平成27年度 決算のポイント
市債(市の借金)残高
三セク債発行により市債残高は増加
臨時財政対策債*を除く、公共事業などのための市債残高は近年減少傾向にありますが、平成27年度は三セク債*の発行により増加しています。また、地方交付税*の振り替えである臨時財政対策債の増加により全体の市債残高も増加しています。
*臨時財政対策債 地方交付税の財源不足対策として、本来地方交付税で交付されるものの一部を、市債として借り入れることが認められているものです。このため、その返済については、後年度、その全額が地方交付税で措置されます。
*三セク債 地方公共団体が公営企業等の抜本的な改革を集中的に行うことができるよう、その法的整理等に伴う経費などに対して発行できる特別な地方債です。
*地方交付税 全国の地方公共団体が一定の標準的な行政サービスを提供できるように、国がその財源を保障し、国税の一定割合を地方公共団体に配分するものです。
財源調整用基金(市の貯金)残高
市の貯金は前年度末より増加
平成27年度決算では、3年連続で「財源調整用基金」*の取り崩しがゼロとなり、平成26年度末に287億円だった基金残高は、35億円増加し、322億円となりました。
この理由は、(1)地方消費税交付金等の県税交付金の決算額が当初予算の見込みを上回ったこと、(2)歳出面で不用が生じたことなどによるものです。
今後も、「北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を着実に推進することで、歳入増につなげていくとともに、より一層事業の「選択と集中」を図りながら、持続可能で安定的な財政運営を行っていきます。
*財源調整用基金 収支不足や緊急の支出に備えて積み立てている「市の貯金」です。
財政の健全性指標
指標 | 内容 | 早期健全化 基準 | 財政再生 基準 | 北九州市の比率 | ||
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健全化判断比率 | (1)実質赤字比率 | 標準財政規模* に対する一般会計等* の赤字の割合です。 | 11.25% | 20.00% | 本市は実質 黒字のため 比率なし |
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(2)連結実質赤字比率 | 標準財政規模に対する全会計の赤字の割合です。 | 16.25% | 30.00% | |||
(3)実質公債費比率 | 標準財政規模に対する1年間で支払った借入金返済額などの割合です。 | 25.0% | 35.0% | 12.6% (11.8%) |
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(4)将来負担比率 | 標準財政規模に対する将来市が支払う借入金返済額などの割合です。 | 400.0% | - | 188.3% (174.3%) |
下段( )は、平成26年度決算
*標準財政規模 地方公共団体が標準的に収入しうる市税や普通交付税などの一般財源(使途を定められていない財源)の大きさを示すものです。
*一般会計等 一般会計に母子父子寡婦福祉資金特別会計、住宅新築資金等貸付特別会計など7会計を加えたものです。
◎早期健全化基準を超えた場合は…
早期健全化基準を超えた地方公共団体は、自ら財政健全化の計画を作って公表し、議会や住民のチェックを受けながら財政を建て直すことを義務付けられます。これはいわば「警告」の段階、サッカーの試合に例えるなら、イエローカードを出された状態といえます。
◎財政再生基準を超えた場合は…
財政再生基準を超えた地方公共団体は、もはや自力で財政を建て直すことはできない「財政破たん」の状態と判断され、国の指導監督の下で財政の建て直しを行うこととなります。サッカーの試合に例えるなら、レッドカードを出された状態といえます。
健全化判断比率から見る財政状況
本市をはじめ各地方公共団体は、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づき、「健全化判断比率」という財政の健全性に関する指標を公表しています。
「健全化判断比率」とは、地方公共団体の財政状況を客観的に表し、財政の早期健全化や再生の必要性を判断するためのもので、4つの指標で構成され、それぞれ一定の基準を超えた場合、その程度に応じて、財政健全化の対策が義務付けられます。
平成27年度決算に基づく本市の「健全化判断比率」は、いずれも国が定めた早期健全化基準を下回っています。
平成27年度に取り組んだ主な事業
●子ども・子育て支援新制度関連事業…239億6071万円
保育所等の入所定員拡大に着手するとともに、職員配置や職員給与の改善などに取り組み、子育て支援の量的拡充や質の改善を図りました。
事業例:予備保育士雇用費補助…待機児童対策の一環として、民間保育所が年度当初に配置基準を超えて保育士を雇用した場合に人件費を助成しました。
●学力向上に向けた取り組み…7億2199万円
放課後などを活用して学習機会を提供する「子どもひまわり学習塾」の対象校を拡充したほか、本市独自の学力調査である「北九州市学力状況調査」を実施しました。また、習熟度別指導や専科指導等を行う市費講師を拡充して配置するなど学力向上に向けた取り組みの充実を図りました。
●北九州空港将来ビジョン推進関連事業…4億3158万円
国際定期便の新規就航を目指し、200便を超える国際チャーター便の運航を実現するとともに、昨年3月に就航した名古屋小牧線の利用促進に積極的に取り組みました。また、航空貨物の集貨促進や貨物便の誘致活動を行いました。さらに、空港エアポートバスにおいては、始発・最終航空便に対応したバスの運行など小倉線の増便を行い、空港機能の充実を図りました。
●TGC北九州2015開催事業…3500万円
昨年10月に「東京ガールズコレクション」の地方創生プロジェクト第1弾として、本市で開催されました。延べ約1万1800人が来場し、テレビや新聞でも多く取り上げられるなど、経済波及効果は広告宣伝効果を含め14億円を超えました。
●「ウーマンワークカフェ北九州」の開設準備…695万円
国・県・市の3者が1カ所に集まり、女性の就業相談やキャリアアップ、創業、子育てとの両立などについて、ワンストップで総合的な支援を行う「ウーマンワークカフェ北九州」の開設に向けた準備を進めました。
●日本トップクラスの安全・安心なまちづくり関連事業…1344万円
安全・安心を実感できるまちづくりに向けて、「北九州市安全・安心条例行動計画」を策定しました。また、防犯活動参加者の拡大を図るため、事業者の自主防犯活動例を紹介したリーフレットの作成や安全・安心まちづくり市民大会を開催しました。さらには、刑法犯認知件数の減少を図るため、特に件数の多い自転車盗難防止の啓発活動を行いました。
【この特集に関するお問い合わせ】 財政局財政課 TEL093・582・2002