人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2020年11月6日(金)放送

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またおじいちゃんにあいたい
今日は、北九州市立文学館が令和元年度に募集した第十回「あなたにあいたくて生まれてきた詩」コンクールの受賞作品の中から、北九州市小倉北区の 小学一年生、宮本蘭眺さんの『またおじいちゃんにあいたい』という詩を紹介します。本人の朗読でお聴きください。

『またおじいちゃんにあいたい』
北九州市立富野小学校一年 宮本 蘭眺 

6さいだったから
ICUにはいれなかった

まいにちびょういんにいってたのに
はいれなかった
だからさみしかった

おばあちゃんのおへやがひろくみえた
おじいちゃんがいないからひろくみえた

おじいちゃんはどこにいったのかしりたい
てんごくのばしょはどこだかわからない

だけど、おじいちゃんはゆうれいになって
いつもわたしのことをみています

またいっぱいおしゃべりしようね
またいっぱいあそぼうね
おじいちゃんのかおがみたいです
だからてんごくのばしょおしえてほしいです

いかがでしたか。
やさしかったおじいちゃんが大好きだったという蘭眺さん。おじいちゃんはずっと元気だったのに、ある日、急に体調が悪くなって、そのままICUに入院したそうです。
入院していたのは一週間。その間、蘭眺さんは 家族と一緒に、毎日お見舞いに行きました。でも、両親やお姉さん、親戚はみんなICUに入れたのに、蘭眺さんだけ小さかったために入ることができませんでした。
自分だけおじいちゃんに会えず、何が起こっているのかわからないまま、次に蘭眺さんがおじいちゃんに会えたのは、お葬式のとき。ご両親は、入院しているおじいちゃんに会えない蘭眺さんの寂しさを、この詩を読んで初めて知り、胸があつくなったと話してくれました。

おじいちゃんは家族みんなを大切に思っていたし、家族にとってもおじいちゃんはかけがえのない存在だったということがよく伝わってきます。
「おばあちゃんのおへやがひろくみえた」という一文に、家族の中でのおじいちゃんの存在感の大きさを感じますね。

「大好きだよ」
また、おじいちゃんに会えるなら、蘭眺さんはそう伝えたいそうです。
では、また。