人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2013年11月12日(火)放送

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親の愛情
北九州市人権推進センターがお送りする「明日への伝言板」です。

 今日は、北九州市教育委員会が平成24年度に募集した人権作品の中から、

北九州市八幡西区(やはたにしく)の中学三年生、南凪沙(みなみなぎさ)さんの作文を紹介します。

題は『親の愛情』です。

 今年の六月、私に15歳離れた二人目の弟ができました。

生まれた翌日に病院で弟と対面したとき、私は自然と涙が出てきて、

「生んでくれてありがとう」と母に言っていました。

 スヤスヤ眠るその小さな命は、とてもかわいくて、いとおしくて、

見ているだけで幸せな気持ちになれます。

弟と一緒に生活するようになってから、

私たち家族は毎日が赤ちゃん中心の生活へと変わりました。

母だけに負担をかけてはいけないと、

父も仕事から帰ると、率先して弟の世話をしています。

私は、一生懸命に子育てをする両親を見て、

「自分もこうやって育ててもらったんだなあ」と思いました。

 世間では乳幼児や児童が両親から虐待されるニュースが後を絶ちません。

本当に悲しいことだと思います。

しかし、生まれる前から虐待しようと思っている人は一人もいないと思うのです。

ただ、親が育てていく過程で、

何らかの不満やストレスなどから虐待してしまうのかもしれません。

そう考えると、虐待されてしまう乳幼児や児童だけでなく、

親も救わなければならないと思います。

子どもも大人も、地域や家族に相談できるようになることで、

少しでも悲しいニュースが減っていけばいいなと思います。

 いつか自分も親になり、子育てをしていてつらいときは周りの人に相談して、

一人で抱えることがないようにしたいです。

そして、深い愛情を持って、いつも子どもの成長を見守っていてくれる

私の父や母のような大人になりたいです。

いかがでしたか。

新しい命の誕生で、凪沙さんは家族のつながりにあらためて目を向け、

子育ての大変さ、両親の苦労を身近に感じるようになります。

そのなかで、子どもを虐待する大人は、そこに至る何かがあったのでは、と思いを広げます。

 子育てを家族だけで抱えることなく、周りの一人一人が支え、

見守っていく社会でありたいですね。

では、また。