人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2013年10月31日(木)放送

テーマ / 生命/聴覚障害 ジャンル検索

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ぼくの耳、みんなの命
北九州市人権推進センターがお送りする「明日への伝言板」です。

今日は、北九州市教育委員会が平成24年度に募集した人権作品の中から、

北九州市八幡東区(やはたひがしく)の小学六年生、藤田悠(ふじたゆう)くんの詩を紹介します。

題は『ぼくの耳、みんなの命』です。

『ぼくの耳、みんなの命』

北九州市立花尾(はなお)小学校六年 藤田 悠

ぼくは補聴器を使っている。

テレビを見ていても

何と言ってるか分からない時がある。

でも、この耳を悪く言われたり、

からかったりされたことはない。

それはみんなが

ぼくを「耳の悪い人」ではなく、

「クラスの一人」ととらえているからだ。

それはとてもうれしい。

でも他の学校では、いじめが起こり、

自殺まで起きている。

ぼくは二才のころ大病にかかり、

それでも、今を生きている。

だからこそ、命の重みはよく分かる。

いじめはやってはいけないものなんだ。

みんな同じ命なのだから。

いかがでしたか。

悠くんの学校には、悠くんのことを「耳の悪い人」ではなく

「クラスの一人」として捉(とら)えてくれる友達と、

そのことをとてもうれしく思っている悠くんがいます。

でも他の学校では、障害を理由にいじめられている子も…。

悠くんは、こう訴えます。

「いじめはやってはいけないものなんだ。みんな同じ命なのだから」。

幼いころ大病を患(わずら)い、重度の難聴になった中村清美(なかむらきよみ)さんというミュージシャンがいます。彼女にとって、補聴器は自分だけの特権であり、

手術の傷痕(きずあと)は一生懸命に生きようとした勲章(くんしょう)。

聞こえにくいという理由でいじめに遭いながらも、明るく前向きに生きてきました。

小さいころから歌うことが大好きで、「自分の声も音程も分からない」という困難を乗り越え、

手話を使った歌とダンスで音楽活動を続けています。

同じように、2歳のころ大きな病気にかかりながら一命を取りとめ、

今を生きている悠くんだからこそ、命の重みがよく分かるし、

みんな同じ命なのだと感じています。軽い命なんて一つもない。

そんな悠くんの思いをしっかり受け止めたら、今よりもっと人に優しく、

そして毎日を大切に生きられそうな気がしませんか。

それでは、また。