特集進めよう! 人権文化のまちづくり

7月は福岡県同和問題啓発強調月間です

家族イラスト

進めよう! 人権文化のまちづくり

 「人権の世紀」といわれる21世紀ですが、「今の日本は人権が尊重されている」と考える市民は11.9%。74.8%の市民が「いちがいには言えない」とし、11.3%の市民が「尊重されていない」と考えている―。そんな結果が、昨年9月に北九州市が実施した第8回「人権問題に関する意識調査」(20~79歳の市民4500人対象)で出ました。皆さんはどうお考えでしょうか。

 7月は「福岡県同和問題啓発強調月間」です。同和問題は基本的人権に関わる重要な問題です。市民一人一人が人権を尊重し、この問題について理解を深めることが必要です。

同和問題とは

 日本社会の歴史的発展の過程で形作られた身分的差別により、一部の人々は住む場所や職業、結婚、交際、服装を制限されるなどの差別を受けていました。

 こうした差別は、江戸時代を通じて身分制度が固定されるとともに一層厳しくなりました。

 1871(明治4)年にいわゆる解放令(太政官布告)が出され、制度上の身分差別はなくなりました。しかし、現在でも差別意識が残っているため、特定の地域の出身であることやそこに住んでいることを理由に人権が侵害されるという事象が起こっています。

 こうした日本固有の人権問題が「同和問題」です。

今も残る差別意識

 意識調査では、「同和地区の人を嫌がったり、避けたりするような意識はまだあると思いますか」という質問に対して、差別意識を持つ人が「まだいる」「まだ多い」と思う人は65.6%(前回五年前調査68.0%)にも上っています。

 では、「どういう事柄で人権が尊重されていないと思うか」という質問に対しては、「結婚問題で周囲が反対する」を挙げた人の割合が最も多く(56.7%)、以下「身元調査をする」(26.6%)、「差別的な発言や行動をする」(25.7%)、「就職の際や職場において不利な扱いをする」(24.8%)などとなっています。

結婚に関する差別意識

 自分の子どもの結婚相手が同和地区の人と分かった場合の対応について、「子どもの意志を尊重する」は43.0%、「親としては反対だが、子どもの意志が強ければやむをえない」が26.4%でした。「家族・親せきなどが反対するようなら結婚を認めない」(4.6%)、「絶対に反対する」(5.8%)と考える人もいます。このことから、結婚差別がなくなっていない背景をうかがい知ることができます。

 結婚は人生の大きな節目です。それが差別によって壊されてしまえば、当事者の心は大きく傷つきます。これは重大な人権問題なのです。

自分の子どもの結婚相手が同和地区の人と分かった場合どうするか

第8回調査(2010年)A:43.0%、B:26.4%、C:4.6%%、D:5.8%、E:2.2%、F15.8%、G2.2% 第7回調査(2005年)A:40.5%、B:29.4%、C:5.0%、D:5.4%、E:2.0%、F15.7%、G:1.9%

  • 子どもの意志を尊重する。親が口出しすべきことではない
  • 親としては反対だが、子どもの意志が強ければやむをえない
  • 家族・親せきなどが反対するようなら結婚を認めない
  • 絶対に反対する
  • その他
  • 分からない
  • 無回答

一人一人の幸せをみんなの手で守りたい

 誰もが、幸せに人間らしく生きる権利=人権を持っています。私たちは、人種や性別、出身、職業、年齢などに関係なく、すべての人が人間として尊重される社会を築いていかなければなりません。

 たった一度の人生を人間として尊ばれ、愛情と信頼に満ちた温かい人間関係の中で幸せに暮らしたい。こうしたみんなの願いの実現のために、北九州市民一人一人がお互いの人権を尊重し合えば、日常生活の中に文化として根付いていきます。そんな『人権文化のまちづくり』をぜひ市民みんなの手で進めていきましょう。

同和問題啓発強調月間の催しなど

 人権について考える、さまざまな催しを開催します。

人権啓発映画「夢、空高く」テレビ放映

 7月12日(火)14時5分~14時59分、テレビ西日本(TNC)で。

人権・同和問題啓発映画映写会・講演会

 猿まわし師・村崎太郎さんによる講演会「橋はかかる~被差別部落に生まれ育って~」と、映画「めばえの朝」の上映。7月19日(火)13時30分~16時10分、ムーブ(小倉北区大手町)で。入場無料。

人権に関する募集

(1)人権作文と人権週間の標語・ポスター
  • 人権作文 テーマは「人と人とのつながり」。身近な人権にかかわる思いや、差別を受けてつらかったことや乗り越えた話など。作品は400字詰め原稿用紙3~4枚(1200~1600字)。1人1点。賞は最優秀賞(1点)賞金10万円、優秀賞(4点)賞金7万円など。
  • 標語 賞は入選(10点)3万円分の商品券など。
  • ポスター 大きさはB3判。描画。画材は自由。「人権週間」と「12月4日~10日」の文字を必ず記入。賞は最優秀賞(1点)5万円分の商品券など。(1)共通の内容 対象は15歳以上(中学生は除く)。自作、未発表のもの。作品は返却しません。入選作品の著作権は、北九州市に帰属します。なお、作文、ポスターは、発表するときに補作することがあります。応募は作品の裏(標語は、はがきか募集チラシ)に住所、氏名、年齢、(学生は学校名と学年)、電話番号を書いて8月31日までに問い合わせ先へ。標語の募集チラシは各区役所総務企画課・出張所、各市民センターでも配布中。
(2)ふれあいフェスタの出展団体

 対象は人権や福祉に関する活動を行い、日ごろの活動成果の発表・展示・販売等をする団体や施設など。11月27日(日)10~15時、西日本総合展示場(小倉駅北側)で。募集は50区画(1区画3m×3m)。出展無料。申し込みは8月31日まで。詳細は問い合わせ先へ。

(3)人権の約束事運動「ほっとハート北九州」への参加登録

 対象は北九州市内の企業・施設・学校や個人のグループなど。登録無料。詳細は問い合わせを。

問い合わせは人権推進センター人権文化推進課(〒803―0814 小倉北区大手町11―4、TEL093・562・5010)

人権に関するご相談

 人権に関することでお悩みの方は気軽にご相談ください。人権擁護委員が応じます。相談無料。

  • 人権相談専用電話=TEL093・562・5088
  • 受付時間=月~金曜日(祝・休日、年末年始は除く)の8時30分~17時

【この特集に関する問い合わせ】 人権推進センター人権文化推進課 TEL093・562・5010

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