特集地域づくり

みんなでつくろう 住みよいまち

活動の様子

 今回は、地域の交流や課題解決に積極的に取り組む小倉南区曽根校区まちづくり協議会会長の西田さんに話を聞きました。

西田 勝さん写真

曽根校区まちづくり協議会会長
西田 勝さん

「次々世代」育成で地域交流を活性化

 「昭和の時代には、ごく普通に近所付き合いがありました。しかし、いつの頃からか地域の交流は希薄になりました」と語るのは、曽根校区まちづくり協議会会長の西田勝さん。同校区では昔のように地域のふれあいを活性化するため、まちづくり協議会の構成メンバーである13の自治会が中心となって、さまざまな取り組みを行っている。活動のテーマは「心と身体の健康校区~ふれあいの和と輪でつくる曽根のまち」。

 その中でも、力を入れているのが「次々世代」の育成による交流。会長たちの世代から見て孫にあたる世代を同校区では次々世代と呼び、地域ぐるみで育成する。5年前から始めた「曽根っ子クラブ」は、貫山登山や貫川下りなど、主に地域の自然に親しむイベントなどを年14回行い、ふれあいの場としている。「このクラブには、校区内の小・中学生の多くが登録し親睦を深めています。また、60人近くの大人もサポーターとしてクラブの活動を支えてくれています。川下りのいかだを大人と子どもが一緒に作るなど、世代を超えた交流ができています」と会長は語る。さらに、子どもが地域の交流に参加することで、その親の世代も行事に参加し、三世代での交流ができるようになったという。「世代間の交流が深まり、子どもたちは大人からいろいろ学んでいます。体育館に入る時には、今ではきちんと靴を揃えて入館します」。曽根っ子クラブの活動は文部科学省から表彰も受けた。

 10月15・16日には「ふれあいまつり」が行われ、出店の店主を大人と一緒に子どもたちが務めた。また、売上金の一部は東日本大震災義援金として被災地へ。「子どもたちにはたくさん学んでほしい。そして地域の大切さを感じ、大人になってもこの曽根校区で活動をしてもらえればと思います。これからもあたたかい目で子どもたちの成長を地域で見守りながら、三世代での交流を深めていきます」。

よりよいまちにするために

 同校区では地域の安全・安心にも力を入れる。毎年3月には、300人もの住民が参加する防災訓練を行っているが、やはり主役は中学生。避難誘導やけが人の搬送などを主体となって行う。「昼の時間帯は親の世代は仕事で地域にいない。いるのは高齢者と子どもだけ。地域の安全を守るには子どもたちの力が必要。地域の一員であること、地域の大切さを活動を通じて感じてほしい」と西田会長。

 その傍ら、災害時の避難経路や情報伝達経路の整備も行い安全・安心の確保を図る。しかし、「町内の境界確定や情報伝達経路確保のための地図を作成していたら、自治会加入世帯の減少を改めて実感した」という。「平成に入り加入世帯の減少が目立ってきました。そのため、チラシの配布や呼びかけで加入促進をしています。安全・安心はもちろん、住みよいまちづくりに自治会は欠かせません」と会長は語る。

交流の輪を拡大していきたい

 今年8月には、貫川が流れる曽根校区、貫校区、曽根東校区で「曽根干潟まちづくり会議」を発足し、川の清掃活動も行った。西田会長は「現在は校区を単位とした活動が中心ですが、この活動を契機として、将来的には曽根地区全体を、明るい、ふれあいのある地域にしていきたい」と目を輝かせる。


 少子高齢化や核家族化の進行、地域の連帯意識の低下など社会環境が変化する中で、地域を取り巻く課題は複雑、多様化しています。これらの課題解決には地域住民同士が支えあい、主体となって取り組んでいくことが大切です。よりよい地域となるために、皆さんも地域の活動に参加してみませんか。

曽根校区の特徴

◆地区の概要
小倉南区にある曽根校区は、貫山や足立山に囲まれた曽根平野のほぼ中心に位置する自然豊かな地域。
◆人口
約12000人
◆世帯数
約4700世帯
◆地域の現状
新興住宅地が開発された当時は、若い世代も多く活気にあふれていたが、現在は少子高齢化が進んでいる。
◆地域の活動
自治会が中心となって構成するまちづくり協議会が地域活動を支える。

【この特集に関する問い合わせ】 市民文化スポーツ局地域振興課 TEL093・582・2111

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