REPORTレポート

レポート

小倉城薪能2021

2021年10月2日(土曜日)、小倉城天守閣前広場にて「小倉城薪能」を開催しました。
緊急事態宣言明けすぐの開催となったため、事前申し込み制とし、さらには座席の間隔を十分に確保するなど、国や福岡県のイベント開催基準に則っての開催となりました。

第一部は『能楽のステージ』として、子どもや留学生、市民有志らが連吟や狂言、仕舞を演じました。

子どもたちによる連吟・狂言
留学生による仕舞

第二部は、ベトナムからの留学生による民族舞踊 「QUE TOI」 で幕開けました。
「私の故郷」という意味のこの曲は、祖国ベトナムへの愛を歌ったものだそうです。懐かしい故郷を想いながら踊っていただきました。

ベトナム民族舞踊

その後、観世流シテ方準職分 能楽師の鷹尾維教(たかおゆきのり)先生に、能の歴史や演目の紹介をわかりやすく、面白く解説していだきました。

鷹尾維教先生による能の解説

引き続き、かがり火への「火入れ式」が行われました。
薪能における「火入れ式」は、単なる演出ではなく、とても重要な儀式なのだそうです。

火入れ奉行(北橋市長・田中北九州市文化連盟会長)による火入れ

日が暮れだしたころ、狂言 酢薑(すはじかみ)の上演がはじまりました。
薑売りと酢売りが、お互いに自らの売り物の自慢と由来を披露しあう秀句とほのぼのとした雰囲気を楽しみました。

狂言 酢薑(すはじかみ)

いよいよ日も落ちて、かがり火の明かりに能舞台が照らされ、幻想的な雰囲気に包まれたころ、能 土蜘の上演が始まりました。

土蜘は、源頼光(みなもとのらいこう)の病の原因となった土蜘蛛の精を退治する話で、 和紙でつくられた蜘蛛の糸を投げる派手な演出がみどころです。

今回は、「感染症を封じ込めたい」という願いを込め、通常の3倍の糸が投げられました。観客の皆さんは、空を舞う無数の糸と銘刀の攻防を楽しみました。

土蜘(つちぐも)
舞台の様子