特集地域づくり

自分たちの手でつくる 魅力と活気あるまち

地域づくり写真

 今回は、住民が主体となって地域づくりに取り組んでいる、若松区の第33区自治会会長・坂田信子さんに話を聞きました。

坂田信子さん写真
第33区自治会
会長 坂田信子さん

自治会加入率は100%

 「この地域を少しでも良くしていこうと、これまでみんなと力を合わせて頑張ってきました」と話すのは、若松区の第33区自治会会長・坂田信子さん。彼女はこの自治会で、実に18年間も会長を務めている。

 現在、県営高須団地の29棟には約650世帯が入居し、その全世帯が自治会に加入している。本市でも自治会の加入率低下が問題となっているが、この地域では発足当初から加入率は100%。住民の入れ替わりは多いが、入居と同時に行う組長の積極的な声かけが加入率100%を支えている。「昔から若い世代も含め、みんな自治会の活動に協力的」という住民の意識の高さも加入率維持の大きな要因だ。

交流の機会を積極的に作る

 加入を促進するだけでなく、もちろん自治会活動も積極的に行っている。

 毎月第3日曜日に行われる清掃活動もその一つ。ほとんどの世帯が参加し、子どもから高齢者までが交流できる場になっている。「雨が降っても中止にはせず、翌週に延期します。月1回、みんなが顔を合わせる機会を大事にしたいですから」と坂田さんは語る。

 また、毎年恒例のイベントとして、12月に「餅つき大会」を開催している。毎年、約500人分の餅や豚汁の振る舞いを用意するが、参加者が多く、足りなくなるという。各世帯に参加引換券を配り、参加賞との引き換えやくじ引き大会等を行うなどして、全世代が楽しめるイベントとなるよう工夫を凝らす。

 数年前までは毎年、ウオークラリーや花火大会も開催していた。中でも花火大会は全世帯に花火を配布したり、業者による打ち上げ花火を行ったりしていたが、規制が厳しくなり中止を余儀なくされた。それでも、「来年はぜひ打ち上げ花火を復活させたいと思っています。皆さん楽しみにしていましたから」と坂田さんは計画している。

ゴミステーション写真
▲自治会で各棟に設置したゴミステーション

これからも暮らしやすい地域でありたい

 「会長になったばかりのころ、他の地区の人から、この地域のことをあまり良く言われないことがありました。だから、絶対に一番良い地域にしようと思い、みんなで頑張ってきました。今では私はこの地域に誇りを持っています」と坂田さんはこれまでの地域づくりを振り返る。

 地域の課題解決や要望を実現するのも自治会の役割。これまでに、住宅建設時にはなかった駐車場を各戸に1台ずつとなるように整備したり、カラスの被害にあわないようなゴミステーションを各棟に設置したり、駐輪場に防犯灯を設置したりと、少しでも暮らしやすくなるように地道に取り組んできた。

 また、坂田さんは保護司としても活動しており、地域で更生中の少年たちにも行事の手伝いを頼んでいる。「少年たちに仕事を任せると、すごくやりがいを持ってやってくれるんですよ」と、地域で温かく迎え入れ、社会とのつながりの大切さを教えている。

 これまで積み上げてきた暮らしやすい地域づくりの実績と、みんなで協力して行う自治会の活動を維持していくことが坂田さん、そしてみんなの目標だという。「毎日楽しく活動させてもらっています。この地域には協力してくれる人がたくさんいるから、これからも大丈夫です」と坂田さんは地域の明るい未来に確信を抱く。

 都市化の進展、価値観やライフスタイルの多様化などに伴い、地域内での人と人との結びつきは薄れつつあるのが現状です。しかし、防犯、防災、環境、教育、福祉など多くの分野で地域の力が重要となっています。これらの課題解決には、「自分たちのまちは自分たちの手で」という、住民同士が支えあい、主体となって取り組むことが必要です。住みよいまちづくりのため、皆さんも地域の活動に参加しましょう。

第33区自治会(若松区)について

◆地区の概要

 若松区の西部に位置する高須地区は、遠賀川が近くに流れるベッドタウン。第33区自治会は、昭和50年ごろに建設された県営住宅29棟で構成されている自治会。

◆人口 約1700人

◆世帯数 約650世帯

◆地域の現状

 県営住宅という特性上、住民の入れ替わりが多い一方、建設当初からの住民も多い。他地区に比べ子どもの割合が高い。

◆地域の活動

 自治会が中心となり、定期的に清掃活動やイベントなどを積極的に行う。

【この特集に関する問い合わせ】 市民文化スポーツ局地域振興課 TEL093・582・2111

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