でしておりますので、方向性はあるにしましても、やっぱり専門家の知見をこれから仰ぐという段階でございますので、この辺に留めさせていただきます。

記者
あと最後、1個だけ。長期的な視点としては、今回の奥田1丁目については、1970年に市街化区域に編入されていて、1983年に開発許可も下りているということで、ある程度、1968年の都市計画法ができる前から、もうたぶん市街化が進んでいて、それを追認する形で編入されたのではないかなと思うのですけども、広島市と同じように北九州市も、政令市と言っても平地が少なくて、斜面地に家を建てざるを得ないという、その街の構造というのはちょっと似ている部分はあろうかなと思うのですけども、1つ違うのは、広島市はまだ人口が増加局面にある一方で、北九州市は減少局面にあると。減少というのがマイナスに捉えがちですけども、考え方を変えれば、平地にどんどん集約していくことができるということで、北九州市もそういう、平地に集約していこうという方針は示されていますけども、長期的に、そういう政策的に、そういう斜面地に住んでいる方々を、どう安全な地帯に導いていくのかというのも1つの論点かなと思っているのですけども、その点について市長はどうお考えでしょうか。

市長
もし仮にレッドゾーン・イエローゾーン、市内全域にですね、仮に避難指示を発令すると。その場合に、現実には日本各地における災害の時に、実際に避難されている方のパーセントというのはわずかです。しかし、発令する側としましてはですね、避難される方々の対応というのは考えていなければなりません。そうなると、相当数の数になると思います。レッド・イエローだけに避難指示を出すと、その分のですね、避難をされる方々のですね、対応は今の市の職員に対してできるかどうか、今の避難場所だけでいいか。場合によっては、雨にも関わると、学校の2階、3階という安全なところはどうなるか、そういった諸々の検討が必要になります。そういうことをこれからですね、市民の皆さまにもその都度、アナウンスしながら議論していった時に、私どもコンパクトシティということで、より安全な地域へ住んでいただくように要請をやってきているのですけれども、その対する理解度というのは、ぜひ持っていただきたいな、高まってほしいなって願っております。では、どうするかであります。前々から、今回ですね、災害で困った方の家屋をですね、住居をどう確保するかという議論の時に、改めてその公営住宅というところを空けよう考えました。ただ公営住宅も、「空いたらすぐに入れてほしい」という方もたくさん並んでいるわけです。その時に私どもは、2万7,000戸の空き家がある、その中には車が寄り付きにくいとかのハードルがある。その中で、平坦土のところで、災害のリスクが低いところもあると思います。こういったところもあるのだということは、今回の議論の中で視野に入っております。ただですね、一般的な家屋というものに対して、私どもその利活用のために空き家バンクをつくって、いろいろ呼びかけておりますが、まだまだ現実にはそれに手を挙げる方は少ない、所有者は。今回のことをきっかけにですね、やっぱり斜面地は、相当リスクはあるということになっていった時に、果たしてこの「空き家」というものを、全体としてどう活用していくかと。「公営住宅の代わりに」ということではなくてですね、全体としてどう活用するかという議論も出てくると思います。いずれにしてもですね、受け手となる、情報の受け手となる市民の方にとって、より丁寧な、より明快な、迅速な情報の提供というのが、今回の1つの大きな課題だと思っています。

担当者
今、市長の答弁の中で、「7月6日の0時に避難準備勧告」という言い方をしておりますけども、正確には「避難勧告」でございます。「避難準備・高齢者等避難開始」は、7月5日の18時に出しておりますので、市長の「7月6日の0時」というのは、「避難勧告」というふうに、ご理解をよろしくお願いいたします。

市長
訂正します、失礼いたしました。

記者
これ分かればお伺いしたいのですけども、今朝の新聞で、一部の報道で、「市が今回の件において避難勧告、指示拡大対象を、指示を出す対象を広げることを固めた」という言葉があったのですけども、今のお話を聞いていると、固めているっていうか、検討段階なのですが、実際のところどうなのでしょうか。

市長
先ほど申しましたように、いつ何時、災害が発生するか分かりませんので、そう時間をかけずに。ただ、専門家のご意見も踏まえてですね、今回の災害を教訓として、今後の地域防災にどう役立てるかと、その検討会を立ち上げるということです。その場に向けて、私どもも勉強は続けておりますけれども、それぞれの論点の中で、かなり議論が集約されつつあるものもあります。しかし、先ほど言いましたように、これから専門家を交えてですね、議論を公開の場で行うという段階でありますので、今の段階でですね、私の口からですね、このレッド・イエローゾーンの発令の仕方についてどうだというのを申し上げるのは、少し早いような気がしております。

記者
検討課題ということですけども、一方で、今までの話の中で出てきたのですけども、2人の方が亡くなった土砂災害が起きた時には、イエローということで、避難指示が出ていなくて、実際には、1本隔てたところでは出ていたというところで、その後、実際にイエローのほうが出たのは、およそ5時間か6時間後の午後1時15分なのですけども、この時間の空白についてはどう考えてらっしゃいますか。その避難指示の出し方として、適切だったのかどうかっていうことなのですけども。

市長
門司区のほうから避難指示のお話が出たのは7時50分、ただし、それはレッドゾーンについてであります。その頃に土砂災害は起こっていると推測されているわけですが、8時に災害対策本部に移行いたしまして、早速、災害対策本部会議の第1回目の会合が開かれております。その席上ですね、レッドゾーンではなくイエローゾーンで、このような事案が発生したということを受け止めまして、担当者のほうからいろんな経緯の説明がありましたけれども、災害本部長っていうのは市長でございます。市長の考えとして、イエローゾーンについても直ちに発令すべきではないのかと、このように発言をいたしました。それを受けて、ゴーになったものと考えます。

記者
では、とりあえずはレッドでかけたけれども、イエローにはかけなかったっていうところについては、適切か適切でなかったかっていう判断は今からなのでしょうか。

市長
それは、この門司区奥田だけではなくですね、全市的に今回、避難勧告・避難指示というのは、小倉南区のほうはぜひ、前々から台風での雨も降っていたこともあるので、イエローを一緒にということにしたのですね。それは例外といたしまして、レッドゾーンについて、ぜひともそれを行うというふうに、そのように運用してきたわけですね、危機管理としては。それが今回、イエローゾーンでこういう事案が発生したということで、それを受けてですね、そもそも、そのレッドゾーン・イエローゾーンという、そういうものに着目をして、われわれも警戒避難情報を発令してきたわけでありますけれども、それを見直す必要があると、そのように考えるに至っているということです。

記者
ちょっとくどいのですけども、市の地域防災計画の中では、避難指示を出す基準の1つとして、土砂災害警戒情報が発表されて、かつ、土砂災害に関するメッシュ情報で、実況で土砂災害警戒情報の基準に到達した場合というのがあるのですけれども、そうした中で、当時4時55分には、土砂災害警戒情報が気象台から出ていて、なおかつ、気象庁が公表している土砂災害の発生の危度を示す「土砂災害警戒判定メッシュ」でも、4時以降ですね、赤になって、午前6時、7時のところには、もう本当に濃い紫の、「極めて危険」を示す濃い紫になったわけなのですね。そうすると、土砂災害特別警戒区域では、その大体、時間帯に避難指示が出ていたのですけども、門司区全体で、メッシュで濃い紫色が出ているような状態で、土砂災害警戒情報も出ていたっていうことは、門司区全体、もしくはレッドだけではなくて、イエローにでも避難指示や避難勧告は出せたのではないのかなと思うのですけども、その辺はいかがでしょうか。

市長
そのご意見は、重く受け止めたいと思います。今回、2人お亡くなりになられております。その中で、やっぱり「人的な犠牲を絶対出さない」というのが災害対策の原点だと思いますので、その意味では私ども、この事態を深刻に受け止めたいと思いますし、今、そうしたご意見につきましても、重く受け止めさせていただきたいと思います。

記者
くどいのですけども、重く受け止めて、その専門家会議を執り行うのでしょうか。

市長
そうです。

記者
そうすると、やっぱりそこで、やっぱり議論の論点としては、市長もこれまでずっと言われていますけども、やはり今、市長が考えられている論点というのは、やっぱりその避難情報の出し方、伝え方っていうところにあるのでしょうか。指定そのものは、県とかがされていると思うですけれども。

市長
もし、これは仮定の話でありますが、災害はいつ何時起こるか分かりません。この検討会で結論が出る前に、同じような事例になった場合にどうするか。躊躇なく、私は市長として、レッドゾーン・イエローゾーンに対して、避難勧告・指示を出します。

記者
今「レッドゾーン・イエローゾーンに対して、避難勧告・指示を出します」っていうことですけども。

市長
それは、メッシュの情報だとか、そういうのを、もちろん判断してであります。

記者
今までのあれだと、何かレッドとかイエローとかではなくて、状況を見たら出すような意味合いなのかなと思ったのですけど、それでもやっぱり、レッド・イエローから躊躇なく出していくっていうことになってくるのですか。

市長
先ほど申しましたように、実際の今回の大雨による災害で、土砂崩れはどのように起こったかというのを見ると、レッドでもイエローでもないところが一番多いのですね、実は。大中小はありましたが。やっぱり、被害の大きさとか危険度を考えると、レッドゾーン・イエローゾーンですが、同じように発生しているという現実はあります。それを踏まえるならばですね、これまでの運用の仕方、小倉南区のようにですね、そのように対応したところはあるにせよですね、やはりレッドゾーンにのみ着目したようなこの警戒情報、避難情報の発令の仕方というのは、課題があると言わざるを得ません。

記者
ありがとうございます。

担当者
補足でございますけども、時間を正確に申し上げますと、8時ではなくて、7時50分に災害対策本部を立ち上げてございます。

記者
ちょっと私から、聞き方を変えて1点だけ。この「レッドにかける」ということを規定しているのは、平成26年6月13日の藤原副市長名で出されたこの通知文だと思うのですけども、その通知文が出された2ヶ月後に広島の土砂災害があって、イエローゾーンで多大な犠牲が出たということをもってしても、この通知が生きていて、かつ、その1年後の27年の8月に、広島の土砂災害を教訓に国交省がガイドラインを見直して、その中にイエローゾーンも含めた形で、あの避難範囲、あの避難発令の、その範囲を絞りなさいというような考え方を示してあって、そこも取り込めずに今の事態を招いてしまったという点について、市長としてはどうお考えでしょうか。

市長
政府内部でもこの点の議論があって、議論の過程においてもですね、学識経験者もこれをズバッと言うように、いろんな幅のある議論だったわけですが、それが着地をして、政府として発信をされた通知なり、ガイドラインについては、市役所としても基本的に重く受け止めて、その方向で対処してきたと思っております。ただ、その解釈についていろんな意見があり得るのかもしれませんけれども。

担当者
今お尋ねになりました件につきましては、国の中では「土砂災害危険区域」と挙がっておりますけども、その前にできるだけですね、絞り込んでかけなさいというのも挙がっています。私どもは、それでできるだけ、もうちょっと絞り込んで、赤に絞り込んで、「特別警戒区域」に絞り込んで、かけて運用してきたわけでございます。それの良し悪しにつきましては、いろいろ解釈があると思いますけども、今回、市長が言いましたように、イエローゾーンでそういう災害が起きたということで、その辺の運用についてもやっぱり見直すべきかなと考えております。

担当者
先週も説明しましたが、今回、奥田の被災家屋は土石流のおそれがあるイエローゾーンのところでした。今回は、当時は想定外の崖崩れが発生したということを申しておきます。

記者
今回、行政の発信情報の出し方というのもあるかと思います。端的にで結構ですので、「自助・公助・共助」っていうフレーズもあるように、市民の方に今後、例えば直近で被害が起きた場合に、その仕組みの見直しが間に合わない場合もあると思いますので、どういったことを、気を付けてほしいかっていうことを、呼びかけがありましたら、一言お願いしたいのですけれども。

市長
土砂災害は、いわゆるレッドゾーン、イエローゾーンであるなしにかかわらず、起こり得るということです。一定の雨量を超えた場合に、土砂崩れというのは、どこにでも身近なところで起こり得る可能性がある。自然というのは、それだけ怖いものだということを、ぜひみんなで共有していただきたいと思っています。一番いいのは、逃げることです。早く逃げることだと思います。私どもも、先ほどその発令の仕方をどの時点で、どのように見直すのかというご意見が出ていたわけですが、どこに、避難者に滞在してもらおうかと。ものすごい数になります、レッドもイエローもとなった場合。そうなるとですね、今の体制でもって、それだけ膨大な数の方が対象になる避難所を活用するわけですから、それに見合うだけの準備をしておく必要があります。これもですね、市の職員だけで、全部対応できない可能性もあります。場合によっては、地域のボランティアの方と日頃からですね、そういう避難所の運営についても何かご協力いただける余地があるか、そういうことも含めて、ただ単に発令をしているだけじゃなしに、その避難される方々をちゃんと安全に迎え入れるという、場の確保ということが大きい論点だと同時に思っております、とにかく逃げてほしいということです。学校もですね、地域にその被害があった時には、いつでも開放すると、そういう学校長さんばかりだと思います。受け入れてもらえると思います、体育館のみならず、いろんなところでですね。だからその辺も、合意をしっかり得ておく必要があると思っています。

記者
では各社、よろしいでしょうか。ありがとうございました。

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