人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2013年10月23日(水)放送

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HIV感染者と共に生きる
北九州市人権推進センターがお送りする「明日への伝言板」です。

 

 今日は、HIV(エイチアイヴィ)感染症のお話です。

 HIVは、体の免疫機能を低下させ、「エイズ」を発症させる原因となるウイルスです。

感染経路は性行為による感染、血液感染、母子感染の3つに限られています。

HIVは感染力が弱く、トイレの共有やせき、くしゃみ、握手などの

日常的な接触でうつることはありません。

 ボランティア団体「人権と共生を考えるエイズ・ワーカーズ・福岡」は、

HIVやエイズに関する電話相談を中心に、

感染者への支援活動を二十年以上も続けています。

2012年度には、10代から70代までの方からおよそ700件の電話相談が寄せられました。

そのほとんどが「HIVにかかったかもしれない」という不安を持ち、

そのことを周りの人には相談できない人でした。

 代表の北村紀代子(きたむらきよこ)さんはこう話します。

「HIV感染者の多くは、周りの誰にも病気のことを話したり相談したりできず、

孤独感が大きいのです。

加えて、感染が周囲に知れたら疎外されるのではないか、

という不安を常に抱えて生活しています」と。

 この20年間、間違った認識や偏見はほとんど変わらず、

感染者が職を失うことになったり、

医療機関での診療を拒否されたりする事態はまだまだ改善されていないと言います。

「みんながHIVの正しい知識と理解を持ち、HIVを恐れることなく、

感染者と共に生きていくことが大切だと思います。

もし誰かから感染者であると打ち明けられたら

『話してくれてありがとう。私に何かできることがある?』と、

優しく寄り添ってほしい」と北村さんは呼び掛けています。

 HIVは感染力が弱く、感染しても適切な治療で日常生活を送れ、

今や死の病(やまい)ではありません。

2012年に福岡県内で新たに報告されたHIV感染者とエイズ患者は計60人に上り、

過去最多となりました。

感染者が初めて確認された1987年以降の感染者と患者の累計は500人を超えています。

 もしかしたら、あなたの周りにもHIVやエイズと一人ぼっちで

闘っている人がいるかもしれません。

みんなが正しい知識を持ち、予防に努めるとともに

感染者をやさしくサポートしていきたいものですよね。

 では、また。