人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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  • 2013年11月28日(木)放送

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大阪市大空小学校の約束
北九州市人権推進センターがお送りする「明日への伝言板」です。

 今日は、大阪市の大空(おおぞら)小学校で決めている、ある「約束」についてのお話です。

 大空小学校には、2006年の開校当初から校則が一切ありません。

その代わり「自分がされていやなことは、人にしない、言わない」という

「たった一つの約束」を、児童、教師、保護者、地域のみんなで大切にしているのです。

 とはいっても、成長期の子どもたちですから、

児童同士のトラブルは毎日のように起こります。

約束を破ってしまった子どもは、さて、どうすればいいのでしょう。

 校長室のドアには「この部屋は、約束を破ったらやり直しをするための部屋です」と、

児童が自ら言葉を考えて書いたポスターが貼られています。

約束を破った児童は、校長室で校長先生と話し合いの時間を持つのです。

 児童からじっくり経緯を聞き、理解した上で、

校長の木村泰子(きむらやすこ)先生がくるくると指を回しながら促します。

 「はーい、巻き戻し!」

 そう。その言葉を聞いた児童は「やり直し」をするために、

過ぎた時間を「巻き戻す」といった感覚でトラブルが生じた時点に立ち返り、

反省しながら相手児童と仲直りできるように努力するのです。

 「もちろん、時間がかかる場合もありますが、

その子その子のやり直しの仕方を尊重しています」と校長先生。

 大空小学校は「自分がされていやなことは、人にしない、言わない」という

「たった一つの約束」にとことんこだわることで、児童の成長を図り、

力を合わせてみんなの学校をつくっていこうという連帯感を作り出しているのです。

 「約束を何度も破った児童が『この約束は絶対守ってほしい!』と

みんなの前で言い残して巣立っていくんですよ」と言って、くすっと笑う校長先生。

この約束は、いじめをなくす上でも成果を挙げてきました。

「学校に全ての子どもの居場所をつくる」、そのための約束でもあるのです。

 北九州市でも、自分たちで決めた約束事を守り合う市民運動

「人権の約束事運動」を進めています。

この運動を盛り上げ、誰もが幸せに暮らせる街、北九州市を目指しましょう。

 約束事を一つご紹介します。

 「思いやる心を育て、明るい未来をつくります」

 では、また。