REPORTレポート

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中国・敦煌市からレポートが届きました②

美しき敦煌 並ならぬ敦煌の旅

 精巧な莫高窟の壁画、砂と泉が寄り添いあう鳴山月泉、歴史の変遷を見ることができる陽関と玉門関、神の仕業としか言いようのない雅丹(ヤルダン)地形など、敦煌の魅力は時空を超え古今を繋ぎ、人々を惹きつけてやみません。

 今や、深厚博大な敦煌文化を探求し、王維の詩 に 「大漠孤煙直く、長河落日圓かなり (広い砂漠には、一筋の煙が真直ぐに、長い河には落日が丸く) 」と謳われるその雄大さを体験するために、無数の愛好者、研究者、巡礼者が後を絶つことなく敦煌を訪れています。

 敦煌市には数多くの観光地が点在し、シルクロード敦煌の美を余すところなく、まんべんなく表現しています。
 中国政府によりA級の評価を受けた観光地は12箇所あり、うち5A級1箇所(鳴沙山月牙泉)、4A級2箇所(陽関と雅丹国家地質公園)、3A級が8箇所あります。
 「敦は大なり、煌は盛なり。」と言われるように、国境を守るために建造され、貿易のために栄えたシルクロードの重鎮敦煌は、世界四大文明が交わる唯一の地であり、千百年来、燦然とした真珠のように、歴史の大河で輝きを放ち続けてきました。

莫高窟:しじまの美

 莫高窟は世界最大規模と最も豊富な内容を誇る、仏教芸術の聖地でです。
 国内外からの巡礼者は敬虔な心で、中国西部にある砂漠美術館・莫高窟を訪れ、満壁風動と絶賛される敦煌の壁画、精巧で美しさを極める彩色塑像、類稀な佇まいを見せる古建築の芸術を心静かに鑑賞します。

鳴沙山月牙泉:神秘めいた砂漠の美

 敦煌に来たならば、敦煌城から5キロ離れる有名な観光地、鳴沙山月牙泉は必見です。
 月牙泉は鳴沙山に包まれるように囲まれており、その「山と泉が隣り合い、砂と水が共に生きる」奇妙な景観は広く世に知られ、「塞外の絶景」と言われています。
 鳴沙山と月牙泉に莫高窟の芸術景観を加えて、敦煌の城南部で呼応しあう「二大絶景」は、中国ないし世界中の人々を引き付ける観光地となっています。

陽関・玉門関:素朴で世の転変語る美

 古代の関所だった陽関は荒涼とした砂漠の中に立っています。考古学者によると、陽関は「一夫関にあたるや万夫も開くなし」の険要な地を占拠していた。陽関は、流れる砂に埋もれた古城であり、歴代文人に謳われ続けて来た古城です。

 南に構える陽関と北に構える玉門関。その名は古今東西問わず広く知られ、親しまれています。
 両関を出れば果て無く広がるゴビ砂漠で、両方とも「シルクロード」の重要な関所でした。シルクロードの敦煌区間の軍事的要所と道中の宿場であり、西域へ通じアジアとヨーロッパを繋ぐ重要な玄関で、敦煌を出れば必ずどちらかを通らなければなりませんでした。

敦煌雅丹:ゴビ砂漠の雄大な美

 敦煌の秘境探索には、雅丹魔鬼城が最適でしょう。
 敦煌城から180キロ離れるゴビ砂漠に、敦煌雅丹地形という神秘に包まれた地があります。大岩が整然と並び、奇抜な形状を見せ、類稀な天然の彫刻の博物館と言えるでしょう。
 大自然によって作られた奇異な景観の数々は、神技としか言いようがなく、妙を極めた天然の傑作であり、人々に思いを巡らせ、帰りさえを忘れさせてしまいます。

敦煌古城:西域風情溢れる古鎮の美

 敦煌映画城とも呼ばれる敦煌古城は、敦煌市と陽関を結ぶ道路の南側に広がるゴビ砂漠にあり、市中心部から25キロ離れています。
 中国と日本の共同制作による歴史物語の映画「敦煌」を撮るために、宋代の「清明上河図」をモチーフに、沙洲古城を模倣して1987年に作られたセットで、城内には西域のエキゾチックな建築が立ち並んでいます。
 東、西、南と三つの門を設け、城楼が高々とそびえ立っており、通りの両脇には寺、質屋、倉庫、酒場、住宅などが並び、西域のエキゾチックな美を満喫することができます。

白馬塔:敦煌の伝説の美

 敦煌古城の南部に位置する白馬塔は、紀元386年、北涼の高僧・鳩摩羅什(クマラジュウ)が仏教を東へ広げる道中、敦煌に着いた時に白馬を亡くしその供養塔として建てたと言われています。
 白馬塔は非常に長い歴史を有し、風雨と世の転変に耐えながら、今でも往時の風貌を彷彿とする、雄大壮美かつ意気軒昂とした風格を漂わせています。白馬塔はそれを囲む鬱蒼とした木々、青いレンガの小屋、そよ風に響く鈴の音と共に、また一つ敦煌の美景を構成しています。

雷音寺:敦煌の仏の音の美

 敦煌の雷音寺は敦煌市の南4キロの鳴沙山麓にあります。
 ここは、長安から西域に通じる道中、唯一「雷音寺」と名付けられた寺院で、古来東西の交通ハブとして機能し、東西の文化が合流し更に広く伝播していく拠点でした。
 晋代から宋代に渡って、西域の旅の僧侶の滞在地であり、中原の高僧が陸路を経て、西へ仏法を求めるための通過地点でもありました。玄奘法師に代表される高僧たちはここに永代不滅の跡を残しました。吉祥と安寧の地として、唐代から「善の国の神宿る郷、仏の国の聖なる地」の美称を持っています。

党河風物線:塞上江南の美

 敦煌の党河風物線水利風景区は、都市としての中身を充実・改善し、都市のセンスを向上し、活性化しました。
 湿地生態系、貯水と造景、レジャーや娯楽、水中の散歩、ボートや釣りなどの機能を持つエリアを設け、調和の取れた、自然あふれる、美しい空間を演出しています。明かりが灯り始めると、地元の人々や観光客はここ党河風物線で、景色を鑑賞したり、散策したりして楽しみます。
 党河の真ん中から吹き出るカラフルに染まる噴水や、ボートなど水上のアトラクションを楽しんだり、景色を眺める人たちで賑わい、まるで「江南地域」のような美しい絵巻が描き出されます。