人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2020年11月12日(木)放送

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困難を抱える女性のために
配偶者やパートナーからの暴力被害、貧困、孤立など、さまざまな困難を抱える女性がいます。北九州市にあるNPO法人「FOSC」は、そんな女性や子どものための支援センターです。

代表の野口真理子さんは、設立から二年後の一九九七年、北九州市の相談員からアドバイスを受け、女性専用の相談窓口を開設しました。
「どこへ相談していいか分からない女性が、最初のきっかけとして民間団体へ相談に行き、そこから公的機関に行くという道筋ができれば、公的機関と民間団体が連携して支援していける。」
との思いで始めたそうです。

野口さんが初めて受けた相談は、夫の暴力から逃げたいという女性からの電話でした。一刻の猶予も許されない状況だったため、 北九州市の協力を得て、電話からわずか二十四時間後には女性を他県に避難させることができました。幸い、その女性は資格を持っていたため、すぐに仕事が見つかり、その後離婚もして、今では幸せに暮らしているそうです。
野口さんは、この女性のケースから、自立のための資格取得も支援するようになりました。

「FOSC」は現在、相談や自立のための生活の支援などに加えて、暴力被害者などの困難を抱える女性のための宿泊施設の運営、女性の問題に関する啓発・研究事業を行っています。FOSCが運営する宿泊施設に身を置きながら、自立した生活を送るために、資格取得を目指して勉強している女性も少なくありません。

野口さんは言います。
「私たちが支援する女性の中には、『FOSC』の電話番号を財布の片隅にずっと入れていて、五年後くらいに初めて電話してきたという方もいました。何かあったときに相談できる場所があるというだけでも、心強いようです。」

最後に、今、困難を抱えている女性へ、野口さんからのメッセージです。
「あなたは一人ではありません。 私たち相談員が一緒に考え、公的機関とも連携して支援していきます。あなたを心配している人がここにいるということを忘れないでください。」

「FOSC」の相談窓口については、「NPO法人FOSC・エフオーエスシー」で検索してみてください。
では、また。