北九州市人権推進センターがお送りする「明日への伝言板」です。
今日は、北九州市が平成24年度に募集した人権作文の中にあったお話を紹介します。
私の父と母は重度の聴覚障害で全く聞こえない。
私は物心ついたときから、聞こえる世界と聞こえない世界、二つあることが日常だった。
聞こえないことが日常ではないことを意識するのは、
両親と買い物をしたり、旅行したりといった、外とのコミュニケーションを取るときだ。
学生時代、両親と旅行で博物館を訪れたとき、
母は展示品に興味を示し、よく見ようと、身を乗り出していた。
そこへ会場の女性が説明しようと来てくれた。
しかし、別の女性が小声で何かを言った。
はっきりとは聞こえなかったが、母に聴覚障害があることを伝えていることが、
眉をひそめた表情から伝わった。
そして、女性は話し掛けることをやめてしまった。
このとき、私は悲しさを感じた。私は聴覚障害者と接する上で一番大切なことは、
コミュニケーションを取ろうとする姿勢だと感じている。
手話が全くできなくても、両親に笑い掛けてくれる人、
口を大きく開けてゆっくりと話す人、紙とペンを使い、じっくりと話をしてくれる人もいる。
両親のことを表した言葉で私が一番うれしかったのは、
父は細やかでちょっと神経質、逆に母は細かいことを気にしない性格だね、
と言ってくれた人の言葉だ。
その人は、両親の聴覚障害がある部分ではなく、人柄や特徴を見てくれていたのだ。
障害があってもなくても、そこには一人のかけがえのない個性を持った人がいる。
私は、目の前にいる人の人格を大切にしてコミュニケーションを取ることが、
誰にとっても住みやすい社会につながっていくと感じている。
いかがでしたか。
2013年6月、全ての人が共生する社会を目指す「障害者差別解消法」が成立、
2016年に施行されます。
この法律は、公共機関や民間企業に対し、障害を理由にした不当な取り扱いを禁じ、
施設のバリアフリー化を進めるなどの配慮を求めている他、
障害者からの相談体制や啓発活動の充実を盛り込んでいます。
併せて、私たち一人一人が心の中にあるバリアを取り除いていくことも大事ですね。
では、また。
今日は、北九州市が平成24年度に募集した人権作文の中にあったお話を紹介します。
私の父と母は重度の聴覚障害で全く聞こえない。
私は物心ついたときから、聞こえる世界と聞こえない世界、二つあることが日常だった。
聞こえないことが日常ではないことを意識するのは、
両親と買い物をしたり、旅行したりといった、外とのコミュニケーションを取るときだ。
学生時代、両親と旅行で博物館を訪れたとき、
母は展示品に興味を示し、よく見ようと、身を乗り出していた。
そこへ会場の女性が説明しようと来てくれた。
しかし、別の女性が小声で何かを言った。
はっきりとは聞こえなかったが、母に聴覚障害があることを伝えていることが、
眉をひそめた表情から伝わった。
そして、女性は話し掛けることをやめてしまった。
このとき、私は悲しさを感じた。私は聴覚障害者と接する上で一番大切なことは、
コミュニケーションを取ろうとする姿勢だと感じている。
手話が全くできなくても、両親に笑い掛けてくれる人、
口を大きく開けてゆっくりと話す人、紙とペンを使い、じっくりと話をしてくれる人もいる。
両親のことを表した言葉で私が一番うれしかったのは、
父は細やかでちょっと神経質、逆に母は細かいことを気にしない性格だね、
と言ってくれた人の言葉だ。
その人は、両親の聴覚障害がある部分ではなく、人柄や特徴を見てくれていたのだ。
障害があってもなくても、そこには一人のかけがえのない個性を持った人がいる。
私は、目の前にいる人の人格を大切にしてコミュニケーションを取ることが、
誰にとっても住みやすい社会につながっていくと感じている。
いかがでしたか。
2013年6月、全ての人が共生する社会を目指す「障害者差別解消法」が成立、
2016年に施行されます。
この法律は、公共機関や民間企業に対し、障害を理由にした不当な取り扱いを禁じ、
施設のバリアフリー化を進めるなどの配慮を求めている他、
障害者からの相談体制や啓発活動の充実を盛り込んでいます。
併せて、私たち一人一人が心の中にあるバリアを取り除いていくことも大事ですね。
では、また。