北九州市人権推進センターがお送りする「明日への伝言板」です。
今日は、平成24年度に北九州市が募集した人権作文の入選作品の中にあった、
迷信と思い込みについてのお話です。
私たち夫婦は結婚して七年間、子どもに恵まれず、
お互い四十歳近くになってしまいました。
不妊治療の選択もありましたが、
子どもに縁がなかったことを受け入れようと話し合ったのを機に
「憧れのマイホーム」を建てることにしました。
大工さんにあれこれと希望を伝えながら設計図を描くときに出されたのは
方角を見る円盤の表で、玄関、台所、トイレなどの
方角の良しあしを確認するものということでした。
「棟梁(とうりょう)、効率悪いから、方角なんて考えないでやりましょう」と伝えると、
理解してもらえました。
棟上(むねあ)げの日が近づくと、棟梁から「三隣亡(さんりんぼう)の日を外しなさい」と言われました。
三隣亡とは、この日に建築すると後々火災に見舞われ、
隣(となり)三軒まで滅ぼすといった凶日(きょうじつ)とされているそうです。
この三隣亡、江戸時代は「屋立(やた)てよし」「蔵立(くらた)てよし」の
吉日(きちじつ)とされていたもので、
どこかで誤解されて「凶日」になった、科学的根拠の何もないものでした。
私はサラリーマンなので、休みが取れる日で、三隣亡などを見ずに行いました。
家が完成し、引っ越しが近くなると、
今度は周りから「大安(たいあん)か仏滅(ぶつめつ)がいいよ」と言われました。
六曜(ろくよう)を見ないといけないそうです。
家を建てるだけで、これほどの迷信に出合うとは思ってもいませんでした。
迷信の中には清(きよ)め塩(じお)や北枕(きたまくら)など差別につながるものが多く存在し、
同和問題などの解決を遅らせているのも事実です。
人がしているからとか、昔から言われているからなど、
何げない言動も一度立ち止まって考えなくてはと思いました。
ちなみに、家を手に入れた翌年、私たちに念願の子どもが生まれました。
周りの人は新築の家の方角が良かったからだと言います。
方角の表は見ていなかったのですが…。
いかがでしたか。
マイホーム新築を機に作者は数々の迷信に遭遇しましたが、
科学的な根拠はないという信念に立ち、振り回されませんでした。
迷信やしきたりの中には、差別を助長したり偏見につながったりする一面もあることに、
あらためて気づかされますね。
では、また。
今日は、平成24年度に北九州市が募集した人権作文の入選作品の中にあった、
迷信と思い込みについてのお話です。
私たち夫婦は結婚して七年間、子どもに恵まれず、
お互い四十歳近くになってしまいました。
不妊治療の選択もありましたが、
子どもに縁がなかったことを受け入れようと話し合ったのを機に
「憧れのマイホーム」を建てることにしました。
大工さんにあれこれと希望を伝えながら設計図を描くときに出されたのは
方角を見る円盤の表で、玄関、台所、トイレなどの
方角の良しあしを確認するものということでした。
「棟梁(とうりょう)、効率悪いから、方角なんて考えないでやりましょう」と伝えると、
理解してもらえました。
棟上(むねあ)げの日が近づくと、棟梁から「三隣亡(さんりんぼう)の日を外しなさい」と言われました。
三隣亡とは、この日に建築すると後々火災に見舞われ、
隣(となり)三軒まで滅ぼすといった凶日(きょうじつ)とされているそうです。
この三隣亡、江戸時代は「屋立(やた)てよし」「蔵立(くらた)てよし」の
吉日(きちじつ)とされていたもので、
どこかで誤解されて「凶日」になった、科学的根拠の何もないものでした。
私はサラリーマンなので、休みが取れる日で、三隣亡などを見ずに行いました。
家が完成し、引っ越しが近くなると、
今度は周りから「大安(たいあん)か仏滅(ぶつめつ)がいいよ」と言われました。
六曜(ろくよう)を見ないといけないそうです。
家を建てるだけで、これほどの迷信に出合うとは思ってもいませんでした。
迷信の中には清(きよ)め塩(じお)や北枕(きたまくら)など差別につながるものが多く存在し、
同和問題などの解決を遅らせているのも事実です。
人がしているからとか、昔から言われているからなど、
何げない言動も一度立ち止まって考えなくてはと思いました。
ちなみに、家を手に入れた翌年、私たちに念願の子どもが生まれました。
周りの人は新築の家の方角が良かったからだと言います。
方角の表は見ていなかったのですが…。
いかがでしたか。
マイホーム新築を機に作者は数々の迷信に遭遇しましたが、
科学的な根拠はないという信念に立ち、振り回されませんでした。
迷信やしきたりの中には、差別を助長したり偏見につながったりする一面もあることに、
あらためて気づかされますね。
では、また。