人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2013年10月28日(月)放送

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断る勇気
北九州市人権推進センターがお送りする「明日への伝言板」です。

今日は、北九州市教育委員会が平成24年度に募集した人権作品の中から、

北九州市戸畑区(とばたく)の小学四年生の作文を紹介します。

題は『ことわる勇気は友だちを大切にするよ』です。

一年生のころからAちゃんが苦手でした。

Aちゃんに「ビーズ、ちょうだい」と言われて、

つい「三つならいいよ」と、渡していました。

四年生になったら、「色ペン持っているなら持ってきて」と、

言われるようになりました。

私はとうとう我慢できなくなって、母に相談しました。

母が先生に相談してくれて、ゆっくりいろんなことを思い返す時間を作りました。

すると、気が付いたのです。

「ビーズちょうだい」と言われる前に、

「ビーズ持っているよ。見る?」と私は言っていたし、

「いる?」とも聞いていたのです。

先生から、「Aちゃんは、ペンを持って行きたくないというあなたの気持ちを知っているかな?」

と聞かれたとき、ドキッとしました。

私は、ペンを持ってきて、と言われたとき、

本当は持って行きたくないのに、「うん、いいよ」と、笑って答えたからです。

これではAちゃんに伝わってないだろうなと気が付きました。

 それから、嫌なときは嫌だと伝える練習をしました。

今までは仲良くしたいから、嫌だと言えませんでしたが、

言わないとAちゃんに悪いと思ったからです。

思い切ってAちゃんに、「本当は嫌だったんだよ」と伝えると、

Aちゃんはびっくりして「ごめんね、そんな気持ちを知らないで」と、

目に涙をためて謝ってくれました。

そのとき、Aちゃんに伝えて良かったなと思いました。

今まで伝えられなくて、苦手と決め付けていたので悪かったなと思いました。

私もAちゃんに「ごめんね」と伝えると、にこっと笑っていました。

 物のやりとりをしなくても友達はできます。

嫌なことは「嫌」と断る勇気は、友達と自分を大切にすることになるなぁと思いました。

 いかがでしたか。

大切なのは、物のやりとりではなく、お互いの気持ちを通じ合わせること、

自分の思いをしっかり伝えること。

私たち大人も心掛けたいですね。

それでは、また。